報道発表資料
また、会場内に我が国の水銀対策等に係るブースを設置し情報発信を行いました。
1.概要
本年11月19日(月)から23日(金)まで、スイス・ジュネーブにおいて「水銀に関する水俣条約第2回締約国会議」(COP2)が開催されました。会合には、140を超える国や地域から約900名が参加しました。
2.結果
条約実施に係る詳細ルールや事務局の組織体制等の運営に関する事項について、事務レベルでの議論が行われました。
我が国は、欧州連合や米国と共同で3本の決議案を提出するなど、国際的なルール作りに積極的に貢献しました。また、条約の運営を主導するビューロー会合(COPの理事会に相当)のアジア・太平洋地域の代表として、ヨルダンとともに会合の円滑な実施に貢献しました。
(1)水銀の環境上適正な暫定的保管に関するガイドライン
専門家による検討をふまえたガイドライン案について議論が行われ、一部を修正し、採択されました。ガイドラインは、水銀の、保管容器の仕様、保管場所の選定等、使用を目的として一時的に保管する際に配慮すべき事項についてとりまとめています。
(2)水銀廃棄物の閾値
条約上の水銀廃棄物の対象範囲について、①条約上の水銀廃棄物の3つの区分のうち「水銀汚染物」についての閾値濃度の議論を優先的に実施すること、②「廃金属水銀等」及び「水銀使用製品廃棄物」については該当する廃棄物の種類の一覧を作成するとともに濃度を用いる閾値設定の妥当性についても議論すること、等に合意しました。
また、COP3に向けて、会期間中に専門家会議を設置し、議論を進めることが決定しました。これらの議論を充実したものにするため、我が国は追加的な資金的支援を表明しました。
(3)条約の有効性評価
条約の有効性評価に必要となる評価指標等の設定について、専門家による会期間検討の報告をふまえ議論が行われました。さらなる情報収集と検討を行うため、COP3に向けて引き続き会期間作業を行うことが決定しました。
(4)汚染された場所の管理に関する手引き
条約事務局が専門家と協力してまとめた手引案については、COP3での採択に向けて、条約事務局が追加的な情報収集を行い、改めて専門家から意見を聴取することが決まりました。
(5)水銀の放出源の特定に関する手引き
水銀の水及び土壌への放出源の特定とその目録の作成に関し、専門家グループを設立して作業を開始することが決まりました。
(6)運営に係る事項
- 水俣条約事務局をスイス・ジュネーブに置くこと、及び廃棄物・化学物質3条約事務局等との協力・調整の下、独立の事務局として運営されることが正式に決まりました。
- 条約の資金メカニズム(地球環境ファシリティ及び能力形成及び技術援助を支援する特定の国際的な計画(SIP))について、条約の規定にもとづきレビューを進めることで合意しました。また、SIPについては、手続き規則及びプロジェクト審査のガイダンスが作成され、最初のプロジェクトが承認されたことが報告されました。
- 水俣条約事務局予算について、2019年の支出見込みに比べて不足する分については、2018年からの持ち越し予算を充当することが決まりました。また、各締約国の拠出額については、2019年当初時点での締約国で分担するよう再配分することが決まりました。
3.関連イベント
(1)会合期間中、日本の水銀対策や分析技術を紹介したポスター、水俣市、水俣高校等と連携した情報発信に関する展示、水俣市関係者からのCOP2に向けたメッセージの放映等を行いました。
(2)我が国は、世界水銀パートナーシップ、水銀モニタリング、野外焼却からの水銀排出のイベント等に参加し、日本の水銀対策に関する最先端の取組等を紹介しました。
(3)COP2に先立ち、11月18日(日)に世界水銀パートナーシップ第9回アドバイザリ会合が開催され、我が国がリードする水銀廃棄物分野について、進捗報告を行いました。
4.今後の予定
第3回締約国会議は、2019年11月にスイス・ジュネーブにて開催される予定です。
5.参考URL
「水銀に関する水俣条約第2回締約国会議」(COP2):UNEP ウェブサイト
http://www.mercuryconvention.org/Meetings/COP2/tabid/6355/language/en-US/Default.aspx
- 連絡先
- 環境省大臣官房環境保健部環境保健企画管理課水銀対策推進室
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8260
室長 西前 晶子 (内線 6353)
室長補佐 斉藤 貢 (内線 6368)
担当 伊藤 悟志 (内線 6356)