報道発表資料
- 1.
- 今春(平成21年)の飛散シーズン全期を通じて全国的に気温が高めに 推移したため、花粉飛散の終息は例年に比較して1週間程度早くなるものと予測されます。
- 2.
- スギ花粉の飛散終息については、九州地方は4月上旬に終息し、中国、四国は4月中旬にはほぼ終息しました。また、近畿から東海では4月下旬前半に、関東から北陸、東北南部では4月下旬後半には終息する見込みです。東北地方北部及び北海道では終息が5月上旬になると見込まれます。
- 3.
- ヒノキ科花粉の飛散については、九州と四国西部、中国地方西部では4月中旬後半には終息する見込みです。その他の関東南部から西の地方の終息は4月下旬になり、関東北部から東北は5月上旬になる見込みです。
【概 要】
環境省では、花粉症に関する調査研究の一環として、平成16年度から各地の花粉飛散状況と花粉飛散の終息予測に関する調査研究を実施しており(※)、今般、平成21年春のスギ・ヒノキ科花粉飛散の終息予測を取りまとめた。
4月10日発表の気象庁1ヶ月予報によると、4月~5月上旬までの気温の推移は高くなる確率が全国的に非常に高く、平年よりも2℃近く高くなるものと予測されており、現在、花粉飛散最盛期を迎えた地域でも、今後、急速に花粉飛散量は減少すると予測される。
スギ花粉の飛散は九州では4月上旬、四国、中国及び近畿地方では4月中旬、近畿の山沿いや東海・北陸地方でも4月下旬前半には終息する見込みであり、関東甲信越及び東北南部では山間部などの標高の高い地域を除いて4月下旬、東北北部と北海道は5月上旬に終息する見込みである。
ヒノキ科花粉の飛散については、九州及び四国、中国地方西部では4月中旬に入って花粉が減少しており、中旬後半に終息する見込みである。四国、中国の東部から近畿では現在も非常に多い状態になっているが、すでに峠を越えており、4月下旬前半にはほぼ終息する見込みである。東海、北陸、関東甲信では4月上旬には最盛期を迎えたものの、現在も非常に多い状態が続いており終息は4月末になると予測している。また、東北地方では5月上旬に終息する見込みである。
(表-1、図-1参照)
(※)当調査事業はNPO花粉情報協会の協力を得て実施している。
◆ 今春(平成21年春)における花粉飛散の状況
- スギ花粉の飛散開始は1月下旬から続く暖冬傾向の影響により、全国的に例年※より早くなった。飛散開始から数日後の2月中旬には平年を5℃近く上回る日が続き、一気にスギ雄花が開花したことから数日間にわたる大飛散を記録した。一方で、3月の下旬には「寒の戻り」があり、このためスギ花粉の本格飛散となり始めた東北地方以北では飛散が停滞し、4月になって飛散の最盛期を迎えている。
- スギ花粉の飛散のピークについては、関東から九州にかけては3月上旬から中旬に(一部の地域は2月下旬に)飛散のピークを迎え、その後、スギ花粉は次第に減少している。近畿以西では4月上旬には花粉数が「少ない」状態になっているが、東海から東北地方では4月上旬から中旬にかけても「やや多い」~「非常に多い」状態が続いている。
- また、ヒノキ科花粉の飛散については、飛散開始日はスギと同様に例年よりも1週間ほど早く、九州地方では3月上旬、中国、四国、近畿、東海及び関東地方と東北地方南部では3月中旬、北陸地方と東北地方北部では3月下旬に飛散が始まった。
- ヒノキ科花粉の飛散のピークについては、九州から東海地方にかけては3月下旬~4月上旬にピークを迎えたが、4月12日までの飛散量では九州、中国及び四国地方では「やや多い」、近畿及び東海地方では「非常に多い」状態が継続している。また、関東甲信地方と東北では「多い」から「非常に多い」状態となっている。
- なお、主要都市における4月12日までのスギ・ヒノキ科花粉総飛散量は、中国、四国、近畿及び東海地方にかけては昨年の数倍となった地点が多く見られた。その他の地域は昨年並か昨年より少なく、特に関東地方北部や東北地方では昨年の半分から3割とかなり少なくなっている。
※例年:原則過去10年間
(表-2参照)
<留意事項>
スギ・ヒノキ科の花粉飛散が終息しても、既にイネ科花粉が若干量ではあるが飛散し始めており、花粉症の症状が続く場合には、イネ科花粉症など他の花粉症やその他のアレルギー疾患を合併していることがあるため、症状が強い場合には、医療機関に相談することが望まれる。
<関連情報>
環境省ホームページ https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/
NPO花粉情報協会ホームページ http://www.pollen-net.com/welcome.html
九州 | 四国 | 中国 | 近畿 | 東海 | 北陸 | 関東甲信 | 東北 | 北海道 | |
スギ花粉 飛散状況 |
終息 | ほぼ終息 | ほぼ終息 | 少ない | 少ない | やや多い | やや多い | 非常に 多い |
少ない |
ヒノキ科花粉 飛散状況 |
やや多い | やや多い | やや多い | 非常に 多い |
非常に 多い |
やや多い | 非常に 多い |
非常に 多い |
- |
スギ花粉 終息予測 |
4月上旬 (終息) |
4月中旬 | 4月中旬 | 4月中旬 | 4月下旬 前半 |
4月下旬 前半 |
4月下旬 | 5月上旬 | 5月上旬 |
ヒノキ科花粉 終息予測 |
4月中旬 | 4月中旬 | 4月下旬 前半 |
4月下旬 前半 |
4月末 | 4月末 | 4月末 | 5月上旬 | - |
(平成21年4月12日現在) |
- 注1)
- 「少ない」:10個未満、「やや多い」:10~30個、
「多い」:30~50個、「非常に多い」:50個以上 - 注2)
- 飛散終息:1平方cmあたりの花粉数が3日間連続して0個になった場合
- 注3)
- 北海道はヒノキ科花粉の飛散はわずかであることから予測の対象外とした。
地点 | 山形 | 東京 | 名古屋 | 大阪 | 広島 | 徳島 | 福岡 |
平成21年飛散数 | 5,154 | 4,564 | 4,172 | 4,517 | 3,004 | 4,214 | 2,710 |
平成20年飛散数 | 3,449 | 4,036 | 2,237 | 975 | 1,432 | 1,190 | 4,072 |
過去10年平均飛散数 | 2,495 | 3,647 | 2,600 | 2,423 | 1,429 | 2,621 | 3,370 |
名古屋の平均値は8年平均 (4月12日現在) 注)今春の最終的な飛散数ではありません |
図-1 花粉終息前線予測
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
直通 03-5521-8261
代表 03-3581-3351
課長 木村 博承(内 6350)
係長 橋本 昌靖(内 6352)