報道発表資料

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2022年03月14日
  • 水・土壌

令和2年度地下水質測定結果について

水質汚濁防止法第15条第1項及び第2項並びに第16条に基づき、国及び地方公共団体では、毎年度、地下水質の測定を実施し、環境基準の達成状況等を確認しています。この度、環境省では、令和2年度における地下水質測定結果を取りまとめました。今回の結果をみると、令和2年度の全体の環境基準超過率は5.9%(前年度6.0%)でした。
併せて、地下水汚染事例に関する実態把握調査結果について取りまとめました。

令和2年度地下水質測定結果(概要)

1.調査の主な測定項目

地下水の水質汚濁に係る環境基準が定められている28項目

・VOC(揮発性有機化合物。テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン等13項目)

・重金属等(砒素、ふっ素、鉛等11項目)

・硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 など

2.調査区分と測定数

地下水質の測定は、「概況調査」、「汚染井戸周辺地区調査」、「継続監視調査」の3つの区分で行われています。概況調査では3,103本、汚染井戸周辺地区調査では1,112本、継続監視調査では4,143本の井戸で調査が行われ、調査井戸総数は8,358本(前年度8,339本)でした。

3.調査区分別の結果の概要

  (1)概況調査

地域の全体的な地下水質の状況を把握するために実施する調査です。全体のうち何らかの項目で環境基準を超過した地点は5.9%(前年度6.0%)でした。測定項目別では、平成11年度以降、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の環境基準超過率が最も高く、令和2年度調査結果は3.3%(前年度3.0%)でした。

  (2)汚染井戸周辺地区調査

発見された汚染の範囲を確認するために実施する調査です。基準超過の井戸数が最も多いのは、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素で、次いでふっ素、砒素でした。

  (3)継続監視調査

汚染が確認された地域について、継続的に監視を行うための調査です。基準超過の井戸数が最も多いのは、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素で、次いで砒素、テトラクロロエチレンでした。

4.環境基準超過井戸の存在状況

地下水質の調査は市町村単位で実施されており、概ね5年を周期として各市町村の地域全体が網羅される仕組みになっています。今回の調査を含めた過去5年間の全調査区分において、環境基準を超過した井戸がある市区町村数は以下のとおりです。

・VOC           :319市区町村(全数の19%(前年度18%))

・重金属等         :434市区町村(全数の25%(前年度24%))

・硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素:443市区町村(全数の26%(前年度26%))

地下水汚染事例に関する実態把握調査結果(概要)

1.調査概要

環境省では、毎年度、地下水質の調査結果の公表と併せて、地下水質保全に関する施策の検討に資するため、全国の地下水汚染事例(以下、「事例」という。)に関する実態把握を行い、その結果をとりまとめて公表しています。

2.調査対象

令和2年度末までに都道府県等が把握している、環境基準を超える値が検出されたことがある地下水汚染事例の全て。

3.結果の概要

全事例件数は8,943件でした。VOC事例は2,692件、重金属等事例は2,505件、硝酸・亜硝酸事例は3,572件でした。超過事例件数が最も多かったのは硝酸・亜硝酸で、次いで砒素、テトラクロロエチレンでした。汚染原因が特定又は把握された事例4,887件について、主な汚染原因は以下のとおりです。

・VOC事例     :工場・事業場、廃棄物

・重金属等事例   :自然的要因、工場・事業場、廃棄物

・硝酸及び亜硝酸事例:過剰な施肥、生活排水の地下浸透、家畜排せつ物の不適正処理

なお、「令和2年度地下水質測定結果」の詳細については、環境省ホームページ(https://www.env.go.jp/water/chikasui/index.html)に掲載いたします。

連絡先

環境省水・大気環境局土壌環境課地下水・地盤環境室

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-8309
  • 室長髙澤哲也(内線 5539)
  • 主査石黒敦子(内線 5557)
  • 担当川平真希(内線 6607)