報道発表資料

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2010年02月23日
  • 保健対策

平成19年度 大気汚染に係る環境保健サーベイランス調査結果について


 環境省では、昭和63年公害健康被害補償法改正(第一種地域指定解除)に伴い、地域人口集団の健康状態と大気汚染との関係を定期的・継続的に観察し、必要に応じて所要の措置を講ずるために、大気汚染に係る環境保健サーベイランス調査を平成8年度から毎年度実施している。
 平成19年度においては、引き続き3歳児を対象とした調査(以下「3歳児調査」という。)及び小学1年生を対象とした調査(以下「6歳児調査」という。)を実施して、それらの調査結果についての単年度解析、平成8年度~平成19年度の3歳児調査結果についての経年解析等を行った。また、6歳児調査回答者のうち平成15~16年度に実施した3歳児調査時に回答のあった者について追跡解析を行った。
 3歳児調査の対象者は全国38地域の約9万2千人(回答者は約7万5千人)であり、6歳児調査の対象者は全国38地域の約8万9千人(回答者は約7万3千人)であった。
 これらの解析の結果、3歳児調査において大気汚染と「ぜん息」との有意な関連性を示す結果はみられなかったが、6歳児調査のオッズ比による検討において大気汚染(SPM)と「ぜん息」に有意な関連性(オッズ比1.10、95%信頼区間1.03~1.17)が認められた。他方、6歳児調査で過去3年間、オッズ比が1を超えているものの有意な関連性は認められておらず、3歳児調査でもオッズ比が1以下又は1を超えているものの有意な関連性は認められなかった。さらに、対象者別背景濃度区分ごとの呼吸器症状有症率の関係、調査対象地域ごとの対象者別背景濃度の平均値と呼吸器症状有症率の関係においても大気汚染物質濃度が高くなるほどぜん息有症率が高くなるような関連性は認められなかった。
 以上のとおり、3歳児調査及び6歳児調査を通じて全般的には大気汚染物質濃度が高くなるほどぜん鳴及びぜん息有症率並びにぜん息発症率が高くなるような関連性を示す結果はみられなかったが、特に6歳児調査におけるSPMと「ぜん息」の関連性については今後も注意深く観察する必要がある。

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境保健部環境保健企画管理課保健業務室
直通 03-5521-8256
代表 03-3581-3351
室長 森口 裕(6320)
室長補佐 佐々木 正大(6322)
主査 後藤  興治(6327)

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