報道発表資料
市町村により分別収集された使用済ペットボトルは、容器包装リサイクル法に基づく指定法人ルートによらない市町村独自処理が行われております。このため、「廃ペットボトルの輸出等市町村における独自処理に関する実態調査」を実施し、その結果の概要を取りまとめましたのでお知らせします。
この結果、昨秋からの市況の急変を踏まえ指定法人ルートでの処理量が急激に増加し、平成21年度は処理量の約68%が指定法人ルートとなる見込みとなりました。独自処理をしている市町村については、引渡事業者と契約時に引渡要件を定めていない市町村が34.8%となっており、前年度から12%減少しました。また、使用済ペットボトルの処理先について、住民へ情報を提供していない市町村は48.9%となり、前年度から約8%低下し、基本方針に基づく対応について、一定の進捗がみられました。
環境省では、基本方針の趣旨について、引き続き市町村に対して周知、徹底を進めてまいります。
1.背景
市町村により分別収集された容器包装廃棄物については、平成18年の容器包装リサイクル法の一部改正に伴い改正された容器包装廃棄物の排出の抑制並びにその分別収集及び分別基準適合物の再商品化の促進等に関する基本方針(以下「基本方針」という。)において、指定法人等への円滑な引渡しを促進することが必要であること、また、容器包装廃棄物を市町村が指定法人以外の事業者に引き渡す場合にあっては、「分別収集された容器包装廃棄物が環境保全対策に万全を期しつつ適正に処理されていることを確認することが必要である。同時に、市町村は、このような容器包装廃棄物の処理の状況等については、住民への情報提供に努めることが必要である。」ことを定めています。
しかしながら、使用済ペットボトルについては、輸出等市町村における独自処理が数多く行われております。
今般、市町村における使用済ペットボトルの分別収集の実施状況及び処理の実態を把握することを目的に、平成19年度に引き続き、平成20年度も「廃ペットボトルの輸出等市町村における独自処理に関する実態調査」を実施し、その結果の概要を以下のとおり取りまとめました。
2.「廃ペットボトルの輸出等市町村における独自処理に関する実態調査」調査概要
- (1)調査目的:
- 市町村における使用済ペットボトルの独自処理の実態を把握すること
- (2)調査対象:
- ペットボトルの分別収集を行っている市町村
- (3)調査期間:
- 平成21年1月~2月
- (4)回答率:
- 99.8%(平成19年度分別収集実施市町村 (環境省調査)1,754に対し回答数は1,751)
3.調査結果
(1)使用済ペットボトルの処理方法
回答のあった市町村の指定法人向け処理量の割合は、徐々に増加傾向であり平成21年度(計画)は68.0%となった。
(2)引渡し先事業者の選定、契約時の要件
独自処理を行う市町村のうち、事業者に要件を設けている市町村は62.3%あり、引き渡しの要件を定めていない市町村が34.8%であった。前年度調査の記者発表時の結果と比較して、引き渡しの要件を定めていない市町村は12%の減となった。(択一回答)
また、引渡し事業者に対する要件の内容としては、「再商品化すること」が60.9%で最も多く、次いで「国内再商品化製品利用事業者が利用すること」が56.6%、「環境保全対策に万全を期しつつ適正に処理されていること」が33.8%、「そのまま輸出業者に引き渡さないこと」が29.4%となっている。(複数回答)
(3)要件の確認方法
引渡し事業者に要件を設定している市町村のうち、要件の確認方法としては、「仕様・契約書に盛り込む」が26.7%、「事業者への聞き取り調査だけ」が14.3%、「事業者を信頼して特に確認せず」が4.7%と合わせて45.7%の市町村が自ら確認を行っていなかった。なお、「現場確認」を行っている市町村は38.7%となっている。(択一回答)
(4)市町村独自処理についての市民への情報提供
独自処理を行っている市町村のうち、独自処理をしていることを市民に説明しているかについては、「情報提供していない」が48.9%と約半数となっており、前年度調査の記者発表時の結果と比較して、約8%の減となった。
次いで「独自処理していることのみを公表」が15.5%、「指定法人処理と市町村独自処理の量を公表」が11.2%、「引渡し業者名のみを公表している」が6.4%となり、「独自処理の最終利用先まで公表」しているのはわずか3.9%であった。(択一回答)
(5)市町村独自処理の引渡し先事業者
市町村独自処理の引渡し先事業者の延べ数は1075社(H19)で、その業種内訳は、平成19年度実績では、「自らフレークやペレットに加工」する事業者が53.6%と最も多く、次いで「ベール化して国内の再生業者に販売」している事業者が16.9%となっている。輸出している事業者は計8.1%で、「フレークやペレットに加工して輸出」が6.7%、「ベール化したものを輸出」が1.4%となっている。
(6)使用済ペットボトルの行き先
市町村独自処理により処理された使用済ペットボトルの行き先については、平成19年度実績でマテリアル、ケミカルをあわせて国内で再商品化されていると回答した市町村の割合が61.9%であった。全部または一部が国外輸出は12.0%であるが、原料化後の行き先を把握していない市町村を含め32.9%の市町村において、独自処理された使用済ペットボトルが輸出されている可能性がある。
(7)輸出時の状態確認について
使用済ペットボトルの行き先について、全部または一部が国外に輸出していると回答した市町村に輸出時の使用済ペットボトルの状態を確認する方法について尋ねたところ、平成19年度において口頭説明のみ行っている市町村は41.9%、提出書類での確認が25.6%、委託(売却)時の仕様・契約書が4.7%となっており、現場での確認をしている市町村は24.0%であった。(択一回答)
(8)市町村独自処理の選択理由
市町村が独自処理を行っている理由としては、「指定法人より高く販売できるため」が53.0%と最も多くなっている。(複数回答)
- 連絡先
- 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課リサイクル推進室
直通:03-5501-3153
代表:03-3581-3351
室長:上田 康治(内線6831)
室長補佐:菊池 圭一(内線6822)
担当:九反田・山中(内線6823・6837)
関連情報
過去の報道発表資料
- 平成20年6月26日
- 「廃ペットボトルの輸出等市町村における独自処理に関する実態調査」結果について(お知らせ)