報道発表資料

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1998年03月04日

第5回エコアジア長期展望プロジェクト国際ワークショップの結果について

環境庁は3月3日及び4日の両日、東京において、アジア太平洋地域各国及び関係国際機関の参加を得て「第5回エコアジア長期展望プロジェクト国際ワークショップ」を開催した。
 本会合においては、昨年度までの第一フェーズの活動を概観するとともに今年度からの第二フェーズの活動計画について議論が行われた。
1.開催日時・場所   平成10年3月3日(火)、4日(水)
  於東京(椿山荘フォーシーズンズ・ホテル)

2.参加者
(1) アジア太平洋地域各国からの参加13ヶ国13名の専門家
バングラデシュ、カンボジア、中国、フィジー、インド、インドネシア、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、スリランカ、タイ
(2) 関係国際機関等5機関5名の専門家
東西センター(EWC)、国際熱帯木材機関(ITTO)、南太平洋地域環境計画(SPREP)、国連地域開発センター(UNCRD)、国連大学(UNU)
(3) 日本からの参加者20名
環境庁、国内専門家等

3.議論の概要
 加藤三郎座長(環境・文明研究所)の議事進行の下、以下の事項に関し討議が行われた。

(1) 昨年度までの第一フェーズにおける活動の概観
 事務局より第一フェーズの成果について報告が行われた。
(2) 近年の地球/地域規模での取組状況
 近年の地球/地域規模での取組状況として、気候変動枠組条約第3回締約国会議、環境指標に関するニュージーランドの経験、アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)等が紹介された。
(3) 今年度からの第二フェーズの活動計画の目的
 第一フェーズで提示された4つのコンセプト(注参照)についての具体的な取組を行うことによって、以下の目的の実現に努めることで合意した。
{1} 社会経済的状況、開発シナリオの異なるアジア太平洋地域において、持続可能な開発を実現するような環境政策のオプションを明らかにすること。
{2} 2002年の"RIO+10"へ貢献するような成果を作成し、エコアジア閣僚会議に提出すること。
{3} 持続可能な開発を実現するため、参加各国の人的能力及び組織の能力を高めること。
(4) 第二フェーズの活動として、以下の点が合意された。
{1} 第一フェーズで提示された4つのコンセプトに関し、より具体的な取組を行うこと。
{2} 各国のフォーカル・ポイントの連携が図れるメカニズムを開発すること。
{3} エコアジア・ネットの活用を図ること。
{4} NGO等の参加に向けた努力を行うこと。
4.今後の予定
 第二フェーズの活動計画内容をさらに検討し、本年9月に仙台で開催予定のエコアジア閣僚会議に提出することとなった。

 

(注)第一フェーズで提示された4つのコンセプト
1. エコ・コンシャスネス(環境意識)
 本地域が本来持っている環境に対してやさしい価値観、伝統、社会行動様式、意志決定方式及び生活の知恵等を包含したコンセプト。
2. エコ・パートナーシップ(環境パートナーシップ)
 地方レベル、国レベル、地域レベルという様々な段階において、企業、NGO、地方自治体等、様々な主体同士、あるいは主体内部での協力及び経験の交換を強化するもの。
3. エコ・テクノロジー/エコ・インベストメント(環境技術・環境投資)
 経済成長と環境保全を調和させるための投資と、環境保全に貢献する技術。
4. エコ・ポリシー・リンケージ(環境政策の連携)
 地球規模の環境政策と開発途上国の国内の環境政策を連携させ、それにより開発途上国の国内の環境政策を支援し、一方で、地球規模の環境政策の達成に向けて効果的に貢献するもの。
連絡先
環境庁企画調整局地球環境部企画課
調査官   :竹本 和彦(6748)
 課長補佐 :岸部 和美(6721)

環境庁企画調整局地球環境部環境保全対策課環境協力室
室長補佐 :辻 昌美  (6744)