報道発表資料

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2017年07月20日
  • 自然環境

西表石垣国立公園 石西礁湖のサンゴ白化現象の調査結果について

 環境省那覇自然環境事務所では、昨年度のサンゴ大規模白化現象の被害状況を適切に把握することが重要であることから、夏季の海水温上昇が予想される時期前の状況を確認するため、6月下旬に西表石垣国立公園の石西礁湖海域(石垣島と西表島の間)において、本年度最初のサンゴの白化現象についての調査を実施しましたので速報をお知らせします。
 今回の調査の結果、昨年度、白化現象が確認されはじめた7月から8月にかけて実施した調査結果(平成28年8月31日付け報道発表)と比較すると、平均被度(※1)が29.5%から12.5%に減少したことが確認されました。
 また、全35の調査地点の平均白化率(※2)が19.7%であることを確認しました。

※1:サンゴ被度

調査地点におけるサンゴが着生可能な岩盤などの底質の範囲のうち、生存しているサンゴ群体が占める範囲の割合

※2:白化率

少しでも白化現象が見られる群体を対象とし、生きたサンゴ全体(白化しているサンゴ+健全なサンゴ)に占める、白化したサンゴの割合

1.調査内容

(1)調査地点

石西礁湖内35地点(図1参照)

(2)調査期間 

 平成29年6月20日から~6月25日まで

(参考)平成28年度 第1回調査:平成28年7月26日~8月17日

 第2回調査:平成28年9月29日~10月4日

 第3回調査:平成28年11月28日~12月21日

(3)調査方法

  • 各調査地点の白化現象の状況をスポットチェック法(15分間遊泳観察法:環境省生物多様性センター(2014))に従い調査した。(昨年度の調査方法と同様の調査方法)
  • サンゴの白化による被害の程度を4階級分類し、それぞれの被度の割合を記録した。

ランクI:白化していない群体(健全)

ランクII:一部白化・一部死亡・全体的に色が薄い群体(薄色)

ランクIII:全体が完全に白化している状態(白化)

ランクIV:全体が白化により死亡した状態(死亡)

  • サンゴ被度=(生存しているサンゴ群体が占める範囲)/(調査地点におけるサンゴが着生可能な岩盤などの底質の範囲)
  • 白化率=(少しでも白化が確認された群体が占める範囲)/(生存しているサンゴ群体が占める範囲)

2.調査結果

(1)平均白化率及び平均被度

 平均白化率19.7%、平均サンゴ被度12.5%、

(参考)平成28年度 第1回調査:平均白化率89.6%、平均サンゴ被度29.5%、

 第2回調査:平均白化率97.1%、平均サンゴ被度18.8%、

 第3回調査:平均白化率91.4%、平均サンゴ被度11.6%、

(2)白化の状況

  • 今回の調査における各調査地点の白化状況を図2に示した。
  • 今回の調査では、調査時点における生存群体を対象として、白化率を算出した。
  • 35の調査地点における平均白化率は19.7%で、いずれもランクIIの「薄色」であった。

(3)被度の変化

  • 今回の調査及び平成28年度の調査における各調査地点のサンゴ被度を図3に示した。
  • 多くの調査地点で平成28年度第3回調査時と同程度の被度で、平均被度は12.5%であった。

3.今後の対応

  • 7月21日(金)に開催予定の石西礁湖自然再生協議会において、今回の調査結果を報告予定である。
  • サンゴの白化現象に関する調査については、今年11月頃にも引き続き実施する予定である。

添付資料

連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課
TEL 03-5521-8274(直通)
   03-3581-3351(代表)
課長        奥田 直久(内線 6430)
保全再生調整官   岡野 隆宏(内線 6435)
サンゴ礁保全専門官 山崎 麻里(内線6492)

環境省九州地方環境事務所
那覇自然環境事務所
TEL 0980-82-4768
所長      西村 学
自然再生企画官 広野 行男
石垣自然保護官事務所
自然保護官   塚本 康太

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