報道発表資料

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2017年07月04日
  • 自然環境

大阪港におけるヒアリの確認について(女王アリの確認)

 環境省が7月3日に大阪港において調査を行った際、ヒアリの女王アリと疑わしいアリを持ち帰り、専門機関で分析を行った結果、ヒアリの女王アリと同定されましたのでお知らせします。

1.経緯等

6/30  6/29に大阪市住之江区内の倉庫に搬入されたコンテナからアカカミアリが確認されたことを受け、環境省では、当該コンテナが陸揚げされた大阪市の南港を緊急に調査した。その結果、地面からまとまった数のアカカミアリもしくはヒアリの可能性のある個体を発見したため、捕獲トラップ、ベイト剤(毒餌)を設置し、液体の殺虫剤(遅効性)を使用した。

 その際捕獲した個体について、専門機関に同定を依頼。

7/3   大阪港において専門家による確認調査を実施した結果、新たに生きた個体は確認できず、6/30に殺虫剤を使用した場所から約50個体の疑わしいアリの死骸を回収した。回収した死骸(女王アリと思われる個体を含む)については、専門機関に同定を依頼。周辺にベイト剤(毒餌)を増設した。

 また、専門機関により、30日に防除した個体がヒアリであることを確認。

7/4   専門機関により、7/3に回収した死骸のうち、女王アリとみられる個体を確認したところ、ヒアリの女王アリであることを確認

2.今回の確認された個体について

 ヒアリの女王アリが野生下で確認されたこと、あわせて多数の働きアリが同じ箇所で見つかったことから、当該箇所周辺で繁殖している可能性もあることがわかりましたが、当該箇所ではアリ塚が形成されておらず(通常、アリ塚の状態になるには2~3年かかるとされています)、定着・増殖しているとしても初期段階であると考えられます。

3.今後の対応

 当該地点で確認された個体は、初期対応の結果、発見された全ての個体が殺虫剤により処分されました。また、7月3日の専門家による確認調査においても、生きた個体は確認されていませんが、確認地点の周辺において、ベイト剤(毒餌)を設置するとともに、捕獲トラップを設置しました。更に、今回の確認地点を中心に規模を拡大した緊急調査を実施する予定です。

 また、今回の確認事例を受け、国土交通省港湾局とも協力して、すでに調査を行っていている7港を含め、中国南沙港からのコンテナ定期輸送サービスが行われている22港湾においても、さらに調査及び予防的防除(ベイト剤の設置)を実施します。なお、国土交通省港湾局においては、中国からの定期航路を有する港湾に対しても、ベイト剤の設置等適切に対応するよう要請しているところです。

4.港湾区域で働く皆様、周辺住民等の皆様へ

 ヒアリかどうかは、専門家が詳しく観察しなければ判断できませんが、ヒアリの疑いがあるかどうかは、肉眼で少しは、またカメラのズームや顕微鏡を使えばおおよそわかることがあります(別紙)。

 港湾管理者や地元自治体、環境省地方環境事務所へご相談される際は、写真を撮った上でご相談頂けるとスムーズです。

【参考】これまでのヒアリの確認状況等(平成29年7月4日 現在)

番号

確認地点

確認日

確認状況

対応状況

兵庫県尼崎市

6/9

コンテナで集団を発見

コンテナは燻蒸消毒済み

周辺の緊急調査を実施中

兵庫県神戸市

6/18

コンテナヤードの舗装面の亀裂で個体を発見

緊急防除を実施済み

周辺の緊急調査を実施中

愛知県弥富市

6/30

コンテナ上部で個体を発見

発見個体は殺虫処分

周辺の緊急調査を実施中

大阪府大阪市

7/3

コンテナヤードの舗装面の亀裂で個体を発見

発見個体は殺虫処分

周辺の緊急調査を実施中

添付資料

連絡先
環境省
環境省自然環境局
野生生物課外来生物対策室
代表 03-3581-3351
室長   曽宮 和夫
室長補佐 八元 綾
担当   三宅 悠介
近畿地方環境事務所 野生生物課
直通 06-4792-0706
課長   澤志 泰正
課長補佐 深田 富士雄

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