報道発表資料
*正式タイトル:2006年IPCC国別温室効果ガスインベントリガイドラインの2019年改良
1.概 要
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第49回総会が、5月8日(水)から12日(日)にかけて、京都市において開催されました。今次総会では、2019年方法論報告書に関する議論等が行われ、概要章(Overview Chapter)が採択されるとともに、報告書本編が受諾されました。
◆日時
令和元年5月8日(水)から12日(日)までの5日間
◆開催地
京都市
◆出席者
各国政府の代表、世界気象機関(WMO)、国連環境計画(UNEP)、気候変動枠組条約(UNFCCC)等の国際機関等の関係者が出席しました。我が国からは、文部科学省、農林水産省、経済産業省、気象庁、環境省などから計27名出席しました。
2.2019年方法論報告書の背景と概要について
IPCCの国別温室効果ガスインベントリ・タスクフォース(Task Force on National Greenhouse Gas Inventories IPCC Task Force on National Greenhouse Gas Inventories(TFI))は、各国が温室効果ガスの排出量・吸収量の報告を行うために、算定方法や算定に必要な各種係数を提供するガイドライン等を作成しています。我が国は、1999年以降20年にわたりTFIの技術支援ユニットをホストし、継続してTFI共同議長を輩出しています。
パリ協定の実施には各国による温室効果ガス排出量の把握と報告が不可欠です。IPCCは、それを支えるものとして、2016年4月にケニア・ナイロビで開催された第43回総会において「2006年IPCC国別温室効果ガスインベントリガイドラインの2019年改良」(2019年方法論報告書)の作成を決定しました。本報告書は、2006年にIPCCが作成したガイドラインのうち、改良が必要な排出・吸収カテゴリーに対する更新、補足および精緻化を行うものです。
2019年方法論報告書の構成、及び作成スケジュールは以下の通りです。また、SPM各セクションの概要は別紙(添付資料)を参照してください。
【報告書(概要章のほかに、各巻に複数の章が存在)】
概要
第1巻 一般的ガイダンスと報告
第2巻 エネルギー
第3巻 工業プロセスと製品使用
第4巻 農業、林業及びその他土地利用
第5巻 廃棄物
【作成スケジュール】
2016年10月~12月 執筆者の推薦募集
2017年2月 執筆者の選出
2017年6月 第1回代表執筆者会合
2017年9月 第2回代表執筆者会合
2017年12月~2月 第1次ドラフト専門家レビュー
2018年4月 第3回代表執筆者会合
2018年7月~9月 第2次ドラフト専門家・政府レビュー
2018年10月 第4回代表執筆者会合
2019年1月~3月 最終政府レビュー
2019年5月 IPCCによる採択・受諾・公表
3.次回総会の予定
第50回総会は2019年8月2日(金)から6日(火)に、ジュネーブ(スイス連邦)において開催される予定です(土地特別報告書の承認・受諾が議論)。
参考
IPCCとは
◆国連環境計画(UNEP)及び世界気象機関(WMO)により1988年に設立された政府間機関。
◆報告書の作成には、世界各国の研究者数千名が参加。
◆地球温暖化に関する科学的・技術的・社会経済的な見地から包括的な評価を政策決定者等に提供。
◆総会においては、成果物である報告書の承認、今後の活動方針の検討等が行われる。
◆総会の下、第1作業部会(自然科学的根拠)、第2作業部会(影響・適応・脆弱性)、第3作業部会(緩和策)、インベントリ・タスクフォース(排出量算定方法の開発・改善を担う)が置かれている。
IPCC評価報告書
◆これまで5回(第5次評価報告書(AR5)は2013-2014年公開)にわたり評価報告書を作成・公表。
◆国際交渉、各国の政策決定の基礎となる科学的知見を提供してきた。
◆現在第6次評価報告書(AR6)公表に向けた作業が進行中。
添付資料
連絡先
環境省地球環境局総務課脱炭素化イノベ研究調査室
- 代表03‐3581‐3351
- 直通03‐5521‐8247
- 室長大井 通博(内線 6730)
- 室長補佐長谷 代子(内線 7761)
- 担当須藤 大地(内線 6732)
関連情報
関連Webページ
過去の報道発表資料
- 平成30年7月13日
- 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第49回総会の開催地決定について
- 平成30年10月8日
- 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)「1.5℃特別報告書(*)」の公表(第48回総会の結果)について
- 平成30年3月20日
- 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第47回総会の結果について