報道発表資料
環境影響評価法の一部を改正する法律案が、本日3月19日(金)に閣議決定されましたので、お知らせいたします。
1.改正の趣旨
環境影響評価法(平成9年制定)(以下「法」という。)の施行以降、法に基づく環境影響評価手続の適用実績は着実に積み重ねられ、環境保全に配慮した事業の実施を確保する機能を果たしてきた。法附則第7条では、「政府は、この法律の施行後十年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」こととされている。
法の完全施行から10年を迎え、法の施行を通じて浮かび上がった課題や、生物多様性の保全、地球温暖化対策の推進、地方分権の推進、行政手続のオンライン化等の社会情勢の変化に対応するため、「環境影響評価法の一部を改正する法律案」を閣議決定し、第174回通常国会に提出するものである。
2.法律案の概要
- (1)
- 交付金事業を対象事業に追加
補助金を交付金化する取組が進められていることを踏まえ、交付金の交付対象事業についても法対象事業とする。 - (2)
- 計画段階配慮書の手続の新設
事業の早期段階における環境配慮を図るため、第一種事業を実施しようとする者は、事業の位置、規模等を選定するにあたり環境の保全のために配慮すべき事項について検討を行い、計画段階配慮書を作成することを義務化する。 - (3)
- 方法書における説明会の開催の義務化
法施行後に作成されている方法書の実態として、図書紙数の分量が多く、内容も専門的なものとなっていること等を踏まえ、事業者による方法書段階における説明会の実施を義務化する。 - (4)
- 電子縦覧の義務化
電子化の進展を踏まえ、インターネットの利用等による環境影響評価図書の電子縦覧を義務化する。 - (5)
- 評価項目等の選定段階における環境大臣意見の技術的助言を規定
現行制度において環境大臣意見は評価書の段階でのみ述べられることとなっているが、評価項目等の選定段階においても、環境大臣が主務大臣に対し技術的見地から意見を述べることができるものとする。 - (6)
- 政令で定める市から事業者への直接の意見提出
現行制度においては都道府県知事が関係市町村長の意見を集約したうえで事業者に対して意見を述べる仕組みとなっている。地方分権の進展等を踏まえ、事業の影響が単独の政令で定める市の区域内のみに収まると考えられる場合は、当該市の長から直接事業者に意見を述べるものとする。 - (7)
- 環境保全措置等の公表等の手続の具体化
事業着手後の環境保全措置等の実施状況を明らかにすることは、環境影響評価後の環境配慮の充実に資するものであることから、評価書の公告を行った事業者に対して、環境保全措置等の実施状況についての公表等を義務化する。
3.施行期日
公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日とする。ただし、2.(1)及び(3)から(6)については公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
添付資料
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境影響評価課
課長:花岡 千草(内線6230)
課長補佐:沼田 正樹(内線6234)
担当:鈴木 啓太(内線6239)