アジア太平洋地球変動研究ネットワーク（ＡＰＮ）第21回政府間会合/科学企画グループ会合の開催結果について（お知らせ）

１．開催日時・場所

• 平成28年4月20日(水)～21日(木)
• 中国・鄭州（テイシュウ）

２．出席者

• 21か国の政府代表及び／又は科学企画グループメンバー、招聘専門家等計82名
• 我が国からは、環境省地球環境局総務課竹本研究調査室長、東京大学サステイナビリティ学連携研究機構（IR3S）福士教授（APN科学企画グループ共同議長）他が出席した。

３．主な成果

（１）公募プロジェクト

• 地域共同研究プログラム（CRRP）については、公募に基づき提案された88件のプロジェクトの中から、気候変動の緩和と適応、土地利用、水資源、廃棄物などの分野に関する10件の新規プロジェクトが承認された。また、2件が昨年度に継続プロジェクトとして承認された。
• 気候変動適応フレームワーク（CAF）では、12件の継続プロジェクトが条件付きとして承認された。
• 科学的能力の向上に関するプログラム（CAPaBLE）については、公募に基づき提案された58件のプロジェクトの中から8件の新規プロジェクトが承認された。また、2件が継続プロジェクトとして承認された。

（２）APNの今後の活動方針

• 昨年度世界各国が合意した、国連気候変動枠組条約（UNFCCC）に基づくパリ協定、持続可能な開発目標（SDGs）等の国際アジェンダの実施や、気候変動に関する政府間パネル（IPCC）の第6次評価報告サイクルに対してAPNとして貢献していくことが必要である旨我が国から提案し、これを踏まえて来年度のプロジェクト公募等を行っていくことが確認された。
• 各国とも若手研究者に対する研究費支援の機会提供が課題となっていること、若手の段階から国際的なネットワーク構築の機会を提供することが、中長期的に地域全体の科学的能力向上と環境政策の立案能力向上に資するとの意見を踏まえ、今後の研究プロジェクト公募にあたって、若手研究者向けの特別枠を設定する方向で検討が行われることとなった。
• 我が国から、APNへの資金拠出を促進させるためには、研究分野や成果目標等をより明確にしたプログラムが必要である旨提案し、今後、その実現に向けて運営委員会等で議論していくこととなった。

（３）その他議論

• 開催国中国における気候変動の影響における適応戦略について発表が行われた。中国における適応戦略は政策、技術、基礎科学の3系統を統合構築している手法について発表が行われた他、気候変動による黄河河川流域の水資源変化についての発表が行われた。

【参考】APN概要

• 日米のイニシアティブにより1996年に発足した政府間ネットワーク。我が国(環境省･兵庫県)は設立以来最大の拠出国としてAPNを支援している。事務局は神戸市。今回開催された年次政府間会合は同ネットワークの最高意思決定会合であり、22か国の政府代表が各国科学企画グループ代表と共にネットワークの活動について議論するもの。
• 加盟国：オーストラリア、バングラデシュ、カンボジア、中国、フィジー、インド、インドネシア、日本、ラオス、マレーシア、モンゴル、ネパール、ニュージーランド、パキスタン、フィリピン、韓国、ロシア、スリランカ、タイ、米国、ベトナム、ブータン

アジア太平洋地球変動研究ネットワーク（APN）事務局／APNセンター（神戸市）

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