報道発表資料

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2016年06月10日
  • 総合政策

(仮称)日南風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見の提出について

 環境省は、10日、宮崎県で計画されている「(仮称)日南風力発電事業に係る計画段階環境配慮書」(Sky Wind SPC1株式会社)に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。
 本事業は、宮崎県日南市において、最大で総出力19,500kWの風力発電所を設置するものである。
 環境大臣意見では、風力発電設備を住居から離隔すること等により騒音等や風車の影による影響を回避又は極力低減すること、鳥類に関する調査、予測及び評価を行い、風力発電設備等の配置等に反映すること等を求めている。

1.背景

 環境影響評価法及び電気事業法は、出力10,000kW以上の風力発電所の設置又は変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、提出された計画段階環境配慮書(※)について、経済産業大臣からの照会に対して意見を言うことができるとされている。
 今後、経済産業大臣から事業者であるSky Wind SPC1株式会社に対して、環境大臣意見を勘案した意見が述べられ、事業者は、意見の内容を検討した上で事業計画を決定し、事業段階の環境影響評価(環境影響評価方法書、準備書、評価書)を行うこととなる。

※計画段階環境配慮書:配置・構造又は位置・規模に係る事業の計画段階において、重大な環境影響の回避・低減についての評価を記載した文書。

2.事業の概要

 本事業は、宮崎県日南市において、最大で総出力19,500kWの風力発電所を設置するものである。
 本事業の事業実施想定区域及びその周辺は、サシバ等の渡り鳥の渡り経路となっている可能性があるほか、クマタカ等の希少猛禽類の生息地が確認されている。また、事業実施想定区域の近隣には複数の住居が存在する。

3.環境大臣意見の概要

[1]総論

(1)対象事業実施区域の設定
 対象事業実施区域の設定並びに風力発電設備等の配置等の検討に当たっては、計画段階配慮事項に係る環境影響の重大性の程度を整理し、反映させること。

(2)事業計画の見直し
 [2](1)、(2)及び(3)により、影響を回避又は十分に低減できない場合は、風力発電設備等の配置等の再検討、対象事業実施区域の見直し及び基数の削減を含む事業計画の見直しを行うこと。

(3)環境保全措置の検討
 環境保全措置の検討に当たっては、環境影響の回避・低減を優先的に検討し、代償措置を優先的に検討することがないようにすること。

[2]各論

(1)騒音等の影響
 事業実施想定区域の近隣には複数の住居が存在しており、工事中及び供用時における騒音等による重大な環境影響が懸念されることから、風力発電設備等を住居から離隔すること等により、騒音等による環境影響を回避又は極力低減すること。

(2)風車の影の影響
 事業実施想定区域の近隣には複数の住居が存在しており、供用時における風車の影による重大な環境影響が懸念されることから、風力発電設備等を住居から離隔すること等により、風車の影による環境影響を回避又は極力低減すること。

(3)鳥類に対する影響
 事業実施想定区域及びその周辺は、サシバ等の渡り鳥の渡り経路となっている可能性があるほか、クマタカ等の希少猛禽類の生息が確認されており、風力発電設備への衝突事故や移動経路の阻害等によるこれら鳥類への重大な影響が懸念されることから、風力発電設備等の配置等の検討に当たっては、鳥類に関する調査及び予測を行い、専門家等からの助言を踏まえ、影響を評価し、反映すること。

(4)植物及び生態系に対する影響
 事業実施想定区域には、自然環境保全基礎調査において植生自然度が高いとされた植生が存在しており、植物及び生態系への影響が懸念されるとともに、植生自然度が高いとされた植生以外の森林においても、林床に重要な植物が生育する可能性が示唆されていることから、動植物の生息・生育状況について林床も含め調査し、植物及び生態系への影響が回避又は極力低減されるように、風力発電設備等の配置等を検討すること。

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響審査室
代  表:03-3581-3351
直  通:03-5521-8237
室  長:神谷 洋一 (内6231)
室長補佐:相澤 寛史 (内6233)
審査官 :生田 雄一 (内6239)

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