報道発表資料
日本からは、笹川環境大臣政務官が出席し、アジア太平洋地域の環境と開発に関する政策の展望等について、ハイレベルの議論が行われました。会合の成果として、閣僚宣言が採択されました。
1.会合日程 平成29年9月5日(火)~8日(金)
※笹川政務官の出席は7日の閣僚級会合
2.場所 タイ・バンコク(国連カンファレンスセンター)
3.主催者 国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)
国連環境計画アジア太平洋地域事務所(UNEP/ROAP)
4.参加国等
42のアジア太平洋諸国・地域(日本、中国、韓国、北朝鮮、モンゴル、タイ、インドネシア、東チモール、シンガポール、ベトナム、フィリピン、ラオス、カンボジア、ミャンマー、オーストラリア、ニュージーランド、ブータン、ネパール、バングラデシュ、インド、スリランカ、パキスタン、アフガニスタン、イラン、フィジー、トンガ、クック諸島、キリバス、サモア、ソロモン諸島、バヌアツ、マーシャル諸島、モルディブ、アルメニア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、フランス、英国、ロシア、及びマカオ)の閣僚級等ハイレベル、関連国際機関・NGOの代表者等
※日本からは、笹川政務官のほか、環境省及び在タイ日本大使館の担当者が出席。
5.概要
本会合は、ESCAP主催の「第7回アジア太平洋環境と開発に関する閣僚会議(MCED7)」とUNEP/ROAP主催の「第2回アジア太平洋地域大臣及び環境当局フォーラム」を合同で開催するものであり、「資源効率的かつ汚染のないアジア太平洋へ向けて」というテーマのもと、議論が行われた。
(ア)開会・キーノートスピーチ
アクタールESCAP事務局長は、アジア太平洋地域では、急速な都市化や資源消費が深刻な環境影響を引き起こしており、資源の効率的な利用により、持続可能な開発を達成する必要があると述べた。
また、ソールハイムUNEP事務局長は、環境汚染に対する協力が必要であり、本年12月にケニア・ナイロビで開催される第3回国連環境総会(UNEA3)では、「汚染のない地球へ向けて」というテーマで議論が行われると述べた。
(イ)各国からのステートメント及び閣僚級対話
閣僚級会合第1日目(9月7日)に、各国からのステートメント及び「資源効率的かつ汚染のないアジア太平洋へ向けて」というテーマのもと、パネルディスカッションが行われた。アジア太平洋諸国における持続可能な開発に関する取組が共有されるとともに、取組の促進には、政治的意思を受けて、金融の変革や技術のイノベーションが必要であることが指摘された。
同じく第2日目(9月8日)に、「汚染のない地球に関する政策展望」というテーマのもと、パネルディスカッションが行われ、アジア太平洋諸国における持続可能な開発に関する取組が共有された。
(ウ)日本からのステートメント(笹川環境大臣政務官)
閣僚級会合第1日目のセッションにおいて、笹川政務官から、アジア太平洋地域の持続可能な開発の実現に向けて、①持続可能な開発目標(SDGs)の実施、②資源循環を促進する3Rの取組、③環境上適正な技術としての低炭素技術の開発・普及、④持続可能な都市に関する取組及び⑤環境インフラの整備が重要と述べた。また、日本は、公害経験を克服して培ってきた環境技術やノウハウを提供することにより、地域の環境問題の克服に貢献できると述べた。
(エ)その他のセッション
閣僚級会合第2日目に、UNEA3への地域からのインプットについて、各国が発言を行った。
(オ)閣僚との意見交換
笹川政務官は、①ベトナム国ハー天然資源環境大臣、②インドネシア国デワンティ環境林業省国際貿易産業担当上席顧問、③ミャンマー国ウィン資源環境保全大臣、④モンゴル国バオバヤール環境観光副大臣及び⑤バングラデシュ国ヤコブ環境森林副大臣とバイ会談を行った。
バイ会談では、本年7月に環境省が発表した「環境インフラ海外展開基本戦略」、両国間で実施している二国間クレジット制度等についてそれぞれ意見交換を行い、引き続き、環境分野で緊密な協力を図っていくことで一致した。
(カ)会合の成果
ESCAP主催のMCED7の成果として、「アジア太平洋の環境と開発に関する閣僚宣言」及び会合の報告書が採択された。
UNEP/ROAP主催の「第2回アジア太平洋地域大臣及び環境当局フォーラム」の成果として、UNEA3へインプットされる会合の報告書及び議長サマリーが採択された。
(参考)
「アジア太平洋の環境と開発に関する閣僚宣言」概要(仮訳)
我々は、アジア太平洋の環境と持続可能な開発を促進することを約束し、持続可能な開発のための2030ア ジェンダ、パリ協定等の実施へ向けた努力を再確認し、以下を決意する。
・必要に応じて、気候変動の有害な影響への対処に貢献すること
・資源効率性を高めることで、自然資源、生物多様性及び生態系の保全及び持続可能な管理を確保すること
・自然資源管理の効率性及び経済のパフォーマンスを向上させること
・環境的に持続可能な都市を創造するために、都市化及びインフラへの追加投資の機会を活用し、持続可能な都市計画と空間開発を促進すること
・食料安全保障を高める持続可能な農業を育てると同時に、自然資源や生態系を守り、資源生産性を高めること
・資源及び生態系サービスへのアクセス等を通じて、特に女性及び社会的弱者の持続可能な暮らしを確保すること
・必要に応じて、グリーン経済及び持続可能な海洋利用を促進すること
また、以下へ向けて、必要に応じて、協働することを決定する。
・環境上適正な技術の移転及び利用の促進
・砂塵に影響を受ける人々の環境、暮らし、健康及び福祉を向上させるための地域の取組及び協力の促進
・全ての開発資源を効果的に動員するための効果的な開発協力の促進
・自然資源管理に関する政府の能力強化及び専門技術の開発
・エネルギー分野で進んだ技術の支援の促進
・越境的な影響を含む環境問題を議論するための地域対話の促進
金融機関及び開発パートナーに対し、必要に応じて、資金計画を策定する際、本宣言の優先事項及びテーマ的課題を考慮するとともに、本宣言の実施において、各国を支援することを招請する。
ESCAP事務局長に対し、現在のマンデートに沿って、また、事務局の専門性を活用して、本宣言の実施において、以下により、各国を支援することを要請する。
・UNEPと協力して、自然資源の保全、持続可能な利用及び管理に関する地域協力を促進することを優先事項とすること
・UNEP等の他の国連機関と協力して、各国の知見、経験、教訓及び成功例の共有に関する地域ネットワークを促進すること
・他の国連機関と協力して、科学及び事実に基づいた政策を支援するために、持続可能な生産と消費、廃棄物と汚染等に関する情報の収集及び普及並びに分析結果の作成を促進すること
・他の国連機関と協力して、気候変動及び環境劣化に脆弱な国を中心に、各国の要請を受けて、技術支援及び能力構築を継続すること
・必要に応じて、環境開発委員会を通じて、本宣言の実施進捗のレビューを促進すること
・本宣言の実施において、必要に応じて、UNEP等の他の国連機関と調整すること
2022年に、環境開発委員会を閣僚級で開催する。
- 連絡先
- 環境省地球環境局国際連携課
03-3581-3351(代表)
03-5521-8243(直通)
課 長:福島 健彦(6760)
室 長:杉本 留三(6765)
課長補佐:田中 英二(6722)
課長補佐:福井 陽一(6747)
係 長:久保 満希子(6722)