報道発表資料
- 環境省では、昨年11月、国内のプロジェクトにより実現された温室効果ガス排出削減・吸収量をカーボン・オフセットに用いられるクレジットとして認証する「オフセット・クレジット(J-VER)制度」を創設しました。
- 本制度の活用を一層促進するため、本制度の活用を希望するプロジェクト事業者の方々に対し、[1]申請書作成支援及び[2]モニタリング報告書の作成、検証受検支援等を行うこととし、本年5月から対象事業を募集しました。
- 今般、12月11日までに応募のあった案件の中から、[1]申請書作成支援を行う5事業者、[2]モニタリング報告書の作成、検証受検支援等を行う2事業者を決定しましたので、お知らせします。この度の採択で、[1]については合計27事業者、[2]については合計16事業者者が選定されました。
- なお、本制度活用事業者に対する支援事業については、平成21年度第2次補正予算の「温室効果ガス排出削減・吸収クレジット創出事業」において、引き続き実施する予定です。詳細は、追って公表いたします。
1.オフセット・クレジット(J-VER)制度活用事業者支援事業について
- (1)オフセット・クレジット(J-VER)制度とは
- これまで、カーボン・オフセットには主に京都メカニズムクレジットが用いられていましたが、国内の排出削減・吸収活動によるクレジットを用いたいというニーズの高まりを受けて、環境省では、一定の基準を満たした信頼性の高いクレジットを認証する「オフセット・クレジット(J-VER)制度」を創設しました(別添1参照。)。
本制度の活用によって、これまで海外に投資されていた資金が国内の温室効果ガス排出削減・吸収活動に還流することとなるため、地球温暖化対策と地域経済の活性化が一体的に推進されることが期待されています。 - (2)支援内容
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- [1]申請書作成支援
- 排出削減・吸収プロジェクトの申請を行おうとする事業者を対象に、30事業者程度を目安に、申請書・モニタリングプラン作成指導、登録審査(バリデーション)時の問い合わせへの対応、オフセット・クレジット(J-VER)の買い手情報の提供を行います。
- [2]モニタリング報告書作成・検証受検支援
- 15事業者程度を目安に、プロジェクトの登録を受けた事業者のうち、今年度中に排出削減・吸収量のモニタリング・検証を終える意思を有する事業者を対象に、モニタリング報告書作成にあたっての指導、検証機関情報の提供、検証時問い合わせへの対応、検証費用の負担(100万円を上限に全額)、J-VERの買い手情報の提供を行います。
- (3)選定基準
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- [1]申請書作成支援
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- オフセット・クレジット(J-VER)制度への申請意思
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- 温室効果ガスの排出削減量又は吸収量
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- オフセット・クレジット(J-VER)制度ポジティブリスト(パブリックコメント中のものを含む)との適合性
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- 事業の実現可能性
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- 申請内容の対外的アピール性
- [2]モニタリング報告書作成・検証受検支援
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- 申請内容のコベネフィット性、対外的アピール性
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- 温室効果ガスの排出削減量又は吸収量
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- 検証の実施予定時期、費用の妥当性
2.採択結果について
[1]申請書作成支援の対象となったプロジェクトは以下のとおりです。
プロジェクト代表事業者 | プロジェクト実施場所 | プロジェクト種類 |
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内子町 | 愛媛県喜多郡内子町 | 森林経営活動によるCO2吸収量の増大 (間伐促進型プロジェクト) |
王子製紙株式会社 | 神奈川県足柄上郡山北町 | |
鹿島建設株式会社 | 宮崎県延岡市 | |
愛媛県 | 愛媛県松山市ほか | 廃食用油由来のバイオディーゼル燃料の車両等における利用 |
バイオソリッドエナジー株式会社 | 山形県新庄市 | 下水汚泥由来バイオマス固形燃料による化石燃料代替 |
[2]モニタリング報告書作成・検証受検支援の対象となったプロジェクトは以下のとおりです。
プロジェクト代表事業者 | プロジェクト実施場所 | プロジェクト種類 |
---|---|---|
鳥取県 | 鳥取県 | 森林経営活動によるCO2吸収量の増大 (間伐促進型プロジェクト) |
バイオソリッドエナジー株式会社 | 山形県新庄市 | 下水汚泥由来バイオマス固形燃料による化石燃料代替 |
今後のスケジュール
今般の[1]申請書作成支援及び[2]モニタリング報告書作成・検証受検支援については、いったん募集を締め切りますが、「明日の安心と成長のための緊急経済対策」(平成21年12月8日閣議決定)に『温室効果ガス排出削減・吸収クレジット創出支援事業の推進』が盛り込まれたことを踏まえ、平成21年度第2次補正予算(案)の成立後、引き続き本制度活用事業者に対する支援事業を実施いたします。
この事業では、今般実施した[1]及び[2]の支援事業のほか、J-VER創出プロジェクトに係る設備投資等の補助等を行うこととしています(別添2参照。)。詳細は追って公表いたします。
参考
本制度のフローについては、別添1を御参照ください。その他本制度の詳細については、下記の環境省HP及び本制度事務局(気候変動対策認証センター)HPを御覧ください。
・環境省HP https://www.env.go.jp/earth/ondanka/mechanism/carbon_offset.html
・本制度事務局(気候変動対策認証センター)HP http://www.4cj.org/index.html
添付資料
- 連絡先
- 環境省地球環境局地球温暖化対策課市場メカニズム室
直通:03-5521-8354
代表:03-3581-3351
室長:戸田 英作(6737)
室長補佐:塚本 愛子(6785)
係長:泉 勇気(6041)
担当:新中 達也(6041)