報道発表資料

この記事を印刷
2009年01月30日
  • 大気環境

(株)ガステック製アルデヒド類捕集管加温装置に係る不具合について

 今般、(株)ガステックから、同社製のアルデヒド類捕集管加温装置(型式GTH-1)について、使用時の加温等に伴い部品及び筐体の塗装表面からホルムアルデヒドが放散し、本体下部の吸引口から捕集されることにより、同物質の大気濃度測定に影響を与える(濃度が高めに測定される)可能性があり、部品交換等の対応を行うとの報告がありました。
 環境省では、同社から事情を聴取し早急な対応を求めるとともに、地方公共団体が実施しているホルムアルデヒドの大気環境モニタリングに本製品が使用されている可能性があることから、当該装置の使用実態を把握するため、本日付けで大気汚染防止法所管自治体に調査依頼を行いました。

1.経緯

大気汚染防止法に基づき、国、地方公共団体では、有害大気汚染物質の大気環境モニタリングを実施しています。
ホルムアルデヒドは有害大気汚染物質の1つであり、有害大気汚染物質測定マニュアル(環境省水・大気環境局大気環境課)に基づき、原則として月1回の大気環境モニタリングが行われています。(平成19年度:403地点)
アルデヒド類の捕集においては、大気中の水分の凝縮による影響を抑えることを目的に、捕集管を加温することがあります。
今般、(株)ガステックが製造した捕集管加温装置について、使用時の加温等に伴い、装置の部材(フランジ状スペーサー)及び筐体※の塗装表面からホルムアルデヒドが放散し、本体下部の吸引口から捕集されることにより、同物質の測定結果に影響を与える(濃度が高めに測定される)可能性があるとの報告が寄せられました。
(※筐体:機器をおさめているはこ)

2.(株)ガステックからの報告の内容

 環境省で事情を聴取したところ、(株)ガステックの報告内容は以下のとおりです。

(1)ホルムアルデヒドが放散される可能性があることが判明した製品

○捕集管加温装置GTH-1(114台
 (販売日:平成18年6月~平成20年5月 製品番号:No.1501~1614)
 (本装置は、大気環境中での24時間捕集に使用されるものであり、室内測定には通常使用されない。)

(2)測定値に与える影響

測定値に与える影響は、気象条件や測定方法によって異なる。
高温の場所ではホルムアルデヒドの放散量が多くなり、風が弱く装置付近の空気が滞留すると、放散の影響を受ける可能性が高くなる。また、気温が低い場合や風が強い場合は、影響を受ける可能性が低くなる。
捕集口にチューブを接続し、装置から離れた場所で捕集を行う場合には、放散の影響を受けることはない。 (詳細は同社のホームページに掲載。http://www.gastec.co.jp/whatsnew/index.htm

(3)(株)ガステックの対応

(1)の期間に販売した製品については、ホルムアルデヒドの放散の原因となった部品の交換等による対応を行う。
また、平成18年6月以前に販売した製品(製品番号:No.1500以前)については、ホルムアルデヒドが発生していないことを確認しているが、これらの製品についても、顧客からの求めに応じて、ホルムアルデヒドの発生量を測定し、確認する。

3.環境省の対応

環境省では、(株)ガステックに対して早急に適切な対応をとるよう求めました。また、地方公共団体が実施しているホルムアルデヒドの大気環境モニタリングに本製品が使用されている可能性があることから、当該装置の使用実態を把握する必要があると判断し、本日付けで大気汚染防止法所管自治体に調査依頼を行いました。
今後、当該装置の使用実態等を踏まえた上で、過去の測定データの取扱いについて検討します。 (なお、ホルムアルデヒドについては、一般の大気環境に関する環境基準や指針値は設定されていません。)

(参考)(株)ガステック製品に関する問い合わせ先

(株)ガステック 営業二部 営業開発課 担当:宮下
住所:神奈川県綾瀬市深谷中8-8-6
TEL:0467(79)3900、FAX:0467(70)6610
連絡先
環境省水・大気環境局大気環境課
直通 03-5521-8295
代表 03-3581-3351
課長 早水 輝好(6530)
課長補佐 伊藤 隆晃(6572)
係長 小池 紘一郎(6572)