報道発表資料

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2009年10月26日
  • 保健対策

「UNEP水銀に関するアドホック公開作業グループ会合」の結果について(お知らせ)

 10月19日から23日まで、バンコクにおいて「UNEP水銀に関するアドホック公開作業グループ会合」が開催されました。今回の会合では、水銀規制に関する条約について議論するために来年以降開催が予定されている政府間交渉委員会(INC)の準備に関する議論やUNEP水銀プログラムによる活動報告等がなされました。
 議論の結果、今後の交渉に向けて、条約で定めるべき内容についてUNEP事務局が選択肢を記した資料を準備することや、政府間交渉委員会の手続規則の案などについて合意されました。なお、第1回INCは、2010年6月7日~11日にストックホルム(スウェーデン)において開催することになりました。

1.背景

 国連環境計画(UNEP)においては、2001年より地球規模での水銀汚染に関連する活動(UNEP水銀プログラム)を開始し、2005年からは鉛及びカドミウムも対象に加えて活動(UNEP重金属プログラム)を行っています。
 2009年2月にナイロビで開催された第25回UNEP管理理事会では、水銀管理についての条約制定に向けて、2010年に政府間交渉委員会(INC)を設置し、2013年までにその結論を得ることが決定されました。
 また、同理事会においては、INCの準備のため、「水銀に関するアドホック公開作業グループ会合」(以下「作業グループ会合」という。)を今年後半に設置・開催することについても決定されました。今回の作業グループ会合はこの決定を受けて開催されたものです。

2.作業グループ会合の日程・議題等

(1)会議期間・開催地

 会議期間 :
2009年10月19日(月)~23日(金)
 開催地   :
バンコク(タイ)

(2)主な議題

 ○
INCの準備について(スケジュールや組織的事項等)
 ○
UNEP水銀プログラムの活動報告

(3)会議文書等

 議題、会議文書等はUNEPのウェブサイト(http://www.chem.unep.ch/)から入手可能です。

(4)我が国からの出席者

 我が国からは、環境省及び外務省の担当官が出席しました。

3.作業グループ会合の結果の概要

(1)作業グループ会合の議長団について

議長 :
ジョン・ロバーツ(英国環境食料農村省化学・ナノテクノロジー部次席:西欧その他地域代表)
副議長:
日本(関谷 毅史環境省環境安全課課長補佐):アジア太平洋地域代表、ウルグアイ:ラテンアメリカカリブ海地域代表、ナイジェリア:アフリカ地域代表、ベラルーシ:中東欧地域代表

(2)INCの準備について(スケジュールや組織的事項等)

○ INCの開催時期等について
 第25回UNEP管理理事会の決議において、2013年までにINCにおける議論の結論を得ることとされていることを踏まえて、UNEP事務局より2013年1月までにINCを5回開催することが提案されました。第1回のINCは、2010年6月7日~11日にストックホルム(スウェーデン)において開催されることになりました。
 また、今後の交渉に向けてUNEP事務局がINCに提供する情報のリストが合意されました。具体的には、条約の構成やその内容について選択肢を記した資料や、資金支援や技術移転に関する選択肢に関する情報等をUNEP事務局がとりまとめて提供することになりました。
○ INCの組織的事項について
 INCにおける手続規則の案が合意されました。同案においては、INCでは各国連5地域から2名ずつ議長団のメンバーを選出し、その中から1名が議長を、他の9名が副議長(うち1名は書記を兼務)を務めることとされ、INC1までに各地域内で議長団の候補を選定することとされました。今回合意された手続規則案は、第1回INCにおいて採択に付されることとなります。
○ INCにおける検討事項に関する情報共有
 水銀の供給の削減、余剰水銀の長期保管、水銀含有廃棄物の管理等、今後INCにおいて検討されることが見込まれる具体的課題について、専門家等が現状や今後期待される取組について発表を行い、情報共有が図られました。我が国は、バーゼル条約の下での水銀含有廃棄物の適正管理に関する技術ガイドラインの策定や同廃棄物の適正管理に係る具体的な事例等を盛り込んだガイダンスの作成を引き続き主導していくことを表明しました。

(3)UNEP水銀プログラムの活動報告

 UNEP事務局より、水銀プログラムの活動として、水銀の排出に関する報告書の更新やUNEP水銀パートナーシップの活動について報告がなされました。
 今後、水銀の排出に関する報告書の更新のために必要なデータの提供を各国に求めるとともに、提供されたデータを基に報告書が更新される予定です。また、UNEP水銀パートナーシップについては、引き続き継続・強化していくことが合意されました。

4.今後の予定について

 今回の作業グループ会合の結果を受けて、来年6月にストックホルムにおいて第1回INCが開催され、2013年に結論を得ることを目指して条約交渉が開始される予定です。我が国は、水俣病経験国として、今後ともアジア太平洋地域グループ及び他地域グループ、事務局等との緊密な連携・意見交換等を通して、水銀規制に関する条約制定に向けた国際的な議論を主導していく予定です。
 また、条約交渉と並行して、世界各国における水銀汚染対策の強化を進めるため、UNEP水銀パートナーシップにおける廃棄物分野を主導すること等を通して自主的取組についても引き続き積極的に取り組んでいくこととしています。

連絡先
環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
代 表:03-3581-3351
課長:早水 輝好(内線 6350)
課長補佐:関谷 毅史(内線 6353)
係長:栗栖 雅宜(内線 6360)
担当:寺井  徹 (内線 6356)