報道発表資料

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1997年10月31日

第8回ベルリンマンデート・アドホックグループ会合(AGBM8)第8日目(10月30日)の状況について

標記会合の第7日目(第2週第3日目)(10月30日)には、AGBMの全体会合が、エストラーダ議長の議事の下で開催され、4つの非公式の交渉グループからの報告と、それを踏まえた議論が行われた。また、{1}吸収源及び{2}組織的事項に関する非公式の交渉グループが開催された。

AGBM全体会合の模様

冒頭、エストラーダ議長は、

{1} 4つの非公式の交渉グループ議長から報告を聞いて、さらに議論する、
{2} その際、コンセンサスのないことや選択肢のあることを示す括弧印(ブラケット)は極力少なくし、議場外の人々にもわかりやすいテキストとして京都に提出したい旨述べた。

(1) 政策・措置
 エストラーダ議長当初案第2条で取り扱っている政策・措置に関する規定について、「政策・措置」の非公式の交渉グループ議長のカンテ氏(セネガル)より検討結果を紹介。政策・措置を例示したリストの位置づけ、途上国への悪影響についての規定の是非、政策・措置の調整の可否などについてコンセンサスが得られていないものの、条文案が整理された旨、報告があった。
 この報告を踏まえ、さらにコンセンサスが図れないか討議が行われたが、途上国への悪影響の回避等に係る規定に関し、直接これに言及しない形の修文案が米国より提示され、他方、G77からは、クリーン開発ファンド等に言及する修文案が提示された。議長は、これらをベースにさらに本日中調整を行うこととしたほかは、条文案は、非公式の交渉グループ議長案のとおりとされた。

(2) 条約4条1項の実施の推進
 エストラーダ議長テキスト第12条(全締約国の約束の実施の推進)及び第13条(資金メカニズム)に関し、「条約4条1項の実施の推進」の非公式の交渉グループ議長のエバンス・キング氏(トリニダート・トバコ)より交渉結果が報告された後、個別条項について議論を行った。 途上国は、「新規かつ追加的資金」の提供を含む新たな提案を行っているところ、先進国はそれに反対した。また、各種実施措置の中に、「山地管理プログラムの実施」を入れるべきとの提案(ネパール)があり、賛同を得た。さらに、環境アセスメントに気候変動への配慮を入れるべきとの条項について、途上国が、開発援助の新たな条件付けと考え反対したのに対し、先進国は、本条項を支持した。
 第13条については、本日夜のセッションで検討し、最終日、全体会合に報告されることになっている。

(3) 数値目標
 3条1項(数量目標)は、3つのオプションを並記。吸収源の取扱に関し、別途開かれた非公式の交渉会議において結論が得られず、ネットアプローチについては括弧に入れることとした。
 排出枠取引(第5条)、共同実施(第6条)については、非公式の交渉グループ議長のテキストでは、全体を括弧で括り、G77+中国がこれらの条項の全面削除を求めている旨、脚注に書かれているので、G77からの発言はあまりなかった。各先進国は、一様に評価。EUも、基本的に否定しない方向であった。
 数値目標グループは、夜のセッションの延長(1:00迄)があり、引き続き議論を続けている。

(4) 組織的事項に関する非公式の交渉グループ
 非公式の交渉グループがまだ続いており、明日の全体会合に報告される予定である。
連絡先
環境庁企画調整局地球環境部環境保全対策課課   長:小林  光
調 整 官 :関 荘一郎(6740)
 調 査 官 :三好 信俊(6760)
 課長補佐:石飛 博之(6737)
 係   長:中尾  豊(6738)