報道発表資料
また、これまで5年間の活動の成果を含む「大気汚染対策に係る日中韓政策レポート」の作成について、今後の作業計画等が確認されました。政策レポートは、本年開催予定の第21回日中韓三ヵ国環境大臣会合(TEMM21)において報告・公表される予定です。
1.経緯
環境省は、平成25年の第15回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM15)での合意に基づき、中国・韓国とともに、毎年、三カ国が参加する大気汚染に関する日中韓三カ国政策対話を開催しており、2月21日(木)~22日(金)には、東京で第6回の政策対話を開催しました。また、政策対話前日の2月20日(水)には、政策対話の下に設置しているワーキンググループの会合も開催し、技術的な意見交換を行った上、政策対話当日にその進捗報告をしました。
2.開催概要
○ 日程 平成31年2月21日(木)~22日(金)
○ 場所 日本・東京
○ 参加者 三カ国の政府・研究機関の行政官・専門家等
日本:環境省 水・大気環境局 田中局長、総務課 大村越境大気汚染情報分析官、大気環境課 髙澤課長、国立環境研究所、アジア大気汚染研究センター、日本自動車研究所、海外環境協力センターほか(計13名)
中国:生態環境部 大気環境局 地域協力課 ZHANG課長補佐、ほか6名
韓国:環境部 環境政策局 清浄大気計画課 KIM課長、ほか9名
○ 議事次第 別紙参照
※ ワーキンググループ会合は2月20日(水)開催
3.結果概要
○ 三カ国の政策に関する情報共有・意見交換
三カ国の最近の大気汚染に関する政策とその効果等について情報共有を行い、それぞれの進捗を確認するとともに、引き続き三カ国が連携した取組を進めていくことで意見が一致しました。
我が国からは、PM2.5、光化学オキシダントの大気中濃度の現状とこれらへの対策の取組状況(燃料蒸発ガスを回収する装置を設置した給油所(大気環境配慮型SS)の認定制度の創設、グリーン購入(印刷役務)におけるVOC発生抑制の促進)、石綿飛散防止及び水銀排出抑制に係る取組状況と、今後の対策の動向について発表しました。
中国からは、対策の進捗により国内の大気質が改善されていること(全国の2018年のPM2.5年平均濃度は2015年比22.0%減等)、2018年6月に作成した「青空保護勝利戦3年行動計画」に基づき、産業構造の変革(重度汚染企業の移転改造、閉鎖の推進等)、エネルギー構造の変革(石炭から電気、ガスなどへの転換の推進等)、交通構造の変革(ディーゼル車の排出基準の強化、鉄道利用の推進等)等により、さらなる大気環境改善に向けた取組を進めていることなどが発表されました。
韓国からは、対策の進捗により2018年は前年に比して国内のPM2.5年平均濃度が改善したこと、2018年3月にPM2.5の環境基準を強化したこと、2019年は微細粉塵削減に向けたマスタープラン(2017年9月公表、2018年11月補完)に基づき、微細粉塵の排出量を2022年までに30%削減することを目標に、様々な対策(都市部のモニタリング測定局数の増加、小規模施設への排出抑制設備導入のための補助金交付、小型・中型ディーゼル車のテスト基準の強化等)を講じていくことなどが発表されました。
○ ワーキンググループ会合における意見交換等の進捗報告
政策対話前日に開催したワーキンググループ会合では、以下のとおり2つのグループに分かれて情報共有・意見交換を実施し、政策対話当日にはその進捗報告を行いました。
ワーキンググループⅠ(対策に関する科学的研究)では、
①自動車の排出ガス基準、燃料品質基準等の自動車対策の実状
②自動車の排出インベントリ策定手法
について、三カ国間で技術的な意見交換を行いました。
今後は、船舶、建築機械等の非自動車の排出ガス基準、燃料品質基準等について技術的な情報共有・意見交換を進めることに合意しました。
ワーキンググループⅡ(大気のモニタリング技術及び予測手法)では、
①PM2.5成分のモニタリング結果、予測モデル
②三カ国のリアルタイムモニタリングデータの共有に向けた課題
について、三カ国間で技術的な意見交換を行いました。
今後は、大気汚染物質のリモートセンシング(機器の開発・配置、衛星による観測)、実測データとの比較結果等について技術的な情報共有・意見交換を進めることに合意しました。
〇 大気汚染対策に係る日中韓政策レポートの作成計画の確認
昨年のTEMM20の非公式会合で韓国の環境大臣から提案された、これまで5年間の活動の成果を含む「大気汚染対策に係る日中韓政策レポート」(各国の目標、現在までの成果、目標達成に向け講じる取組、今後の三カ国間の協力のあり方等をまとめたもの)の作成について、TEMM21での公表に向けた具体的な今後の作業計画等が確認されました。
○ 今後の進め方の確認
各国の担当者が日頃から一層密に情報交換を行っていくことで意見が一致しました。次回の政策対話は2020年2月に中国で開催する予定であることが確認されました。
4.今後の対応
今回の政策対話の結果については、本年に開催予定のTEMM21に報告される予定です。
我が国としては、本政策対話における情報共有・意見交換を推進するとともに、日中韓三カ国を含むアジア 地域における良好な大気環境の共有に向け、大気に関する地域的取組などの様々な取組を今後とも推進していきます。
添付資料
連絡先
環境省水・大気環境局大気環境課
- 代表03-3581-3351
- 直通03-5521-9021
- 課長髙澤 哲也(内線 6530)
- 課長補佐工藤 里恵(内線 6547)
- 係長岩崎 優(内線 6572)