報道発表資料

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2017年08月17日
  • 自然環境

埼玉県内におけるヒアリの確認について

 平成29年8月10日に埼玉県狭山市の事業者敷地内で積荷の梱包材から発見されたアリ1個体の死骸について、専門家による種の同定の結果、8月16日に特定外来生物であるヒアリ(Solenopsis invicta)の女王アリと確認されましたので、お知らせいたします。
 当該積荷は、コンテナで中国・黄埔港から貨物船で搬送され、7月11日に東京港青海ふ頭で陸揚げされた後、事業者敷地へ搬送され、荷降ろしされたものです。

1. 経緯等

日時不明   当該コンテナを載せた船が中国広東省広州市黄埔港を出港。

7/7   香港で当該コンテナを別の船に積み替え後、出港。

7/11   東京港(東京都江東区:青海ふ頭)に到着、当該コンテナを陸揚げ。

7/18又は19  埼玉県狭山市に当該コンテナを搬送。積荷を倉庫に搬入。

 なお、事業者が空になった当該コンテナを検査した際には、アリは確認されず。

8/10   事業者が倉庫内で保管されていた積荷の梱包材上でアリの死骸(1個体)を発見し、狭山市を通じて埼玉県西部環境管理事務所に通報。その後、埼玉県が関東地方環境事務所に通報。

8/11   埼玉県及び狭山市が、発見場所及び荷降ろし場所周辺を確認したが、ヒアリであると疑わしいアリは発見されず。なお、事業者は当該アリの発見前から敷地内に殺虫餌(ベイト剤)を設置。

8/14   埼玉県が関東地方環境事務所に当該アリのサンプルを持ち込み。

8/16   当該アリについて、専門家が、ヒアリ(Solenopsis invicta)の女王アリであることを確認。

2.今回確認されたヒアリについて

 ヒアリの死骸は事業者敷地倉庫内の積荷の梱包材上で発見されました。積荷及びコンテナは、トレーラーに載せたコンテナからフォークリフトで倉庫に直接搬入され、事業者敷地では野外に置かれていないこと、荷降ろし後のコンテナ内ではアリは確認されていないこと、事業者敷地内では、事業者が殺虫餌(ベイト剤)を設置していること、埼玉県及び狭山市がアリ発見後に行った周辺調査で、ヒアリであると疑わしいアリは確認されていないことから、ヒアリが当該地域周辺に定着し繁殖している可能性は低いと考えられます。

3.今後の対応

 事業者には引き続きヒアリの疑いのある個体が発見された場合は速やかに駆除等を行うよう依頼しています。
 また、埼玉県、狭山市、東京港の港湾管理者等の関係者に対しては、以下を依頼しています。

  • 今後、同様のルートで製品を輸入する際に、ヒアリその他の特定外来生物の付着・混入がないよう、倉庫・コンテナ置き場・積み出し港等の状況を把握し、対策を講じること
  • コンテナ保管場所、倉庫、その他運搬車両等の事業関係者に当該生物の混入があったことを周知し、他に混入のおそれがないかさらなる確認を依頼すること

 また、環境省は、国土交通省港湾局と協力して、中国、台湾等の定期航路を有する68港湾において調査や殺虫餌(ベイト剤)の配備を順次実施しており、東京港もその対象となっています。

写真 今回確認されたヒアリ


今回ヒアリが発見された場所

連絡先
環境省
環境省自然環境局
野生生物課外来生物対策室
代表 03-3581-3351
室長 曽宮 和夫
室長補佐 八元 綾
担当 知識 寛之
関東地方環境事務所 野生生物課
直通 048-600-0817
課長 横田 寿男
専門官 木内 尚也