報道発表資料

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2018年12月04日
  • 大気環境

東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)第20回政府間会合の結果について

 東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)の第20回政府間会合が2018年11月27日(火)~28日(水)にタイ・バンコクで開催されました。今次会合では、現行の中期計画(2016-2020年)の実施状況に関する中間報告に係る議論が行われました。また、各国の大気汚染対策の促進に資する政策立案者のための報告書(第4版)が承認されるとともに、2019年の作業計画が承認されました。
 さらに日本は、2020年10月に新潟において開催されるAcid Rain 2020に合わせ、第22回政府間会合をホストする意向を示し、各国等から歓迎されました。

1.会合の概要

○日程  2018年11月27日(火)~28日(水)

○場所  タイ・バンコク

○参加者 EANET13参加国のうち12か国代表(カンボジア、中国、インドネシア、日本、ラオス、マレーシア、モンゴル、ミャンマー、韓国、ロシア、タイ(本会合議長国)、ベトナム)等

○我が国からの出席者 環境省担当官

(参考)

 東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET:Acid Deposition Monitoring Network in East Asia)は、酸性雨問題に関する東アジア各国の協力の推進を目的とした政府間ネットワーク。我が国のイニシアティブにより立ち上げられ、2001年1月から本格稼働を開始しており、現在の参加国は13ヵ国。(詳細については、別添参照)

2.結果の概要

○ 中期計画(2016~2020)の実施に関する中間報告

 EANETでは、2015年の第17回政府間会合で採択された中期計画(2016-2020年)に基づき活動が行われています。当該中期計画では、計画の実施状況に関するレビュー報告を中間年(2018年)と最終年の翌年(2021年)に行うこととされており、今次会合では上期におけるモニタリングや能力向上に係る活動状況のレビュー結果が報告され、議論が行われました。

 我が国からは、活動状況のレビューに当たっては、大気環境の改善への貢献度という観点から実施すべきであること、また、今回のレビューで指摘された事項に対する対応状況を今後明らかにすることが重要である旨指摘しました。

○ 政策立案者のための報告書(第4版)

 酸性雨と大気汚染による健康影響・経済影響の分析結果や、オゾンや粒子状物質の大気汚染管理手法等を内容とする政策立案者のための報告書(第4版)について議論され、一部修正の上、承認されました。

 報告書は、今後、事務局内の作業を経て、2019年に公表となる予定ですが、我が国から、公表は重要な環境関係国際会議等の機会を捉えて行うことを提案しました。

○ 2018年の活動進捗報告及び2019年の作業計画

 2018年の活動進捗について報告された上で、2019年の作業計画及び予算が議論され、一部修正の上、承認されました。

 我が国からは、事務局及びネットワークセンターの効率的かつ効果的な予算の執行を求めるとともに、本年11月にEANET大気浄化技術に関するワークショップが行われたことを歓迎し、近い将来における同様なワークショップの実施への期待を示しました。また、中国から、次回の政府間会合(IG21)をホストする意向が表明され、IG21は中国で開催されることとなりました。

○ 関連する国際プログラムの活動状況の共有

 今後のEANETの発展における検討の一助とするため、様々な国際プログラムにおける取組状況が共有されました。具体的には、アジア太平洋クリーンエアーパートナーシップ(APCAP)の事務局から11月に世界保健機関(WHO)が主催した大気・健康国際会議で公表したソリューションレポートについて、WHOの地域事務所からWHOの大気汚染に係る取組状況について、ACAP から2020年に新潟で開催予定のAcid Rain 2020(2020年酸性雨国際会議)の計画等について発表がありました。

 我が国からは、ソリューションレポートが公表されたことを歓迎し、本レポートに示された25の大気汚染対策が各国で実施されることを期待している旨を述べるととともに、Acid Rain 2020に合わせて第22回政府間会合(IG22)をホストする旨を述べ、各国等から歓迎されました。

3.今後の対応

 酸性雨等の広域大気汚染問題は東アジア地域共通の課題であり、我が国としては、引き続きEANETの活動を技術的・財政的に支援していくとともに、EANETを東アジア地域における大気環境管理のための重要な基盤として、その活動の充実・強化を図ることとしています。

 また、今後、EANETの次期中期計画(2021-2025)の作成に向けた議論に積極的に貢献していきます。

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局総務課
直通 03-5521-8286
代表 03-3351-3581
分析官  大村 卓(内線6532)

環境省水・大気環境局大気環境課
直通 03-5521-9021
代表 03-3351-3581
課長   髙澤 哲也(内線6530)
課長補佐 工藤 里恵(内線6547)

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