報道発表資料

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2023年04月04日
  • 自然環境

全国のニホンジカ及びイノシシの個体数推定等の結果について

1. 環境省では、ニホンジカ及びイノシシの全国的な生息状況の動向を把握するため、統計手法を用いた個体数の推定等を平成25年度から実施しています。この度、令和3年度末時点の結果を取りまとめましたので、お知らせします。

2. 令和3年度末における本州以南のニホンジカの個体数は、中央値で約222万頭(90%信用区間:約192万~265万頭)、イノシシの個体数は、中央値で約72万頭(90%信用区間:約54万~97万頭)と推定されました。

3. ニホンジカ及びイノシシの個体数は、平成26年度をピークに減少傾向が継続していますが、ニホンジカの個体数は依然として高い水準にあるため、引き続き捕獲強化を進めます。

経緯

 ニホンジカ及びイノシシは、その生息数の増加や生息域の拡大により、自然生態系、農林水産業及び生活環境に深刻な被害を及ぼしています。
 こうした被害を軽減するため、平成25年には、環境省と農林水産省において「抜本的な鳥獣捕獲強化対策」を共同で取りまとめ、「ニホンジカ、イノシシの個体数を10年後(令和5年度)までに半減」することを当面の目標(以下「半減目標」という。)としました。
 この半減目標の達成に向け、捕獲により各地域の個体数等を適切に管理する個体群管理が進められていますが、効果的に管理を行うためには、全国的な生息状況の動向を把握することが不可欠です。このため、環境省では、平成25年度から、全国のニホンジカ及びイノシシの個体数推定等を実施しています。

調査結果の概要

(1) 個体数推定の手法(資料1)
 ニホンジカ及びイノシシの全国的な個体数の動向を把握するため、令和3年度までの捕獲数等の情報をもとに、ハーベストベースドモデルを基本とした階層ベイズモデルと呼ばれる統計手法を用いて、本州以南のニホンジカ及び全国のイノシシについて、令和3年度末の個体数を推定しました。
 なお、推定に使用する捕獲数等の情報が翌年度に集計されることから、推定には1年のタイムラグが生じます。

※北海道におけるニホンジカの個体数については、北海道が独自に推定を実施しています(令和3年度末時点では、東部地域31万頭、北部地域18万頭、中部地域20万頭、南部地域3~20万頭と推定)。北海道の推定結果は、他の地域の推定結果と科学的に妥当な方法で足し合わせることが困難なため、本推定では別で取り扱うこととしています。 

(2) 個体数推定の結果(資料2)
 令和3年度末における本州以南のニホンジカの個体数は、中央値で約222万頭(90%信用区間:約192万~265万頭)、イノシシの個体数は、中央値で約72万頭(90%信用区間:約54万~97万頭)と推定されました。
半減目標の達成に向け、イノシシは個体数が順調に減少している一方、ニホンジカの個体数は依然として高い水準にあるため、引き続き捕獲強化を進めます。

※中央値:データを大きさ順に並べた時の中央に来る値のこと

連絡先

環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護管理室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8285
室長
東岡 礼治
室長補佐
村上 靖典

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