報道発表資料

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1999年09月06日

第8回アジア・太平洋環境会議(エコ・アジア'99)の結果について

第8回アジア・太平洋環境会議(エコ・アジア'99)は、9月4日及び5日の両日、「気候変動問題」、「持続可能な開発に向けた地域協力」及び「『リオ+10』に向けた貢献」をメイン・テーマとして、札幌市の京王プラザホテル札幌で開催された。
 会議の概要は以下のとおり。
1.会議の正式名称

 アジア・太平洋環境会議(Environment Congress for Asia and the Pacific)

2.主催

 環境庁、北海道及び札幌市

3.会期

 1999年9月4日(土)~9月5日(日)

4.場所

 京王プラザホテル札幌(札幌市)

5.参加者

 我が国を含むアジア・太平洋地域17か国から8人の環境大臣を含む52名、11国際機関から12名その他総計111名が本会議に出席した。

(1)

参加国(17か国・アルファベット順)

 オーストラリア、バングラデッシュ、カンボジア、カナダ、中国、インドネシア、日本、韓国、ラオス、マレイシア、モンゴル、ミャンマー、ネパール、パプア・ニューギニア、スリランカ、タイ、ベトナム(下線は環境大臣が出席した国)

(2)

国際機関(11機関・アルファベット順)

 アジア開発銀行、国連アジア太平洋経済社会委員会、東西センター、経済協力開発機構、南太平洋地域環境計画、国連経済社会局、    国連地域開発センター、国連環境計画・国際環境技術センター、国連環境計画・アジア太平洋地域事務所、国連気候変動枠組条約事務局、国連大学高等研究所、

6.主たる成果

 詳細は、別添「議長サマリー」のとおりであるが、主たる成果は以下のとおりである。

(1)

公開セッション

  • 「21世紀のアジア太平洋地域~持続可能な社会の構築に向けて~」とのテーマで公開セッションが行われた。
  • アジア太平洋地域における環境問題の現状と動向、政策方向、リオ+10に向けた包括的な取組等についての基調講演に引き続きパネルディスカッションが行われた。  
  • パネルディスカッションにおいては、日本、カンボディア、韓国及びネパールの4ヶ国の環境大臣から、それぞれの国の環境問題に係る取組について報告された。
  • その後の討議では、リオ+10はアジア太平洋地域で開催されるべきであること、エコ・アジアは議員又は議員グループとの協力を強めるべきこと、バイオマスエネルギーの利用促進、「ウィン・ウィン・アプローチ」を追求すべきであること、情報の共有が重要であること、等の指摘がなされた。
(2)

セッション1「気候変動問題」

  • 気候変動に係る国際交渉について、COP5及びCOP6を成功させ、京都議定書の早期発効を図ることが最重要課題であることが出席者の共通の認識であり、このため、環境保全の最高責任者としての強力なリーダーシップの発揮、京都メカニズムのルールの明確化、途上国と先進国との対話の促進の重要性が指摘された。
  • 地域内各国及び国際機関において、多岐にわたって総合的な対策が実施されていることが報告されるとともに、これらの対策を推進する上での様々な問題についても併せて報告された。これらの問題を解決するため、地球温暖化対策の実施に当たって持続可能な開発の推進と両立する「ウィン・ウィン・アプローチ」の重要性が強調された。
  • 国際協力、地域協力の重要性について指摘がなされ、特に、技術移転や人材の育成の必要性及び、そのための国際協力の重要性が強く指摘された。
  • クリーン開発メカニズム(CDM)については、技術移転や投資の促進手段として強い期待が示されるとともに、具体化に向けて途上国の理解を促進し、その幅広い参加を図っていくことの重要性について指摘があった。
(3)

セッション2「持続可能な開発に向けた地域協力」

  • 民間セクターによる技術移転の具体例、持続可能な開発に関する国内の取組と地域協力、酸性雨モニタリングに関する政府間及び科学的なフォーラムの連絡を図るネットワーク、地域内の国際機関の取組について紹介があった。
  • 能力向上等についての途上国への支援の強化、援助受入側の要望に立脚した国際協力の推進、地域内の国際機関との連携の強化について、その重要性が指摘された。また、多様性に富む本地域の経験は地域外にとっても有用なものであり、本地域での優良事例の実施に期待が示された。持続可能な開発のための地域協力を一層推進すべきであることについて意見が一致した。

(4)

セッション3「2002年のアジェンダ21の包括的レビュー、いわゆる「リオ+10」への貢献」

  • リオ+10はより広い主体の参加を得て進められるべきであり、途上国の積極的な参加を得て、真のパートナーシップの構築が必要であることが強調された。また、環境政策は、経済・社会政策との連携が不可欠であることが繰り返し指摘された。
  • エコ・アジアは、アジア太平洋地域からリオ+10に向けたインプットを行う上で、重要な役割を有しており、その活動を強化することの重要性の認識が共有された。
  • 様々な多国間環境条約の取組、国際会議、ワークショップ・セミナー等が数多く開催されており、人的・時間的制約の下でこれら取組の効率性を高める必要性が強調された。条約への参加及び実施を進めることが重要であり、また、統合的に取り扱う組織についても提案があった。
  • 各々の国で生産できる再生可能なエネルギーの利用を推進するための新たな地域内ネットワーク構築の提案や環境教育の重要性についての指摘がなされた。
連絡先
環境庁企画調整局地球環境部企画課
課   長 :一方井誠治(6731)
 調 査 官  :薄木 三生(6748)
 課長補佐 :神  公明(6736)
 課長補佐 :永山  透(6736)