報道発表資料

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1997年11月12日

化学物質リスクコミュニケーション手法検討調査の実施について

環境庁では、今後の化学物質対策を進める上で、化学物質のリスク評価や対策のあり方に関し、住民・行政・事業者等の関係者の共通理解の形成を図り、協力を促進する手法である「リスクコミュニケーション」について、我が国に適した手法の開発が必要と判断し、(社)日本化学会に委託し、その検討を行うことになった。
第1回の調査検討委員会は11月14日に開催される。
1.経緯
 環境庁では、化学物質の環境リスクの低減等を目指して、現在、PRTR(環境汚染物質排出・移動登録)の導入の検討を行っているほか、ダイオキシン対策、PCB処理の推進等の施策を進めているところである。これらの施策を進めるに当たっては、科学的なリスク評価やこれに基づくリスク管理の実施のみならず、化学物質のリスクに関して、住民・行政・事業者等の関係者の共通理解の形成を図り、協力を促進するための「リスクコミュニケーション」の推進が必要である。しかしながら、リスクコミュニケーション手法に関しては、我が国における検討はこれまであまり進んでいなかった。
 このため、環境庁では本年度より「化学物質リスクコミュニケーション手法検討調査」を(社)日本化学会に委託し、リスクコミュニケーション手法に係る情報収集、我が国に適した手法の検討などを行うこととした。

2.調査の内容
(1)化学物質のリスクに関する意識調査
 一般市民、事業者、地方公共団体、学識者等の化学物質のリスクに関する意識状況を把握するため、アンケート調査等を実施する。

(2)諸外国における化学物質のリスクコミュニケーションに関する実態調査
 諸外国における化学物質のリスクコミュニケーションの事例、制度、マニュアル、関連情報等を文献調査等により収集し、整理する。

(3)我が国における化学物質のリスクコミュニケーションに関する実態調査
 我が国における化学物質のリスクコミュニケーションの事例、関連情報等を文献調査、ヒアリング調査等により収集し、整理する。

(4)我が国における化学物質のリスクコミュニケーション手法の検討
(1)~(3)の調査を踏まえて、我が国における化学物質のリスクコミュニケーションの役割、手法、課題及び留意点について、科学的、心理学的、社会学的面から検討し、整理する。

(5)化学物質のリスクコミュニケーションのガイドライン等の検討
(4)の検討を踏まえ、化学物質のリスクコミュニケーションの具体的手順等を解説した事業者用、行政担当者用、及び市民用の各ガイドライン並びに参考資料作成の検討を行う。

 上記の調査・検討に当たっては、学識経験者を中心に様々な立場の方々からなる検討調査委員会(別記)及び作業部会を委託先の(社)日本化学会に設置し、助言を得ることとしている。

3 第1回検討調査委員会の開催
 これまで、環境庁、検討調査委員会及び作業部会のメンバーにより予備的な検討が行われてきたが、これらを踏まえて第1回の化学物質リスクコミュニケーション手法検討調査委員会が下記のとおり開催される。

 日時:平成9年11月14日(金) 14時30分~17時30分
 場所:化学会館((社)日本化学会会議室)


(別記)
    化学物質リスクコミュニケーション手法検討調査委員会名簿
氏  名 所   属
浦野 紘平
 【座長】
 
今井 澄江
大歳 幸男
岡島 成行
織  朱実
河邊 匡一郎 
北野  大
関澤  純
長島  実
原科 幸彦
村山 武彦
元川 浩司
渡辺 一法
横浜国立大学教授(工学部物質工学科)
 
 
神奈川県消費者の会連絡会代表
(社)日本化学工業協会化学物質総合安全管理センター部長代理 
読売新聞論説委員
東京海上リスクコンサルティング(株)
淑徳大学教授(国際コミュニケーション学部)
淑徳大学教授(国際コミュニケーション学部)
国立医薬品食品衛生研究所化学物質情報部情報第一室長
協和発酵工業(株)生産管理本部安全環境管理室長
東京工業大学教授(工学部社会工学科)
福島大学助教授(行政社会学部)
日本生活協同組合連合会組織推進本部環境事業推進室
神奈川県環境部環境政策課環境政策班技幹
連絡先
環境庁企画調整局環境保健部環境安全課
課長:中島正治(内6350)
 担当:早水輝好(内6353)
     増沢陽子(内6354)