報道発表資料

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2017年07月05日
  • 自然環境

兵庫県内におけるアリの調査状況報告について

 平成29年5月26日に兵庫県内において輸入コンテナの内部でヒアリが確認されましたが、当該コンテナ内の個体は、全て薬剤の燻蒸により消毒処分されています。これら消毒処分個体を専門機関で分析したところ、7月5日に少なくとも働きアリ500個体以上が確認され、そのなかに有翅(ゆうし)メス(女王)や、有翅オス等が含まれていました。
 また、ヒアリの生息が確認されていた神戸市のポートアイランドPC18内に設置していたトラップにヒアリの疑いのある1個体が捕獲され、6月28日に回収し専門機関で同定したところ、7月5日ヒアリであることが確認されました。
 環境省では引き続き関係自治体と協力してモニタリング調査を実施するとともに、ヒアリが確認された場合には速やかに防除を行います。

1.経緯等

 平成29年5月26日に兵庫県尼崎市においてヒアリ(Solenopsis invicta)が輸入コンテナ(1個)の内部で確認された事を受け、環境省では神戸市及び尼崎市と協力して、当該コンテナが一時的に留め置かれた地点(兵庫県神戸市2カ所、尼崎市1カ所)の周辺において、捕獲トラップ等を設置し、ヒアリの侵入の有無を確認するための緊急調査を実施しています。

 ① 5月26日分(コンテナ内の個体)

 当該コンテナは薬剤により燻蒸され、内部で確認された個体は、全て消毒処分されました。この燻蒸したアリの個体を研究機関で分析したところ、以下が確認されました。

● 有翅メス(女王アリ)

全体 1

頭胸部(頭部及び胸部) 1

腹部 1

● 有翅オス

全体 2

頭胸部(頭部及び胸部) 3

胸部 6

腹部 8

胸腹部(胸部及び腹部) 2

 今回調査を行ったサンプルは薬剤により長時間燻蒸され、コンテナ内の異物とともに回収されたことから、劣化および破損した個体が多い状態です。このため、働きアリの総数については、正確な個体数を見積もることは困難な状況にあります。概ねの概数として、少なくとも500個体以上になります。

 なお、ヒアリの働きアリや有翅オスは、仮に屋外に逸出した場合でも、単独で繁殖することはありません。

 有翅メス頭胸部及び有翅オス頭胸部には羽が存在していることから、有翅メス及び有翅オスは各々少なくとも2個体及び5個体を確認しました(今後の分析によっては、さらに有翅個体の部位が確認される可能性もあります)。

 ② 6月28日分(ポートアイランドPC18内の個体)

 また、ポートアイランドPC18のヒアリ発見場所近くに調査のため設置していたトラップで、ヒアリの疑いのある個体が1個体捕獲され、専門機関において同定したところ、ヒアリであることが確認されました。

2.今後の予定

 当該コンテナで5月26日に確認されたアリには幼虫やさなぎが混じっており、当初より有翅アリの存在も想定されていたことから、今回の確認により、リスクが高まった訳ではありません。

 一方で、6月28日に捕獲された個体が新たにヒアリと確認されたことを踏まえ、引き続き、神戸市及び尼崎市と連携協力して、コンテナが留め置かれた地点の周辺においてトラップの設置等による調査とベイト剤による予防措置を継続するとともに、ヒアリが確認された場合、速やかに防除を実施します。

(写真) 兵庫県立人と自然の博物館提供

添付資料

連絡先
環境省
環境省自然環境局
野生生物課外来生物対策室
代表 03-3581-3351
室長   曽宮 和夫
室長補佐 八元 綾
担当   三宅 悠介
近畿地方環境事務所 野生生物課
直通 06-4792-0706
課長   澤志 泰正
課長補佐 深田 富士雄

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