報道発表資料

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2008年12月19日
  • 再生循環

「平成20年度 容器包装3R推進環境大臣賞」の決定について(お知らせ)

 環境省では、容器包装廃棄物の3R推進に資する活動の奨励・普及を図るため、平成18年度に「容器包装3R推進環境大臣賞」を設け、平成18年度、平成19年度と表彰を行いました。本年度も引き続き、7月1日(火)~8月29日(金)まで一般募集を行ったところ、合計30件(地域の連携・協働部門11件、小売店部門8件、製品部門11件)の御応募をいただきました。
 「平成20年度 容器包装3R推進環境大臣賞 審査委員会」(委員長:安井至国際連合大学名誉副学長・東京大学名誉教授)において審査した結果に基づき、環境大臣が各部門の最優秀賞、優秀賞、奨励賞を決定しましたのでお知らせします。
 各部門の最優秀賞受賞団体に対しては、環境省が平成21年1月15日(木)に東京都内で主催する「容器包装3R推進全国大会」において、表彰状を授与する予定です。

1. 環境大臣賞の選考

 「平成20年度 容器包装3R推進環境大臣賞審査委員会」(委員長:安井至国際連合大学名誉副学長・東京大学名誉教授、以下「審査委員会」という。)において、部門別に最優秀賞、優秀賞及び奨励賞を選考しました。

<審査委員会の名簿>
区分 氏名(敬称略) 所属
委員長 安井 至 国際連合大学名誉副学長・東京大学名誉教授
委員 酒井 伸一 京都大学環境保全センター教授
崎田 裕子 3R推進マイスター、ジャーナリスト、環境カウンセラー
佐々木 春夫 社団法人日本包装技術協会専務理事
塩谷 喜雄 日本経済新聞論説委員
谷津 龍太郎 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長

2. 環境大臣賞の決定

 環境大臣は、審査委員会での選考結果に基づき、地域の連携・協働部門、小売店部門及び製品部門について、次のとおり、最優秀賞、優秀賞、奨励賞の受賞団体を決定しました。

(1) 受賞団体
区分 地域の連携・協働部門 小売店部門 製品部門
最優秀賞 全国生活学校連絡協議会 東京都千代田区)
「レジ袋減らし隊」全国運動
株式会社光生舎
(北海道札幌市)
ECO推進サービス
能勢酒造株式会社
(大阪府豊能郡能勢町)
能勢山水、能勢山水ウーロン茶
優秀賞 国立大学法人三重大学
(三重県津市)
三重大学の3R活動
株式会社ローソン
(東京都品川区)
“ケータイバッグ運動”の推進によるレジ袋の削減
レンゴー株式会社
(大阪府大阪市)
Cフルート段ボール
東洋製罐株式会社
(東京都千代田区)
さらに地球環境に優しい缶「陰圧軽量TULC(タルク)190g缶」
奨励賞 山梨県ノーレジ袋推進連絡協議会
(山梨県甲府市)
ノーレジ袋の推進
名古屋勤労市民生活協同組合
(愛知県名古屋市)
3Rの全社的な推進-レジ袋の削減運動、リサイクルの推進の取り組み-
該当なし
鹿児島県大崎町
(鹿児島県曽於郡大崎町)
ごみの分別28品目「スーパーエコタウン大崎町」3R推進運動
株式会社松屋フーズ
(東京都武蔵野市)
リユース箸(エコ箸)の全店舗での導入による割り箸の撤廃
(2) 取組概要と受賞理由
【地域の連携・協働部門】
区分 事業者名 取組名 取組概要 受賞理由
最優秀賞 全国生活学校連絡協議会 「レジ袋減らし隊」全国運動  長年レジ袋削減運動を続け、更に一般の人々も広く参加できるよう、平成19年7月からわが国初の全国規模の取組として「レジ袋減らし隊」全国運動を市民団体等と共催で実施。
 本運動は、消費者がレジ袋を断った証として「レジ袋減らし隊カード」に店の押印を貰う仕組みで、消費者には金銭的な見返りは一切無いが、6,000店舗を上回る協力店、10県6市4区13町が本運動に協力して全国で実施したもの。「レジ袋減らし隊カード」だけで約870万枚、協力いただいた企業や自治体の削減枚数を合わせると、約1億8千万枚のレジ袋削減を実現。
◎多数の地方自治体や事業者を巻き込んで、全国規模で継続して活動する大規模な市民活動であり、熱意に敬服する。
◎レジ袋削減の取組方法として、レジ袋辞退者にメリットのあるポイント制などを用いず「ご褒美のないカード」で実施したにも拘わらず、ここまで進展したことは高く評価できる。
◎今日では全国でレジ袋削減の取組が進んでいるが、その先鞭を付けた意義は大きく、今後の展開に期待する。
優秀賞 国立大学法人三重大学 三重大学の3R活動  大学が決定した環境方針と環境目的を実現するため、三重大学環境ISO学生委員会が中心となり3R活動を実践。
 Reduce活動として、学生による三重大学オリジナルのエコバッグ作成、大学生協のレジ袋有料化を実施、レジ袋使用量を97%削減(2007年度比)。  Reuse活動として、放置自転車の再使用システムを構築。 Recycle活動として、古紙回収と再生利用方法を見直し、オリジナルの循環型古紙回収再生利用システムを構築。
◎取組が計画的かつ総合的である。
◎有料化に伴いレジ袋使用量を97%削減と高い実績に加え、様々な取組を通じて、若年層が身近に環境配慮行動を実践する契機となっている点も高く評価できる。
◎三重大学の取組を参考に、他大学でも同様の取組を実施する動きが広がっており、波及効果も大きい。
奨励賞 山梨県ノーレジ袋推進連絡協議会 ノーレジ袋の推進  同協議会は平成19年8月31日に発足、レジ袋削減の意識啓発活動を実施。レジ袋の無料配布中止(有料化)を実施することが最も効果的であるとの判断から、県内全域でのレジ袋無料配布中止を目指して参加事業者を公募し、平成20年6月に、当協議会、事業者、市民団体、商工団体、市町村、県による協定を締結。協定参加者全体でのマイバッグ等持参率は83.7%(20年7月現在)、レジ袋の削減を通じた容器包装廃棄物のリデュースに大きな成果を上げた。 ◎レジ袋の無料配布中止を推進するため、同協議会が中心となり、事業者、市民団体に加え、県と市町村が協定締結に参加して、全県的な取組を行った初の事例として高く評価する。
◎他の地方自治体でも同様の取組を実施するなど、波及効果も大きい。今後、同様の取組が全国に広がることを期待する。
◎協定を締結する事業者の一部はレジ袋の全廃や使用済みレジ袋の回収を行うなど、様々な取組を展開している。
奨励賞 鹿児島県 大崎町 ごみの分別28品目「スーパーエコタウン大崎町」3R推進運動  埋立処分場の延命化を図るため、埋立ごみを資源化する発想で取組を開始。
 取組内容は、[1]28品目の資源ごみの分別、[2]菜の花エコプロジェクト、[3]子どもたちの環境学習を実施するなど。
 その結果、埋立てごみが約85%減少し、平成19年度環境省「一般廃棄物処理事業実態調査」によるリサイクル率は80%で全国第1位を達成。菜の花エコプロジェクトにより、廃食油、生ごみのリサイクルを通じて地域内資源循環、地産池消を推進。
 今後、更なる埋立てごみの減量化によるリサイクル率の向上、ゼロミッションを目指し、次世代の子供達に継承する。 
◎容器包装の3R推進に限らず、埋立ごみを85%削減させた実績は、地域住民が参加した、家庭ごみ削減に係る優れた取組事例として高く評価できる。
◎平成19年度環境省「一般廃棄物処理事業実態調査」においてリサイクル率80%と全国第1位となっており、今後とも他の地方自治体の目標として、一層の取組を期待する。
【小売店部門】
区分 事業者名 取組名 取組概要 受賞理由
最優秀賞 株式会社光生舎 ECO推進サービス  エコロジカルな視点・発想を取り入れ、その一環として「ECO推進サービス」を積極的に実施、環境保護の貢献活動を展開。
 【ハンガー回収】ハンガーを針金からプラスチック製に変更。ECOカードを導入し、ハンガー回収に伴いポイントを付与。
 【ノー包装】平成18年6月から「ノー包装」を開始。平成20年4月よりハンガー回収と同様、ECOカードにてポイントを還元。
 【お客様お持ち帰り袋の削減】平成20年4月から、エコバッグ持参もしくは「持ち帰り袋(クリーニング袋)」を必要としない時は、ECOカードにてポイントを還元。貯まったポイントで同社オリジナルのエコマイバッグとの交換も実施。
◎クリーニング業では商品の包装は必要不可欠とされてきたが、クリーニング袋の提供辞退者には、ハンガーに掛けて仕上がったクリーニング品にビニール袋をかけず渡す取組を実施しているのは、大変先進的と評価される。
◎マイバッグ持参によるレジ袋削減とともに身近にできる家庭ごみの発生抑制(リデュース)方策の一つとして、環境に配慮した行動を実践する契機となることを期待。
優秀賞 株式会社ローソン “ケータイバッグ運動”の推進によるレジ袋の削減  環境省と「環境保全に向けた取り組みに関する協定」を締結、2007年3月より、お客様と一緒にできる環境保全運動「ケータイバッグ運動」をスタート、無償配布をメインに、デザイン・仕様を公開して、全国から賛同企業・団体を募って普及・拡大に取り組んでいるところ。
 <目標>[1]ケータイバッグ250万枚配布、[2]1店舗あたりのレジ袋使用重量 2008年度600kg(2005年度比20%減)
 <内容>[1]ケータイバッグ配布の推進(2008年7月末まで合計140万枚)、自治体との包括協定の締結、[2]協力企業・団体による作成・配布(合計約60万枚)。
◎コンビニ業界ではレジ袋の無料配布中止は難しいとする中、マイバッグ(コンビニエコバッグ)の無料配布、レジ袋の使用辞退者に対するポイント進呈など、様々な取組を継続して実施している点は高く評価される。
◎1店舗当たりのレジ袋使用量を2005年度の20%削減という環境省と締結した自主協定の達成に向けて、着実に成果をあげている。
奨励賞 名古屋勤労市民生活協同組合 3Rの全社的な推進-レジ袋の削減運動、リサイクルの推進の取り組み  リデュースとして、[1]レジ袋の削減(全店平均で常時96%以上のレジ袋削減率維持)、[2]容器包装の減量化等の取組を推進。
 リユースとして、ビン牛乳、レンタルモップ、布団の打ち直しなど再利用の取組を推進。
 リサイクルとして、[1]店頭回収(全店舗で牛乳パック、ペットボトル、食品トレイ、卵パックの5品目を常時回収)、[2]食物残渣の堆肥化の取組、[3]廃油の燃料化(BDF)の取組、[4]バイオマスプラスチックを使用した食器の開発、[5]地域のNPOと不用品のリサイクルの取組を推進。
 その他、環境家計簿の実施、ゴミを減らす学習会、3Rに関する環境学習会などを開催。
◎レジ袋削減率96%と高い取組実績に加え、30年以上レジ袋削減の取組を継続している点が高く評価できる。
◎愛知県や名古屋市など地域の行政体と連携・協働した取組を長年実施しており、地域社会に貢献している。
◎レジ袋削減の取組以外に、様々な3R活動を継続して実施しており、組合員以外にも波及効果を及ぼしている。
奨励賞 株式会社松屋フーズ リユース箸(エコ箸)の全店舗での導入による割り箸の撤廃  全国697店舗(平成20年7月現在)で使われる月1,000万膳の割り箸について、ゴミの減量、CO2削減等の観点から、再生箸への切り替えが急務と判断。
 安全性の確保やお客様の反応など4店舗による実験導入の結果を踏まえ、店内にポスターを張るなどのPRに努めた後、2008年5月、697店全てでリユース箸の導入を実施。年間1億2千万膳、530トンのごみを削減。
◎箸は容器包装ではないが、ファーストフードチェーンとしては他社に先駆けて全店でリユース箸を導入することで、ごみの発生抑制(リデュース)とともに、若年層に環境問題を意識させる契機となった点が評価できる。
◎店舗から回収したリユース箸を市民団体を通じてイベント等で再利用する実験を行う等、取組の広がりを期待。
【製品部門】
区分 事業者名 製品名 製品概要 受賞理由
最優秀賞 能勢酒造株式会社 能勢山水、能勢山水ウーロン茶  同社は以前からリターナブル瓶の普及に努め、容器ごみの削減を行ってきたが、リターナブル方式による1L化粧瓶入りウーロン茶を新たに開発した。
 ペットボトル入りウーロン茶の代替品として提供することでペットボトルごみの削減に寄与する商品として近隣家庭への宅配および飲食店向けに販売。
 過去1年間に販売した約10.4万本を、2Lペットボトルに換算すると約5.2万本、ダンボールで約8600枚(2800kg)を削減したものと推定。
◎リターナブル容器を全国レベルで普及させることは大変に難しく、本事例のように地域で完結するリユースの仕組みを実践し、定着させた成功事例として評価したい。
◎地域特性を活かした3Rの取組が重要であり、本件のような取組事例を全国に広げて、ネットワークづくりを推進することでリユースの輪が広がる。今後の展開に期待する。
優秀賞 レンゴー株式会社 Cフルート段ボール  段ボール箱用として我が国ではAフルート(厚さ5mm)が使用されてきたが、欧米では薄いCフルートが一般的。我が国ではAフルートからCフルートへの切り替えは無理とされてきたが、輸送効率が向上するCフルートを普及させるために同社は[1]全国での製造拠点の整備、[2]わが国の湿潤な環境でもAフルート同様の強度を有することや地球温暖化防止に資すること等の証明、[3]強度や環境性能のPR等、様々な取組を行ってきた。
 その結果、現在2割程度の切り替えが完了、年間約1,400トンの二酸化炭素の排出量削減に貢献。同社製造のAフルートを全てCフルートに切り替えると年間1.2万トンの二酸化炭素を削減できる見込み。
◎欧米では普及しているCフルート段ボールだが、湿度の高いわが国では導入困難とされていたにも拘わらず、新技術を開発して普及に努めている点は高く評価される。
◎従来品からの切り換えは現在では2割程度だが、他社も追従するなど、業界全体に波及している点も評価できる。
◎運輸分野でのCO2削減対策として、段ボールは使用量が多いだけに軽量化の影響は大きく、普及を期待する。
優秀賞 東洋製罐株式会社 さらに地球環境に優しい缶「陰圧軽量TULC(タルク)190g缶」  本製品は「缶の胴部の厚みを薄くすることが可能なTULC(タルク)の成形技術」と「優れた真円度を実現し、陰圧缶に必要なパネリング強度(缶胴の内側への変形に対する強度)の確保ができる、缶胴に接合部を必要としないTULCの成形方法」の組み合わせにより、現行のTULCに比べて6%、従来の溶接缶に比べて13%の軽量化(リデュース)を達成。
 従来のTULCと同様に、[1]成形工程上での二酸化炭素排出量の削減、[2]水は使用しない、[3]固形廃棄物量の大幅削減、等の環境保全上の効果が得られる。
◎本件は従来のTULC(タルク)缶に比べて6%、従来の溶接缶に比べて13%軽量化し、限界とされていたレベルを再度ブレークスルーしたことが高く評価できる。
◎缶は生産量が多いため軽量化に伴う鉄の削減量は大きく、製品や資源ごみの輸送に伴うCO2削減効果も大きい。
◎2008年8月より大手飲料メーカーの製品として導入、海外でも導入予定。また小規模CDM事業に承認されているなど、広く普及が進みつつあることも高く評価できる。
奨励賞 該当なし

3.環境大臣賞の授与式の開催

 平成21年1月15日(木)、ゲートシティホール(東京都品川区大崎1-11-1)で環境省が主催する「容器包装3R推進全国大会 ―レジ袋削減の取組を全国へ― 」において、各部門の最優秀賞受賞団体に対して、表彰状と標章(資料参照)を授与する予定です。
 また、会場内でパネル展示などを行っていただく予定です。

添付資料

連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課リサイクル推進室
直通 03-5501-3153
代表 03-3581-3351
室長 上田 康治(6831)
室長補佐 橋本 郁男(6854)
係長 安藤 英俊(6837)

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