報道発表資料

この記事を印刷
2022年05月26日
  • 総合政策

川辺川の流水型ダムに関する環境配慮レポートに対する環境大臣意見の提出について

1. 環境省は、「川辺川の流水型ダムに関する環境配慮レポート」(国土交通省九州地方整備局)に対する環境大臣意見を国土交通大臣に提出した。

2. 環境大臣意見では、
(1) 下流域の水環境への影響について、濁度や水温の変化等に関する具体的なシミュレーションを含めた調査、予測及び評価を行うこと。
(2) アユや九折瀬洞内の生物をはじめとした動物、植物及び生態系への影響を回避又は極力低減するため、河川の連続性の確保等に留意して、ダムの放流設備等の構造、試験湛水の方法、ダムの運用方法等に関する詳細な検討を行うこと。
(3) 今後、気候変動による降水量の変化に伴う流況の変動が生じる可能性があることから、適切にモニタリング計画を検討すること。
等を求めている。

背景

 川辺川ダムについては、「令和2年7月豪雨」をはじめとする度重なる水害を受け、熊本県の蒲島知事が令和2年11月に「命と環境を守る『緑の流域治水』を進め、その一つとして『新たな流水型のダム』を国に求める」ことを表明した。環境保全の見地から、国土交通省と環境省が連携して、法に基づくものと同等※1の環境影響評価を実施することとしている(令和3年5月21日付国土交通省報道発表「球磨川の「新たな流水型ダム」の環境影響評価について環境省と連携して実施します」参照)。

 

 環境影響評価法は、湛水面積100ha以上のダムの新築を第一種事業としており、環境大臣は、計画段階環境配慮書※2について、国土交通大臣からの照会に対して意見を述べることができる。本事業では、配慮書に相当する「環境配慮レポート」について環境大臣意見を述べた。

 今後、国土交通大臣から、事業者である国土交通省九州地方整備局に対して、環境大臣意見を勘案した意見が述べられ、事業者は、意見の内容を検討した上で事業計画を具体化し、引き続き環境影響評価手続を行うこととなる。

 

※1 環境影響評価法施行前に工事着手済みのため、同法の対象外。

※2 計画段階環境配慮書:配置・構造又は位置・規模に係る事業の計画段階において、重大な環境影響の回避・低減についての評価を記載した文書。
 

事業の概要

・ 事業者  国土交通省九州地方整備局

・ 事業位置 熊本県球磨郡相良村から五木村の球磨川水系川辺川

・ 規模   湛水面積:3.91km2、堤高:107.5m、堤頂長:約300m

・ 形式   重力式コンクリートダム(流水型)

・ 目的   球磨川流域における洪水被害の防止及び軽減を目的とする。


環境大臣意見

 別紙のとおり。

(参考)環境影響評価に係る手続

・ 令和4年4月11日  国土交通大臣から環境大臣に意見照会

・ 令和4年5月25日  環境大臣から国土交通大臣に意見提出

連絡先

環境省大臣官房環境影響評価課環境影響審査室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8237
室長
木野 修宏  (内線 5679)
室長補佐
豊村 紳一郎 (内線 5680)
審査官
新田 一仁  (内線 5683)
審査官
竹内 宏徳  (内線 5675)

PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Readerが必要です。Adobe Reader(無償)をダウンロードしてご利用ください。

Get ADOBE READER