報道発表資料

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2021年03月22日
  • 地球環境

環境配慮型CCS実証事業における「液化CO2輸送船(圧入船Ready )」概念設計基本承認(AiP)の取得について

 環境省では、火力発電所等から排出されるCO2を分離・回収し、資源として有効利用する、又は地下へ貯留するCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization or Storage)技術の一貫実証を目的に、「環境配慮型CCS実証事業」を実施しています。
 本事業において、分離・回収されたCO2を海域貯留サイトまで海上輸送し、海上で海底下の貯留層へ圧入するシステムの実証に向け、「液化CO2輸送船(圧入船Ready )」の概念設計を実施し、一般財団法人日本海事協会から基本承認(AiP: Approval in Principle)を取得することになりましたので概要をお知らせします。

1.事業概要

 環境省では、カーボンニュートラルの実現に向けて、徹底した省エネルギーや、再生可能エネルギーの最大限の導入に取り組みつつ、CO2を回収し大気中に放出させない回収・有効利用・貯留(CCUS)の技術確立等を目的に、平成28年度からの5カ年で「環境配慮型CCS実証事業」に取り組んでいます。

 本事業は、18機関から構成されるコンソーシアムが主体となり、環境影響に配慮しつつ、商用規模の火力発電所におけるCO2分離・回収技術の実証、輸送・貯留技術の検討を行い、それらの結果を踏まえて我が国に適した円滑なCCS導入手法を取りまとめることとしています。

2.CO2の船舶輸送

 我が国でCCSを実施する場合、CO2を貯留できそうな場所が海域に多く、火力発電所などの大規模なCO2の排出源も沿岸部に多いため、海底下への貯留が適していると考えられます。そのため、CO2の排出源と貯留サイトの組合せの自由度が高く、輸送距離や貯留サイトの水深に幅広く対応可能なCO2の海上輸送システムを確立することを目指して検討を行っています。

 今般、輸送システムの実証の一環として、「CO2輸送船(圧入船Ready )」の概念設計を行い、基本承認(AiP)を取得しました。本船の特徴は、CO2の輸送作業に加え、圧入作業にも転用可能な船型として開発をしており、洋上でのCO2圧入作業に要求される定点保持性能を満足するとともに、外洋航海にも適した推進性能を確保しています。

CO2輸送船(圧入船Ready)】           【CO2圧入船】

3.今後の予定

 CCUSの早期社会実装を目指し、商用規模の火力発電所におけるCO2分離回収設備の運用実績や輸送システムの評価実績等をもとに、CCUSの実用展開のための一貫実証拠点・サプライチェーンの構築に向けた取組を検討していく予定です。

連絡先

環境省地球環境局地球温暖化対策課地球温暖化対策事業室

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-8339
  • 室長加藤 聖(内線 6771)
  • 室長補佐宮岡 俊輔(内線 7725)
  • 担当石川 俊行(内線 7729)