報道発表資料

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2016年09月16日
  • 再生循環

「食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断の基準となるべき事項の改定について」(中央環境審議会答申)について

 平成28年4月19日付けで環境大臣から中央環境審議会に諮問した「食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断の基準となるべき事項の改定について」の審議が、中央環境審議会循環型社会部会食品リサイクル専門委員会及び食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会の合同会合において行われ、中央環境審議会循環型社会部会における審議を経て、本日、中央環境審議会から環境大臣に答申がなされました。
 本答申は、食品関連事業者(食品製造業者、食品卸売業者、食品小売業者及び外食事業者)が取り組むべき措置として、食品廃棄物をそのまま商品として販売することが困難となるよう適切な措置を講じること等を追加するべく、食品リサイクル法の「食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断の基準となるべき事項を定める省令」を改正すること等を提言するものです。
 今後は、共管省庁である農林水産省の食料・農業・農村政策審議会食料産業部会での審議を経た上で、関係各省と共に、本答申を踏まえた判断基準省令の改定等の所要の措置を講じることとしています。

1.経緯

 本年1月に食品製造業者等が産業廃棄物処理分業者に処分委託した食品廃棄物が、当該処分業者により不適正に転売され、複数の事業者を介し、食品として流通するという事案(以下「本事案」という。)が発覚しました。これを受け、本年3月に取りまとめられた「食品廃棄物の不適正な転売事案の再発防止のための対応について」(平成28年3月14日環境省)においては、電子マニフェストの機能強化、廃棄物処理業に係る対策として監視体制の強化等、排出事業者に係る対策として食品廃棄物の転売防止対策の強化に取り組むこととされました。

 これらのうち、排出事業者に係る対策としての食品廃棄物の不適正な転売防止対策の強化に関しては、食品関連事業者が取り組むべき措置の指針(判断基準省令)の見直しを検討するとともに、食品廃棄物の不正転売防止のための措置に関するガイドラインを策定するべく、環境大臣から中央環境審議会に、農林水産大臣から食料・農業・農村政策審議会に対し、それぞれ、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断の基準となるべき事項の改定について」が諮問されました。

 同諮問は中央環境審議会循環型社会部会及び食料・農業・農村政策審議会食料産業部会に付議され、循環型社会部会食品リサイクル専門委員会及び食料産業部会食品リサイクル小委員会の合同会合にて審議が行われ、本年9月8日、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断の基準となるべき事項の改定について」(答申案)が取りまとめられました。

 その後、9月14日の中央環境審議会循環型社会部会において審議され、本日付けで中央環境審議会会長から環境大臣に「食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断の基準となるべき事項の改定について」として答申がなされました。

※なお、電子マニフェストの機能強化や、廃棄物処理業者の監視体制の強化、適正処理の強化及び人材育成については、別途、中央環境審議会における廃棄物処理法の施行状況の点検・評価の中で議論されているところです。

2.答申案の概要

 食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断の基準となるべき事項の改定にあたっての基本的な考え方(本事案を踏まえた判断基準省令の改正の必要性、食品関連事業者による食品廃棄物等の不適正な転売防止の取組の具体的方向性、食品ロスの削減)を踏まえ、判断基準省令の改定の方針及び「食品リサイクル法に基づく食品廃棄物等の不適正な転売の防止の取組強化のための食品関連事業者向けガイドライン」に盛り込むべき主な項目並びにその他重要事項について取りまとめられました。

 主なポイントは以下のとおりです。

  • 転売防止の取組のために、飼料化・肥料化といった食品リサイクルの取組が阻害されないよう、食品循環資源の再生利用の取組の促進と、食品廃棄物等の不適正な転売防止のための措置とを同時に達成すべきこと
  • 転売防止の観点でも、すべての食品関連事業者が基本に立ち返って、排出事業者責任を重く再認識した上で、再生利用事業者等との信頼関係の強化等により、食品リサイクルの適確な実施の確保のための取組を徹底させることが重要であること
  • 本事案の発覚により消費者の信頼が揺らぐ事態となったことを受けて、喫緊の再発防止措置として、廃棄される食品の性状、荷姿、消費・賞味期間の長さ、発生量など、不適正な転売のリスクを考慮しつつ、食品関連事業者が、追加的に転売防止措置を検討し、実効的かつ継続的なかたちで、柔軟な措置を実施するよう、新たに指針として示すこと
  • 食品関連事業者が実施すべき取組として、1)食品廃棄物が委託契約どおりに収集・運搬及び再生利用されるよう確認すること、2)食品廃棄物の性状又は発生の状況を勘案し、追加的に転売防止措置が必要と認められる場合には、食品廃棄物等が食用と誤認されないよう適切な措置を講ずる旨、3)適正な料金で再生利用を行っている委託先を選定する旨を、判断基準省令に盛り込むこと

3.今後のスケジュール(予定)

 10月14日 食料・農業・農村政策審議会食料産業部会にて、答申案の審議

 秋頃     食品リサイクル法判断基準省令改正案のパブリックコメント

 年内目途  食品リサイクル法判断基準省令の改正、ガイドラインの公表

添付資料

連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課リサイクル推進室
直通 03-5501-3153
代表 03-3581-3351
室長  :田中 良典(内線6831)
室長補佐:高林 祐也(内線6824)
担当  :稲田 拓朗(内線6835)
     薄木 航 (内線6804)

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