報道発表資料

令和3年3月30日 この記事を印刷

令和元年度海洋ごみ調査の結果について

 環境省では、令和元年度に、全国10カ所の海岸において漂着ごみ調査等を行い、各地点における漂着ごみの量や種類等を調べました。また、東京湾、石狩湾及び玄界灘並びに我が国周辺の沖合海域における漂流及び海底ごみの調査を行いました。さらに、近年、海洋生態系への影響が懸念されているマイクロプラスチックについて調査を行い、その結果をまとめました。

1.概要

 

 環境省では、平成22年度から海岸等にある漂着ごみ、平成26年度から海面に浮遊する漂流ごみ及び海底に堆積するごみ(海底ごみ)に関して、量や種類等の調査(サンプル調査)を行っています。

 漂着ごみに関しては、10地点(稚内、函館、深浦、羽咋、八丈、淡路、高知、松江、下関、奄美)を対象に同様の調査を行いました。

 また、漂流ごみ及び海底ごみに関しては、令和元年度は、東京湾、石狩湾及び玄界灘を対象に、プラスチック類等の人工物を中心に量や種類等の調査を行うとともに、沖合海域等において、量や種類等の調査を行いました。

 さらに、近年、海洋生態系への影響が懸念されているマイクロプラスチック※1に関する調査等を行いました。

※1 マイクロプラスチック:微細なプラスチック類(5㎜以下)のこと。含有/吸着する化学物質が食物連鎖に取り込まれ、生態系に及ぼす影響が懸念されている。

2.調査結果

(1)漂着ごみの実態調査

①各海岸における漂着ごみのモニタリング調査

 平成30年度までの調査対象地点の一部を含む10地点において、漂着ごみの量や種類等を調査しました。

 漂着ごみの割合は、容積ベースでは、深浦、稚内及び高知を除き、自然物よりも人工物の割合が高い結果となりました。人工物の割合は、プラスチック類の割合が高い地点が多い結果となりました(別添1-1)。プラスチック類の主なものとしては、漁網・ロープ、飲料用ボトル等がありました。

 重量ベースでは、函館、羽咋、八丈、高知、松江、下関及び奄美で人工物の割合が高く、また、稚内、深浦及び淡路で自然物の割合が高い結果となりました。人工物の割合は、プラスチック類の割合が高い地点が多い結果となりました(別添1-2)。プラスチック類の主なものとしては、漁網・ロープ、飲料用ボトル等がありました。

 個数ベースでは、全ての地点で人工物が多く、7地点で9割以上を占める結果となりました。人工物の割合は、全ての地点でプラスチック類の割合が高く(別添1-3)、プラスチック類の主なものとしては、飲料用ボトル、漁網・ロープ、ポリ袋等がありました。

 また、各調査地点で回収されたペットボトルを言語表記別に分類した結果、言語が不明なものを除くと、羽咋、松江、下関及び奄美では外国語表記の割合が6割以上を占めました。一方、淡路、高知では日本語表記が5割以上を占める結果となりました(別添1-4)。

②全国的な漂着ごみの回収量等のとりまとめ

 地方公共団体、民間団体等において平成30年度に回収された漂着ごみ(自然物を含む)の量を取りまとめたところ、約3.2万トン(平成29年度は約5.5万トン)となりました。

(2)漂流ごみの目視観測調査

①沿岸海域における漂流ごみの実態調査

 沿岸海域における漂流ごみの目視観測調査は、東京湾、石狩湾及び玄界灘において実施し、漂流ごみの量や種類等を調査しました(別添1-5)。

 発見された漂流ごみ(計1,894個)のうち人工物は約49%(923個)を占めました。玄界灘の測線5において、発泡スチロール破片(1cm以下)の密集した塊が10回以上観測されました。周辺の風や海況等の条件から、測線5付近は潮目になっていた可能性が高く、過去の出水等で海上に流出した漂流物が集積していたと推測されます。東京湾や玄界灘では、湾奥部に比べ、湾口部や湾央部の漂流ごみが比較的多い結果となりました。(別添1-6)。

②沖合海域における漂流ごみの実態調査

 沖合海域における漂流ごみの目視観測調査は、東京海洋大学、北海道大学、長崎大学及び鹿児島大学の練習船の協力を得て実施しました。

 日本周辺海域から、日本の南方海域・東方海域まで、目視観測による漂流ごみの量や種類等を調査しました。

 その結果、レジ袋は、北海道東方海域で分布密度が高い地点があったほか、東シナ海、北九州周辺海域、津軽海峡の出口付近でも分布密度の高い場所がある結果となりました。発泡スチロールは東シナ海の分布密度が高い結果となりました(別添1-7)。

(3)海底ごみの回収調査

①沿岸海域における海底ごみの実態調査

 沿岸海域における海底ごみの実態調査は、東京湾、石狩湾及び玄界灘において、合計11の漁業協同組合の協力を得て実施し、海底ごみを回収し、このうち人工物についてその重量や個数等を調査しました(別添1-8)。

 その結果、容積ベースでは、小樽銭函沖を除いた調査地点において、プラスチック類の占める割合が高い結果となりました(別添1-9)。プラスチック類の主なものとしては、漁網・ロープ、ポリ袋、飲料用ボトル等がありました。

②沖合海域における海底ごみの実態調査

 沖合海域における海底ごみの実態調査は、東京海洋大学、北海道大学、長崎大学及び鹿児島大学の練習船の協力を得て実施しました。

 東シナ海、大洗沖、日高沖において、トロール網を用いた調査を行い、海底ごみを回収し、その重量や個数等を調査しました。

 海底ごみの割合は、重量ベースでは、人工物の占める割合が大洗沖で94%、東シナ海で75%と高かった一方、日高沖では自然物が占める割合が77%という結果となりました。人工物の中では東シナ海では金属類が高く、大洗沖及び日高沖ではプラスチック類の割合が高い結果となりました。採取された海底ごみの単位面積(km2)当たりの重量は、東シナ海では0~1.6kg個、大洗沖では0.7~0.9kg個、日高沖では38~123kg個という結果となりました(別添1-10)。

(4)マイクロプラスチックに関する調査

①沿岸海域におけるマイクロプラスチックの調査

 沿岸海域(東京湾、石狩湾及び玄界灘)における漂流ごみの目視観測調査に併せ、これら海域の計18地点において、ニューストンネット(表層を浮遊するプランクトン等の採集に用いるネット)を用いてマイクロプラスチックを採集し、個数を計測しました。

 各調査地点でマイクロプラスチックの海中密度を算出したところ、0.10~2.91個/㎥となり、平成27年度から実施した調査結果の最大値(64.15個/㎥)の範囲内となりました(別添1-11)。

②沖合海域におけるマイクロプラスチックの調査

 沖合海域における漂流ごみの目視観測調査に併せ、本州・四国・九州周辺の沖合海域及び南方海域において、ニューストンネットを用いて、合計134地点においてマイクロプラスチックを採集し、個数を計測しました。

 その結果、平成26年度以降の調査結果と合わせると、北陸から東北沖の日本海北部に多く、山陰西部沖、九州・四国の太平洋岸、津軽海峡から三陸沖にも高濃度の海域が見られました(別添1-12)。

③マイクロプラスチックに含まれる有害物質(POPs)の調査

 漂着ごみ・漂流ごみ調査の一環として、海岸10地点、海上4地点で採集したマイクロプラスチックについて、残留性有機汚染物質(POPs: Persistent Organic Pollutants)※2に関する分析を行いました。

 POPsのうち、漂流中に表面に吸着すると考えられるポリ塩化ビフェニル(PCB)については、マイクロプラスチック1g当たり3.0ng~48ngで、昨年度の調査結果(1.7ng~339ng)の範囲内でした。また、過去に製造された製品中に添加されていたと考えられるポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)については、マイクロプラスチック1g当たり最大で883ng(平成28年度調査では最大2,489.7ng)であった(別添1-13)。

※2 残留性有機汚染物質(POPs):難分解性及び生物蓄積性を有し、国境を越えて長距離を移動して環境汚染を引き起こすおそれがある物質として、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」の下で、我が国では製造・使用が原則禁止されています。

(5)廃ポリタンクに関する調査

 北海道から沖縄県にわたる19都府県の海岸で総計13,821個※3が確認されました。文字が確認できた廃ポリタンクは7割強(10,038個)で、そのうち、韓国語標記のものが7,989個、中国語表記のものが549個でした(別添2)。

※3 本調査は道府県からの情報提供を基に環境省が取りまとめたものであり、道府県ごとに調査方法が異なっています。

添付資料

連絡先

環境省水・大気環境局水環境課海洋環境室

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-9025
  • 室長山下 信(内線 6630)
  • 室長補佐菅沼 大輔(内線 6509)
  • 室長補佐安陪 達哉(内線 6634)
  • 担当藤本 諒(内線 6638)

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