報道発表資料

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2016年10月07日
  • 総合政策

トヨタ自動車田原工場風力発電所設置事業に係る計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見の提出について

環境省は、7日、愛知県で計画されている「トヨタ自動車田原工場風力発電所設置事業に係る計画段階環境配慮書」(トヨタ自動車株式会社)に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。
 本事業は、愛知県田原市において、最大で26,000kWの風力発電所を設置するものである。
 環境大臣意見では、風力発電設備の配置等を検討するに当たって、騒音等や風車の影による生活環境への影響を回避又は極力低減すること、鳥類に対する影響を回避又は極力低減すること等を求めている。

1.背景

 環境影響評価法及び電気事業法は、出力10,000kW以上の風力発電所の設置又は変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、提出された計画段階環境配慮書※について、経済産業大臣からの照会に対して意見を述べることができるとされている。

 今後、経済産業大臣から事業者であるトヨタ自動車株式会社に対して、環境大臣意見を勘案した意見が述べられ、事業者は、意見の内容を検討した上で事業計画を決定し、事業段階の環境影響評価(環境影響評価方法書、準備書、評価書)を行うこととなる。

※計画段階環境配慮書:配置・構造又は位置・規模に係る事業の計画段階において、重大な環境影響の回避・低減についての評価を記載した文書。

2.事業の概要

 ・事業者    トヨタ自動車株式会社

 ・計画位置  愛知県田原市 トヨタ自動車田原工場(事業実施区域 約151ha)

 ・出力     26,000kW(5~12基)

3.環境大臣意見の概要

[1]総論

(1)対象事業実施区域の設定

風力発電設備の配置等の検討に当たっては、計画段階配慮事項に係る環境影響の重大性の程度を整理し、反映させること。

(2)累積的な影響

事業実施想定区域の周辺においては、他事業者による複数の風力発電所が設置済であり、累積的な影響が懸念されるため、今後、他事業者との情報交換等に努め、風力発電設備の配置等を検討すること。

(3)事業計画の見直し

[2](1)及び(3)により、騒音等による影響及び鳥類に対する影響を回避又は十分に低減できない場合は、風力発電設備等の配置等の再検討、対象事業実施区域の見直し等を行うこと。

(4)環境保全措置の検討

環境保全措置の検討に当たっては、環境影響の回避・低減を優先的に検討し、代償措置を優先的に検討することがないようにすること。

[2]各論

(1)騒音等に係る環境影響

事業実施想定区域の周辺には複数の住居等が存在しており、供用時における騒音等による生活環境への影響が懸念されることから、風力発電設備等を住居等から離隔すること等により騒音等による生活環境への影響を回避又は極力低減すること。

(2)風車の影に係る環境影響

事業実施想定区域の周辺には複数の住居等が存在しており、供用時における風車の影による生活環境への影響が懸念されることから、風力発電設備等を住居等から離隔すること等により風車の影による生活環境への影響を回避又は極力低減すること。

(3)鳥類に対する影響

事業実施想定区域内では、希少猛禽類であるチュウヒの飛翔が高い頻度で確認されているほか、事業実施想定区域の周辺には、重要野鳥生息地(IBA)である汐川干潟等が存在しており、多数のガン・カモ類及びシギ・チドリ類が確認されていることから、風力発電設備への衝突事故や移動経路の阻害等によるこれら鳥類に対する影響が懸念される。このため、風力発電設備等の配置等の検討に当たっては、鳥類に関する調査及び予測を行い、専門家等からの助言を踏まえ、影響を評価し、鳥類に対する影響を回避又は極力低減すること。

(参考)

環境影響評価に係る手続き

・平成28年8月23日   経済産業大臣から環境大臣への意見照会

・平成28年10月7日   環境大臣から経済産業大臣に意見提出

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局
環境影響審査室
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8237
室長  :大井通博(内6231)
室長補佐:日下 崇(内6248)

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