報道発表資料

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2008年10月15日
  • 自然環境

第4回世界自然保護会議の結果概要について(お知らせ)

 国際自然保護連合(IUCN)主催の第4回世界自然保護会議(WCC4)が2008年10月5日~14日にバルセロナ(スペイン)で開催されましたのでその結果概要をお知らせします。
 同会議の一環として、環境省と(財)日本自然保護協会の共催による「SATOYAMAイニシアティブ」の普及を目的としたワークショップを実施したほか、我が国の拠出金により改訂、翻訳された東アジア保護地域行動計画の紹介等が行われました。
 また、IUCNより2008年版レッドリストが公表されました。
 IUCN会員総会では、役員選挙が実施され、小池寛治国連大学学長特別顧問が南・東アジア地域の地域理事として選出されたほか、IUCNの2009-2012年の活動計画が決定されました。

1.第4回世界自然保護会議の概要

 IUCN(国際自然保護連合)の4年に1度の会員総会と、それに併せて行われる「世界自然保護フォーラム」の2部構成で行われた。全体テーマは「多様で持続可能な世界」(A diverse and sustainable world)。

(1)期日
平成20年10月5日(日)~14日(火)
(2)場所
バルセロナ国際会議場(スペイン)
(3)参加者
IUCNを構成する会員及び科学者等世界各国から8,000人以上が参加。
我が国からは外務省、環境省、水産庁、生物多様性条約第10回締約国会議支援実行委員会およびNGO等から50人以上が参加。
(4)プログラム
10月5日
開会式
10月6日-9日
世界自然保護フォーラム
(800以上のワークショップ、イベント等の開催)
10月10日-14日
会員総会
(2009-2012活動計画等の決定、役員選挙、動議の採択など)

2.主な結果

(1)SATOYAMAワークショップ(10月7日)

 世界自然保護フォーラムのプログラムの一つとして、「SATOYAMA アジアの農山村~人と自然の持続可能な関係~」と題して環境省と(財)日本自然保護協会の共催により開催。約40人の参加者を得て、自然共生社会のあり方として我が国から世界に対して提案する「SATOYAMAイニシアティブ」の普及啓発を図った。

(2)東アジア保護地域行動計画の改定・翻訳記念イベント(10月8日)

 1998年より環境省が政府機関会員として資金を提供している東アジア保護地域プロジェクトにおいて、「東アジア保護地域行動計画」(1996年に釧路で開催された第2回東アジア国立公園・保護地域会議でとりまとめられたもの)を約10年ぶりに改定し、4言語(日・英・中・韓)に翻訳、発行したことを周知するための記念イベントが世界保護地域委員会(WCPA)の主催により行われた。

(3)役員選挙(10月13日開票結果発表)

 IUCNの会長、理事、各専門委員会委員長等の選挙が実施され、新たな会長にはインドのアショク・コースラ(Ashok Khosla)氏が選出された。また、南・東アジア地域理事として、我が国からの候補である小池寛治国連大学学長顧問が同地域1位で選出された。なお、当該理事を2期8年間務めた赤尾信俊日本アセアンセンター事務総長は任期を満了した。

(4)各種動議等の審議

 会員総会では、IUCNの2009-2012年の活動計画が決定されたほか、IUCNの運営等に関する決議がなされた。また、生物多様性保全、生態系及び人類福祉、気候変動、エネルギー等のテーマに分類された「動議」(計143件)が審議され、135件が採択された。
 採択されたうち、我が国に関係する案件としては、我が国NGOが提案したジュゴンの保全の推進に関する勧告が含まれている(本件採決に際し、国家会員としての日本政府及び政府機関会員としての環境省は棄権した)。

(5)その他

・10月6日には、IUCNのレッドリスト2008年版が公表され、特にほ乳類については、世界的な生息状況調査の結果、その4分の1の種が絶滅のおそれがあるとされたこと、両生類については新たに366種がリストに加わるなどその3分の1の種が絶滅のおそれがあるとされたこと、海洋生物に関しては特にハタ類(魚類)と造礁サンゴに焦点を当てたことなどが紹介された。

・同会議にはIUCN親善大使を務めるシンガーソングライターのイルカさんも出席し、10月8日夜にはフォーラムのプログラムの一つとしてコンサートが開催された。

・展示ブース会場が設けられ、我が国からもNGOブースと環境省ブースの2件を出展した。環境省ブースにおいては、我が国の生物多様性保全施策、SATOYAMAイニシアティブ、国立公園等の紹介に加え、生物多様性条約第10回締約国会議支援実行委員会による資料展示等も行い、生物多様性条約第10回締約国会議に向けた我が国の姿勢を積極的にPRした。

添付資料

連絡先
環境省自然環境局総務課
03-3581-3351(代表)
03-5521-8342(直通) 
課長:奥主 喜美 (6460)
補佐:奥山 正樹(6413)
係員:長谷川万純(6488)

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