報道発表資料
広島県竹原市の大久野島北部海岸沖で発見された旧日本軍の発煙筒らしき23個の回収物について、内閣官房からの「現時点で安全面に関して問題はないが、地域住民の安心の観点から、約20個の不審物について調査を実施してほしい。」との要請を受け、下記のとおり、昨年の第1次分析に引き続き、内容物特定のため第2次分析(対象10検体)を実施したところ、このうち2個については、あか筒に関連するものの可能性があるとの分析結果を得ました。
ただし、これら物体中の内容物が海水中に溶解する量や、潮流などによる拡散などに鑑みれば、環境への影響はないものと考えられます。なお、引き続き、広島県による海水濃度モニタリング結果を注視してまいります。
広島県竹原市の大久野島北部海岸沖で発見された旧日本軍の発煙筒らしき23個の回収物について、内閣官房からの「現時点で安全面に関して問題はないが、地域住民の安心の観点から、約20個の不審物について調査を実施してほしい。」との要請を受け、下記のとおり、昨年の第1次分析に引き続き、内容物特定のため第2次分析(対象10検体)を実施したところ、このうち2個については、あか筒に関連するものの可能性があるとの分析結果を得ました。
ただし、これら物体中の内容物が海水中に溶解する量や、潮流などによる拡散などに鑑みれば、環境への影響はないものと考えられます。なお、引き続き、広島県による海水濃度モニタリング結果を注視してまいります。
1.大久野島北部海岸沖で発見された不審物について
- (1)
- 平成21年1月19日に環境省発注の工事請負業者が大久野島北部海岸沖で不審物を発見。
6月5日に内閣官房が関係省庁を招集し、次の3点について関係省庁間で認識が共有された。- [1]
- 専門家からの意見聴取等を踏まえれば、その外形的な特徴から通常の発煙筒か、あるいは、くしゃみ剤を成分とする「あか筒」と見られ、爆発物ではないこと。
- [2]
- 海洋中で60年以上経過していることから当面の危険性は低く、現時点で安全面での問題はないと考えられること。
- [3]
- 地域住民の安心の観点からどう対応すればよいか、検討を行うことが適切であること。
- (2)
- 6月22日に開催された「平成21年度国内における毒ガス弾等に関する総合調査検討会」において、地域住民の安心の観点から、大久野島の不審物を可能な範囲で引き揚げ、内容物の分析を行うことが望ましいとの見解が示されたことを受け、8月12日に不審物23個を引き揚げ、その後、内容物の分析業務を実施した。
- (3)
- 12月4日に第1次分析結果を公表。
23検体のうち、ヒ素含有濃度(約20mg/kg)以上が10検体<43~32,000mg/kg>あり、これらの検体についてあか筒かどうかを判定するため、第2次分析を実施することとした。- ※
- なお、約20mg/kgは、「大久野島土壌等処理対策について」(平成11年11月大久野島土壌等汚染対策検討会)で示されている、広島県内の海域の底質濃度(0.7~17.4mg/kg)を参照し設定した。
2.第2次分析結果等について
あか剤及びその関連成分(ジフェニルクロロアルシン<DA>、ジフェニルシアノアルシン<DC>、ジフェニルアルシン酸<DPAA>、ビス(ジフェニルアルシン)オキシド<BDPAO>)の含有試験、ヒ素の溶出試験を第2次分析として実施した。
分析結果は別紙のとおりであった。この結果、引き揚げられた不審物については、 以下のとおりと考えられる。
- [1]
- 大久野島北部海岸沖で回収された23個の物体のうち21個については、化学兵器に関連するものではないと考えられる。一方で23個の物体のうち2個(試料A及びB)については、あか筒に関連するものの可能性が高い。
- [2]
- これら2個の物体中のヒ素が海水中に溶解する量や濃度と潮流などによる拡散などに鑑みれば、これらの2個の物体が海底に存在したことによる環境への影響はない。
- [3]
- 現在まで、大久野島周辺海域での広島県によるヒ素濃度測定結果は、いずれも定量下限値未満であり、引き続き広島県による海水濃度モニタリングの結果を注視していく。
なお、23個の物体については、今後、専門の処理業者に委託し、適切に処理をすることとし、検討を進める。
添付資料
- 連絡先
- 環境省自然環境局自然環境整備担当参事官室
TEL 03-3581-3351(代表)
TEL 03-5521-8281(直通)
参事官 大庭 一夫(内線6450)
参事官補佐 西村 学(内線6452)
環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課環境リスク評価室
TEL 03-3581-3351(代表)
TEL 03-5521-8262(直通)
室長 塚本 直也(内線6340)
室長補佐 筒井 誠二(内線6341)