報道発表資料

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2019年03月26日
  • 自然環境

ニホンジカに係る生態系維持回復事業計画策定ガイドラインの作成について

 環境省は、全国で深刻化する国立公園におけるニホンジカによる生態系被害を踏まえ、ニホンジカ対策を科学的かつ順応的に進めるために、「ニホンジカに係る生態系維持回復事業計画策定ガイドライン」を作成しました。

1.目的

 近年、全国の国立公園において、ニホンジカの採食、踏圧等による生態系への被害、生物多様性への影響が顕在化しており、効果的・効率的なニホンジカ対策が必要となっています。このため環境省では生態系維持回復事業計画の策定・実施により、すみやかに国立公園の生態系を維持・回復させることを目的として、検討会を開催し有識者の方々の御協力のもと本ガイドラインを作成しました。

2.内容

 本ガイドラインは、予防原則に基づき、科学的順応的にニホンジカ対策を推進することを基本方針として、事業計画を新たに策定または更新する際に効果的・効率的な計画を策定する方法を示したものです。

事業計画の策定にあたっては、的確に現状を把握した上で、現状に即した対策方法を適切に選択することにより、効果的で検証可能な事業計画が実施できるよう本ガイドラインでは主に以下の内容で構成しました。

(1)計画策定のために事前調査を行い、現状を把握し評価することの重要性

(2)事前調査における、当該地域における過去の調査事例、衛星データや航空写真、航空レーザ測量など鳥瞰  

   的なデータ、種々のデータを統合し合意形成を図るためのツールとしてのGIS活用などの有効性

(3)ニホンジカの影響段階、対策進行段階の把握の方法

(4)達成すべき数値目標設定の考え方と具体的な対策の実施方法(捕獲・防除)

(5)対策の効果、目標の達成度の評価手法

(6)他の関連計画との連携及び実施体制の構築

○参考資料

 「国立公園区域における指定植物の分布とニホンジカの生息密度分布」等

3.今後の展開

 本ガイドラインは国立公園のみならず、国定公園や都道府県立自然公園、自然環境保全地域等におけるニホンジカ対策においても活用されることを期待しています。また、気候変動に脆弱な高山植生等が保全され、結果として気候変動への適応策をとる上でも役立つことを期待しています。

 なお、国立公園等におけるニホンジカに係る生態系維持回復の取組の強化のため来年度は生態系保全等専門員を全国に5名程度配置することとしています。 

添付資料

連絡先

環境省自然環境局国立公園課

  • 代表0335813351
  • 直通0355218277
  • 課長中尾 文子(内線 6440)
  • 統計分析官徳丸 久衛(内線 7443)
  • 課長補佐中島 治美(内線 6650)
  • 課長補佐立岩 久松(内線 6443)
  • 係長岩本 千鶴(内線 6690)

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