報道発表資料
1.ファウンダーの確保について
ライチョウの飼育下繁殖の技術確立等を目的として、平成27年度から、乗鞍岳でファウンダーとして10個の卵を採卵し、孵化・飼育を試みています。孵化・飼育の結果、現在、成育している個体は富山市ファミリーパークのオス3羽のみとなっており、追加的なファウンダー確保が必要となっています。
そのため、平成28年度についても、乗鞍岳から追加的なファウンダー確保を実施することとし、産卵期に4卵、抱卵期に8卵の合計12卵を目標として採卵を行うこととしました。
なお、平成27年度に採卵を実施した巣において、①巣の放棄が無かったこと、②採卵巣と非採卵巣では、孵化率や雛の生存状況に有意な差は見られなかったこと、③産卵期に採卵した巣においては、追加産卵の可能性があること、が確認されており、生息域内個体群への大きな影響は確認されておりません。
2.孵化・飼育の実施体制について
ライチョウの孵化・飼育については、(公社)日本動物園水族館協会と環境省との間で平成26年5月に締結した「生物多様性保全の推進に関する基本協定書」に基づく取り組みとして位置付け、(公社)日本動物園水族館協会正会員所属園館により実施します。
平成27年度は、同協会生物多様性委員会に設置されているライチョウ域外保全プロジェクトチームに所属する、恩賜上野動物園及び富山市ファミリーパークの2施設で孵化・飼育を実施しました。
平成28年度は、恩賜上野動物園、富山市ファミリーパークに加え、同じくライチョウ域外保全プロジェクトチームに所属する大町山岳博物館の3施設で孵化・飼育を実施することとし、産卵期の4卵は恩賜上野動物園で、抱卵期の8卵は富山市ファミリーパーク及び大町山岳博物館で受け入れてもらうこととしました。
孵化・飼育は、唯一の事例である大町山岳博物館における過去の飼育・繁殖の経験や、別亜種スバールバルライチョウの飼育・繁殖で得られた知見を活用して、実施します。平成28年度から新たにファウンダーを受け入れる大町山岳博物館については、過去の実績をより積極的に活用した孵化・飼育の実施により、雛の生存率の向上等に繋がることが期待されます。また、恩賜上野動物園については、感染症リスクや環境ストレスの低減等により、飼育管理の改善を行うこととしています。
- 連絡先
- 環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室
(代表 : 03 - 3581 - 3351)
(直通 : 03 - 5521 - 8353)
室 長 : 番匠 克二 (6677)
室長補佐 : 三宅 悠介 (6464)
係 長 : 佐藤 直人(6671)