報道発表資料

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2021年12月21日
  • 自然環境

自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)フォーラムへの参画について

 気候関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Climate-related Financial Disclosures:TCFD)に続く、自然資本等に関する企業のリスク管理と開示枠組みを構築するために設立された国際的組織:自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:TNFD)の動きが加速しています。
 環境省は、初期の段階から積極的にTNFDの作業に貢献するため、ステークホルダー組織(TNFDフォーラム)に参加しましたので、お知らせします。日本のステークホルダーの幅広い参画を促していきます。

 2021年6月、民間企業や金融機関が、自然資本及び生物多様性に関するリスクや機会を適切に評価し、開示するための枠組みを構築する国際的な組織である自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures。以下「TNFD」という。)が立ち上がりました。TNFDは、気候関連の財務情報の開示に関するタスクフォース(Taskforce on Climate-related Financial Disclosures: TCFD)に続く枠組みとして、2019年世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で着想され、資金の流れをネイチャーポジティブに移行させるという観点で、自然関連リスクに関する情報開示フレームワークを構築することを目指しています。

 来年春に開催予定の生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)に向けて、生物多様性に係る新たな世界目標の議論が進められている一方、TNFDや民間企業に科学に基づく定量的な目標設定を促す組織であるScience Based Targets for Nature(SBTs for Nature)等の民間レベルの枠組を通じて、企業に自社の事業活動が自然環境に及ぼす影響や依存度に関して情報開示や定量評価を求める動きが加速しています。

 このような状況を踏まえ、環境省はTNFDの議論をサポートするステークホルダーの集合体であるTNFDフォーラムに参加しました。TNFDの枠組みに関する議論に積極的に貢献することや、自然資本や生物多様性に関する企業経営や健全な財政におけるリスクと機会の観点で、日本の企業や金融機関の意識を高めることが目的です。フォーラムメンバーとして、TNFDの議論に積極的に貢献するとともに、タスクフォースメンバーと対話を行い、TNFDと日本の企業や金融機関の間で橋渡しの役割を果たします。

【参考:TNFDの背景】

<設置経緯>

2019年1月: 世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で着想。

2019年5月: G7 環境大臣会合(フランス)において、タスクフォース立ち上げを呼び掛け。

2020年7月: グローバル・キャノピー、国連開発計画(UNDP)、国連環境計画金融イニシアティブ     

     (UNEPFI)、WWFの4機関により非公式作業部会(IWG)の結成を公表。

2021年6月: 共同議長としてロンドン証券取引所グループのDavid Craig氏と生物多様性条約事務局の

      Elizabeth Maruma Mrema氏の就任を表明し、立ち上げを宣言。

2021年9月: TNFDのフレームワークを推進するタスクフォースとフォーラムを立ち上げ。

<今後の予定>

2022年  : フレームワークベータ版のドラフト配布、市場参加者によるオープンイノベーションの手法で

      テスト。

2022年  : 20の新興国・先進国市場の金融規制当局、データ作成者・利用者との協議。

2023年  : 主要・特定のイベントやコミュニケーションを通じてフレームワークの公表。

【参考:タスクフォースとフォーラムについて】

<タスクフォース>

情報開示の枠組を検討する場。メンバーとして、 5大陸15カ国から34名が参加(最大35名まで増員予定。任期2年。)しており、日本からは原口真氏(MS&ADインシュアランスグループ総合企画部サステナブル推進室 TNFD専任SVP)が選出された。

<フォーラム>

ステークホルダーとしてタスクフォースをサポートし、クロスセクターの専門知識を提供する250以上の企業・機関・団体等が参加。定期レポートやウェビナー等を通して、TNFDの最新情報が提供される。本日時点での我が国のフォーラム参加団体は以下のとおり。

(民間団体(50音順))

・ 一般社団法人SusCon

・ MS&AD ホールディングス株式会社

・ 経団連自然保護協議会

・ 公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)

・ 損害保険ジャパン株式会社

・ 三井住友トラストアセットマネジメント株式会社

・ 三菱ケミカル株式会社

・ 三菱UFJ 信託銀行株式会社

・ 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社

(省庁)

・ 金融庁

・ 環境省

連絡先

環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性主流化室

  • 代表03‐3581‐3351
  • 直通03‐5521‐8150
  • 室長谷貝 雄三(内線 6661)
  • 室長補佐朽網 道徳(内線 6662)
  • 係長沢登 良馬(内線 6668)

環境省大臣官房環境経済課環境金融推進室

  • 直通03‐5521‐8240
  • 室長近藤 崇史(内線 6278)
  • 室長補佐今井 亮介(内線 6251)
  • 室長補佐水野 紗也(内線 6275)