報道発表資料
本事業は、愛媛県西条市の西条発電所敷地内において、既設の1号機を撤去し、新たに石炭を燃料とする総出力50万kWの火力発電所(新設1号機)を新設するものである。
本事業においては、2030年までに省エネ法に基づくベンチマーク指標の目標を達成する見通しとしているなど、二酸化炭素の削減に向けて積極的に取り組む姿勢を見せているところである。
しかし、世界の潮流に逆行するような地球温暖化対策が不十分な石炭火力発電は、是認できなくなるおそれもあること等を踏まえ、本事業者である四国電力株式会社に対し、(1)石炭火力発電に係る環境保全面からの事業リスクが極めて高いことを改めて強く自覚し、2030年度及びそれ以降に向けた本事業に係る二酸化炭素排出削減の取組への対応の道筋が描けない場合には事業実施を再検討することを含め、あらゆる選択肢を勘案して検討すること、(2)国内外の状況を踏まえた上でなお本事業を実施する場合には、現在所有している火力発電所及び計画している火力発電所の適切な運用などにより、ベンチマーク指標の目標を確実に達成するとともに、2030年以降に向けて、更なる二酸化炭素排出削減を実現する見通しをもって、これらの火力発電設備の休廃止・稼働抑制などの措置を計画的に実施すること、(3)そのほか大気環境、水環境及び廃棄物に係る適切な環境保全措置の検討等を求めている。
1.背景
環境影響評価法及び電気事業法は、出力11.25万kW以上の火力発電所の設置又は変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、事業者から提出された環境影響評価準備書※について、経済産業大臣からの照会に対して意見を述べることができる。本件は、この手続に沿って意見を提出するものである。
今後、事業者である四国電力株式会社には、環境大臣及び関係自治体の長の意見を受けた経済産業大臣勧告を踏まえ、法に基づく環境影響評価書の作成等の手続と環境保全の実施が求められる。
※環境影響評価準備書:環境影響評価の結果について環境の保全の見地からの意見を聴くための準備として、調査、予測、評価及び環境保全措置の検討を実施した結果等を示し、環境の保全に関する事業者自らの考え方を取りまとめた文書。
2.事業の概要
・名称 西条発電所1号機リプレース計画
・事業者 四国電力株式会社
・計画位置 愛媛県西条市
・燃料 石炭
・発電方式 汽力
・出力 50万kW
・工事開始時期 平成31年3月(予定)
・運転開始時期 平成35年3月(予定)
3.環境大臣意見
・意見の概要
別紙1参照。
・意見
別紙2参照。
(参考)環境影響評価に係る手続
【配慮書の手続】
・縦覧 平成28年4月1日~平成28年5月2日(住民意見7件※)
・愛媛県知事意見提出 平成28年5月27日
・環境大臣意見提出 平成28年6月10日
・経済産業大臣意見提出 平成28年6月24日
【方法書の手続】
・縦覧 平成28年9月2日~平成28年10月3日(住民意見21件※)
・愛媛県知事意見提出 平成29年1月12日
・経済産業大臣の通知 平成29年1月25日(勧告なし)
【準備書の手続】
・縦覧 平成30年4月3日~平成30年5月7日(住民意見123件※)
・愛媛県知事意見提出 平成30年10月9日
・環境大臣意見提出 平成30年11月30日
※環境の保全の見地からの意見の件数
添付資料
- (別紙1)西条火力発電所1号機リプレース計画準備書に対する環境大臣意見(概要) [PDF 14 KB]
- (別紙2)「西条火力発電所1号機リプレース計画環境影響評価準備書」に対する環境大臣意見 [PDF 36 KB]
- 連絡先
- 環境省大臣官房環境影響評価課環境影響審査室
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8237
室長 坂口芳輝(内6231)
室長補佐 鈴木清彦(内6233)
担当 切川卓也(内6238)