報道発表資料

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2020年11月20日
  • 自然環境

未承認の遺伝子組換えゼブラダニオ(熱帯魚)の販売等に対する指導について

 環境省は、観賞用に開発された遺伝子組換えゼブラダニオが「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」に基づく承認を得ずに輸入され、国内で販売されていたことを確認しました。
 販売等を行った業者に対して同法に基づく報告徴収と文書による指導を行うとともに、購入者からの回収を行っていますのでお知らせします。

1.輸入及び販売が確認された遺伝子組換えゼブラダニオについて

 イソギンチャクモドキに由来する遺伝子が導入されたピンク色に蛍光発色するゼブラダニオ、並びにスナギンチャクに由来する遺伝子が導入された黄色に蛍光発色するゼブラダニオが観賞用にタイから輸入及び販売されたことを確認しました。

2.日本における規制の状況

 遺伝子組換え生物の国境を越える移動を規制したカルタヘナ議定書の国内担保法として「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(平成15年法律第97号。以下「カルタヘナ法」という。)が平成16年2月から施行されています。同法では、環境中で使用(販売、栽培及び飼育等)される可能性がある遺伝子組換え生物については、その使用に際し生物多様性への影響について評価し、主務大臣の承認を得なければならないとされています。なお、遺伝子組換えゼブラダニオを含めた魚類については、これまで承認が得られた事例はありません。

3.今回の経緯

  • 本年2月、静岡県の熱帯魚小売店で遺伝子組換えの疑いのあるゼブラダニオが販売されている旨、関東地方環境事務所に通報がありました。

  • 3月、小売店に立入検査を実施しました。

  • 7月、鑑定結果により、ゼブラダニオが遺伝子組換え生物に該当することを確認。小売店店主に対しカルタヘナ法に基づく報告を求めました。

  • 9月、改めて法に基づく報告を求めたところ、以下の回答を得ました。

    • 小売店は、約9年の間に4,200匹の遺伝子組換えゼブラダニオをタイから輸入し、その大多数が輸送中・展示中に死亡していたものの、500匹程度を店頭で一般に販売していました。

    • 店主は、当該ゼブラダニオが遺伝子組換え生物であること、法規制の対象となっていることを認識していませんでした。

    • 小売店ではその後一切の仕入れ及び販売をやめ、販売先への呼びかけ、張り紙等により販売個体の回収を実施しました。

  • 報告を受け、店主に対し再発防止のための措置の実施等を文書で指導しました。併せて、自治体の関連部局及び関連業界団体等に対し、改めてカルタヘナ法の周知を依頼しました。

4.協力の依頼

 遺伝子組換えゼブラダニオを販売した下記の小売店では、返品を受け付けています(ピンクゼブラダニオ及びイエローゼブラダニオの商品名で販売)。販売された当該遺伝子組換えゼブラダニオは、観賞魚として水槽で飼育されている可能性が高いものの、野外に放出された場合の生物多様性への影響に関しては評価が行われていません。購入された方は、河川等に放すことなく、購入した店舗に返品していただくよう御協力をお願いします。

<小売店>

 焼津熱帯魚(静岡県焼津市小土1250番地11)

5.その他

 タイ政府に対し、外交ルートで今回の事例の原因解明及び再発防止措置を要請予定です。

添付資料

連絡先

環境省自然環境局野生生物課外来生物対策室

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-8344
  • 室長北橋 義明
  • 係長内山 重輝(内線 6683)

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