報道発表資料

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1997年10月23日

第8回ベルリンマンデート・アドホック・グループ会合(AGBM8)の 第1日目(10月22日)の状況について

10月22日(水)から31日(金)までの予定で、第8回ベルリンマンデート・アドホック・グループ会合(AGBM8)がドイツ・ボンで開会した。その第1日目の状況は以下のとおり。 22日午前には公式会合が開催され、各締約国などからステートメントが行われた後、{1}政策・措置、{2}数量目標、{3}途上国を含む全締約国の約束の実施の推進、{4}組織的事項の4つの非公式会合を設けて議論を進めることとされ、29日(水)にその進捗状況について各非公式会合から公式会合に報告が行われることとなった。
1. AGBM公式会合(午前)
(1) 会議の冒頭、AGBM議長及び条約事務局長よりステートメントが行われた。
エストラーダ議長は、京都会議までに残された時間は限られており、最終日までに与えられた作業を終了したいとの希望を述べ、各国に柔軟な対応を求めた。
ザミットクタヤール事務局長は、日本の提案は議論をopenにするものとして評価していること、米国その他の国が数量目標を早急に提出するよう期待していること、クリーンな自動車などの技術の開発に先進国が果たす役割は重要であり、先進国のリーダーシップを期待していること、京都会議に向けてCOP3の議長を十分に支持していきたいこと等を発言した。

(2) 次いで、締約国よりステートメントが行われた。
G77を代表してタンザニアは、先進国のリーダーシップが特に資金や技術の移転などで必要であること、各ガス毎に、90年比で、2005年までに7.5%、2010年までに15%、2020年までに35%削減すべきこと、また、代替フロンはphase outさせるべきこと、{1}補償のための基金及び{2}グリーン開発のための基金(ブラジルが提案していた先進国の数量目標の超過量に対して科された罰金によるもの)の2つの基金を創設すべきことを主張した。
日本からは、田邊大使が日本提案を説明した。
EUを代表してルクセンブルク及び英国は、EUバブルの正当性を主張した。
AOSIS(小島嶼国連合)を代表してサモアは、日本の提案には失望し、特に柔軟性の部分はCOP2の決議をも覆すものであると批判した。
ジンバブエは、G77を支持すること、先進国は積極的にリーダーシップを発揮すべきであること、共同実施は時期尚早であること、罰則規定を具体的に記述すべきことを主張した。
米国は、エボリューションを議定書の条文案に盛り込み、2005年には全締約国がコミットすべき旨主張した。
ロシアは、その排出量が90年レベルを下回っており、地球温暖化防止への積極的な貢献として評価して欲しい旨訴えた。
アイスランドは、人口当たり排出量に基づく数量目標に関する新たな提案を行う用意がある旨述べた。

(3) これに引き続き、NGOに対して発言が認められた。
我が国の経済団体連合会より、自主行動計画を策定し、積極的に取り組んでいる旨紹介が行われた。
ヨーロッパビジネスカウンシルより、エネルギー効率の改善等に取り組んでいる旨紹介された。
ICLEI(国際環境自治体協議会)より、自治体の先進的な取組事例が紹介された。
グリーンピースを代表して松本泰子氏より、日本提案はCOP2の決定に反するものである。また、その目標数値は、92年に策定された気候変動枠組条約の目標を10年先延ばしにしたものに過ぎない。日本の提案は、米国の提案を出しやすくしたのみである。代替フロンも数値目標の対象に入れ、2010年までに10%削減すべき。以上を踏まえ、日本提案を撤回すべき。

(4) 今後の進め方
 前回AGBM会合と同様、{1}政策・措置、{2}数量目標、{3}途上国を含む全締約国の約束の実施の推進、{4}組織的事項の4つの非公式の交渉グループ(ノン・グループ)が設置され、それぞれ議論を行い、その進捗状況を29日(水)にAGBM公式会合に報告されることとなった。


2. 政策・措置に関する非公式の交渉グループ
 22日(水)午後には、政策・措置に関するノン・グループが開催されたが、特段の進展は見られなかった。


3. 23日(木)の予定
 23日(木)には、午前中に、{1}数量目標に関するノン・グループと、{2}全締約国の約束の実施の推進に関するノン・グループが開催され、午後に、組織的事項に関するノン・グループが開催される予定である。
 また、午後の会議終了後、田邊大使より日本提案の説明会が開催される予定である。
連絡先
環境庁企画調整局地球環境部環境保全対策課
課   長:小林  光(内6740)
 調 整 官:関 荘一郎(内6765)
 調 査 官:三好 信俊(内6760)
 課長補佐:石飛 博之(内6737)
 係   長:中尾  豊(内6738)