報道発表資料

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2018年07月12日
  • 地球環境

「拡大特別ASEAN気候行動に関する閣僚会合」の結果について

7月10日(火)、シンガポールにおいて、拡大特別ASEAN気候行動に関する閣僚会合(Expanded Special ASEAN Ministerial Meeting on Climate Action: E-SAMCA)が開催され、我が国環境省から、とかしき環境副大臣が出席しました。本会合の概要は以下のとおりです。

1.会合の概要

(1)日程・場所

 7月10日、於:シンガポール

(2)主催

 シンガポール(議長: ズルキフリ・シンガポール環境水資源大臣)

(3)参加国等

主催国シンガポールのチーヒエン副首相をはじめ、ASEAN加盟国(インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス(全10か国))、日本、中国、韓国、フィジー(COP23議長国)及びポーランド(COP24議長国)の閣僚やエスピノーサ国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局長が参加した。我が国からは、とかしき環境副大臣が出席した。

2.議論の概要

(1)本会合は、本年、パリ協定の実施指針の採択を目指すとともに、タラノア対話が開催されることを踏まえ、東南アジア地域における気候変動対策のための取組とコミットメントについて建設的な対話を行うことを目的に開催された。

(2)会合冒頭、チーヒエン・シンガポール副首相、ダウニバル首席交渉官(COP23議長の代理)、クリティカCOP24議長、エスピノーサ国連気候変動枠組条約事務局長から、スピーチが行われた。

チーヒエン副首相は、ASEANが気候変動影響に対する適応策と緩和策の両方の取組を進めていること、COP24の成功を願っていること、2018年タラノア対話へのインプットとして、本閣僚会合における議論の結果を提出する予定であることを述べた。 

ダウニバル首席交渉官は、タラノア対話を通して、相互信頼を築き、気候変動対策の気運を高め、高い目標に向かって取り組むことが重要であることを述べた。

クリティカCOP24議長は、9月のバンコク会合や12月のCOP24に向けて、本会合における意見交換が良い準備になること、あらゆる主体による気候行動は生活の質や環境の質を高める機会であること、再エネなどの技術開発や技術移転が重要であることを述べた。

エスピノーサ国連気候変動枠組条約事務局長は、世界が力を合わせてCOP24におけるパリ協定の実施指針の採択を目指す必要があること、各国が各コミットメントに沿って気候変動対策に取り組む必要があること、事務局がこうした各国の取組を支援していくことを述べた。

(3)ズルキフリ議長並びに我が国、中国及び韓国からは、タラノア対話のトピックの一つである「どのように行くのか(How do we get there?)」に焦点を当て、各地域・国の気候変動対策について、発言があった。

ズルキフリ・シンガポール環境水資源大臣は、本会合の直前に開催された、特別ASEAN気候行動に関する閣僚会合における議論の成果として、ASEANが、実施指針の採択に向けて協力するとともに、緩和、適応、透明性を重視して取組を進めていくことを述べた。

とかしき環境副大臣は、昨年の日ASEAN首脳会議で安倍総理が提唱した「日ASEAN環境協力イニシアティブ」に基づき、透明性、適応及び緩和の3つの気候変動分野について、ASEANとの協力を更に強化すること、COP24でパリ協定の実施指針を採択するため、本会合の出席国と機関が一致協力して、国際的な努力を促進すべきことを述べた。

中国は、気候変動対策に積極的に取り組んでいること、2016年から南南協力に取り組んでいることを述べた。

韓国は、再生可能エネルギーによる発電割合を2030年までに20%にする目標を目指し、再エネ・省エネの推進、石炭火力の段階的停止などの取組を進めていることを述べた。

 最後に、ズルキフリ・シンガポール環境水資源大臣は、COP24におけるパリ協定の実施指針採択を目指すこと、各国が気候変動対策を推進するとともに、地域的な取組も推進すること等を述べ、会議を閉会した。

3.その他

 本会合の場を利用して、とかしき副大臣は、コー・シンガポール環境水資源省上級大臣、スラサック・タイ環境大臣、ハー・ベトナム天然資源環境大臣などと個別に会談を行い、気候変動など環境協力の強化について意見交換を行った。

連絡先
環境省地球環境局国際地球温暖化対策担当参事官室
直通 03-5521-8330
代表 03-3581-3351
参事官 小川眞佐子(内線6772)
係長  小俵大明(内線6786)