報道発表資料
1.概要
2019年から2022年にかけて実施されるIPBESの「侵略的外来種に関するテーマ別評価」の技術支援機関は、2018年7月に我が国への設置が決定し、本日、正式にIGESに設置されました。
侵略的外来種は、生物多様性、生態系サービス、持続可能な開発、人間の福利に対する重大な脅威となっています。「侵略的外来種に関するテーマ別評価」は、その世界的な現状や傾向について科学的な評価を行うとともに、世界各国の政府・企業・市民社会が侵略的外来種に対処する方法を決定する際の重要な情報源となることが期待されています。本技術支援機関は、約70名の専門家による国際的な評価作業を支援します。
2.設立された技術支援機関の概要
(1)名称
IPBES侵略的外来種評価技術支援機関
(IPBES Technical Support Unit for the Assessment of Invasive Alien Species)
(2)業務内容
IPBESの「侵略的外来種に関するテーマ別評価」の報告書の作成支援(専門家による執筆作業、執筆者会合開催、報告書とりまとめ作業等の支援)
(3)運営機関・設置場所
公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)東京サステイナビリティフォーラム(東京都港区)
(4)協力機関・ネットワーク
国立研究開発法人国立環境研究所、フューチャー・アース、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)、アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)、国際自然保護連合(IUCN)
(5)その他
IPBES信託基金及び環境省の拠出金により運営されます。
3.今後の作業予定
2019年 評価に携わる専門家の選出、第1回執筆者会合(8月)
2020年 第1稿作成・外部レビュー、第2回執筆者会合
2021年 第2稿作成・外部レビュー、第3回執筆者会合
2022年 IPBES総会により報告書が承諾
4.IGESによる発表
https://www.iges.or.jp/jp/announcement/20190201.html
参考
●生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム
Intergovernmental science-policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services:IPBES
◆生物多様性と生態系サービスに関する動向を科学的に評価し、科学と政策のつながりを強化する政府間のプラットフォームとして2012年4月に設立された政府間組織
◆2019年1月31日現在、132カ国が参加
◆科学的評価、能力開発、知見生成、政策立案支援の4つの機能が活動の柱
◆これまでに以下の評価報告書を作成
・生物多様性及び生態系サービスのシナリオとモデルの方法論に関する評価報告書
・花粉媒介者、花粉媒介及び食料生産に関するテーマ別評価報告書
・生物多様性及び生態系サービスに関する地域・準地域別評価報告書
・土地劣化と再生に関するテーマ別評価報告書
◆生物多様性及び生態系サービスに関する地球規模評価報告書が2019年に作成され、生物多様性に関する愛知目標の達成状況の評価に活用される予定
◆参考情報
IPBES webサイト http://www.ipbes.net/
環境省webサイト http://www.biodic.go.jp/biodiversity/activity/policy/ipbes/index.html
●侵略的外来種に関するテーマ別評価
◆陸上・淡水・海域の侵略的外来種が生物多様性、生態系サービス、人々の暮らしに与える脅威や、侵略的外来種の影響の現状や傾向、防除のための対策や政策についての世界的な評価
◆2019年から3年間に世界約70名の専門家により執筆・編集され、2022年に完成する
連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性戦略推進室
- 代表03-3581-3351
- 直通03-5521-8275
- 室長中澤圭一(内線 6480)
- 室長補佐中嶋健次(内線 6484)