報道発表資料
1.参加国
世界の排出の大部分をしめる主要経済国(16の国と機関:日、米(議長)、英、仏(COP21議長国)、独、伊、加、中、印、インドネシア、韓、豪、墨、南ア、伯、EU(オランダ(議長国)及び欧州委員会)及びオブザーバー8カ国(NZ、モロッコ(COP22議長国)、シンガポール、マーシャル、コンゴ民主共和国(LDC議長国)、マリ(アフリカ・グループ議長国)、エジプト、サウジアラビア)の計24カ国の環境大臣や気候変動特使に加え、フィゲレス国連気候変動枠組条約事務局長が参加した。
2.概要
今回のMEFでは、パリ協定の採択を受けて、パリ協定の締結に向けた各国の取組や、今後は各国自身が「自国が決定する貢献」(以下「貢献」)を実施する段階に移行することを踏まえた、パリ協定の実施に向けた交渉の優先事項等が議論された。
(1) パリ協定の締結、早期発効の影響
4月22日のパリ協定署名式において、175カ国・地域が署名し、一部の国は年内に締結の手続きをとることを表明した。これを踏まえてMEFでは、各国がパリ協定の締結に向けた国内の取組について説明した。あわせて、協定上の発効要件である世界総排出量の55%を占める55カ国以上の国による締結が2020年以前に達成された場合の影響等について、議論された。
全ての国の参加を得つつ、早期発効を目指すことが極めて重要であるとの多くの指摘があった。早期発効の影響については、一部の締結の遅れが見込まれる国々からの主張もあり、批准の遅れが当該国のCMA1(第一回締約国会合)での交渉への参加に不利益をもたらすべきでないとの問題意識は概ね共有されたが、引き続き、今後の交渉において対応につき議論を深めていくこととなった。
(2)長期戦略
パリ協定第4条第19項で招請されている温室効果ガス削減のための長期開発戦略の策定・提出について議論され、各国は各国事情に応じて検討している取組を各々紹介した。一部の国からは、主要排出国であるMEF諸国が率先して、長期戦略を策定すべきとの意見や、長期戦略はCOPでの交渉や透明性の対象とは別のものとして、各国が協力できる分野を見出すためのものと位置づけるべきとの意見も見られた。
(3)COP22に向けた優先事項
「貢献」を具体的な政策に転換するために行動が必要であり、COP22は実施のためのCOPにすべきとの意見が多かった。また、多くの国々が、パリ協定の実施に向けた種々の検討作業のバランスを維持することが重要と指摘した。多くの国々が、特に途上国における「貢献」の実施や透明性その他に対する能力開発への支援の重要性に言及した。特に能力開発に関するパリ委員会等を通じた取組の強化の重要性を多くの国が主張し、一部の国は、具体的な支援に言及した。特に、先進国は能力開発への支援を通じた透明性向上が重要と主張した。途上国は、2020年までに年間1000億ドルの動員目標に向けた道筋の明確化の重要性を強調した。
我が国は、COP22の成果として、パリ協定の詳細ルール等の主要事項に関してCOP22移行のロードマップを明確に示すことが期待されることや、開発に関するパリ委員会の役割の重要性等について述べた。本日の議論を受けて、仏が今後の取り進め方に関する考え方をとりまとめたリフレクション・ノートを、5月16日から開催予定の補助機関会合(於:ボン)までに提示する旨述べた。
(4)実施に向けた各国の取り組み
各国が自国の「貢献」の実施に向けた取り組みを説明した。
(5)気候変動枠組み条約外の取り組み
(ア)HFC(ハイドロフルオロカーボン)
温室効果ガス削減に大きなインパクトを与えるHFC(ハイドロフルオロカーボン)を、オゾン層破壊物質に関するモントリオール議定書を改正してその規制対象とする議論がなされていることを踏まえ、今年10月の第28回締約国会合でのあり得べき進展について、議論された。
(イ)国際航空
2020年以降の世界の航空部門からの排出を同年と同じ水準に保つことを目標とする、今年9月のICAO(国際民間航空機関)総会で市場メカニズムに基づく排出削減枠組(GMBM)の採択を巡り、先進国と途上国の間で見解の違いが見られた。
3.次回MEF会合の予定
次回会合は、9月の国連総会時に開催予定。
(了)
- 連絡先
- 環境省地球環境局国際地球温暖化対策室
代表:03-3581-3351 直通:03-5521-8330
室 長:大井 通博(内線6772)
交渉官:増田 大美(内線6773)
係 員:影山 凡子(内線6789)