報道発表資料
第2期目標保有者50社(2013年度採択・2014年度排出削減実施)においては、先進的で高効率な低炭素機器等の導入等により、2014年度の1年間で合計12,865トンCO2が削減されました。これは、各社の基準年度排出量((2010~2012年度)の排出量の平均)を平均して8.6%削減したことになります。一部の参加者は、自らの排出削減取組では目標が未達でしたが、他の参加事業者等からの排出削減量の調達により達成し、結果として全50社が削減目標を達成しました。このように、費用効率的な事業を優先採択し、市場メカニズムを活用した柔軟な目標達成手法を設けることにより、全体の所要額を抑えつつ大幅削減を達成しました。今後も、費用効率的に、また、市場メカニズムを活用して、業務・産業両部門の低炭素化を推進していきます。
1.先進対策の効率的実施によるCO2排出量大幅削減事業(ASSET事業)の内容
(1)事業概要
我が国の温室効果ガス排出量のうち、業務部門の排出量は増加率が約108%(1990年比)と一貫して増加傾向にあり、また、産業部門の排出量は、全部門に占める温室効果ガス排出量の割合が約33%(2013年確報値)と最大となっています。我が国が低炭素社会を構築し、中長期的に温室効果ガスの大幅削減を行うためには、業務・産業両部門における既存ストックの更新等の対策による低炭素化が急務となっています。
こうしたことから、環境省では、既存ストックの更新等に際して、事業者が導入すべき先進的で高効率な低炭素機器を見定め、それを効果的・効率的に導入することを支援する「先進対策の効率的実施によるCO2排出量大幅削減事業」を行っています。
本事業は、率先して先進的で高効率な低炭素機器の導入に取り組む先進的な事業者が、当該機器の導入等を加味した適切な排出削減目標を設定し、低炭素機器の導入と併せて事業所における運用改善の取組も行いつつ、本事業の参加者全体で排出枠の調整(排出量取引や外部クレジットの活用)を行うことで、事業全体として確実な排出削減を担保し、以って業務・産業両部門における二酸化炭素排出量を効率的に大幅削減することを目的としているものです。
(2)第2期目標保有者(2013年度採択・2014年度排出削減実施)の概要
国内の事業所(業務ビル、工場等)における先進的で高効率な低炭素機器の導入
(3)補助額
補助対象経費の1/3以内(1事業あたりの補助上限額:2億円)
2. CO2排出削減実績について
(1)対象事業場・工場の基準年度排出量
・基準年度排出量とは、本制度への参加年度(第2期目標保有者の場合、2013年度)の過去3年(2010~2012年度)の排出量の平均を言います。
・検証機関による第三者検証を経た結果、第2期目標保有者50者の基準年度排出量の合計は、149,015t-CO2でした。
(2)排出削減対策実施年度(2014年度)における排出削減量の実績
・第2期目標保有者50者がCO2の排出削減に取り組んだ結果、2014年度の1年間で12,865t-CO2削減されました。
・これは、基準年度排出量(上記2.(1)参照)の8.6%を削減したことになります。
(3)排出削減目標の達成状況
第2期目標保有者50者は、排出削減に取り組むとともに、目標達成に不足する差分がある場合には、排出量(排出枠)の取引や外部クレジットを活用し、最終的には全50者が削減目標を達成しました。(下記3.参照)
3. 排出量取引等の結果について
第2期目標保有者は、2015年4月から2015年11月末までを取引期間として、必要に応じて排出枠の過不足分の取引、外部クレジットの調達に取り組みました。
当該期間に、参加事業者間で30件超、量にして約6,000t-CO2排出枠取引が行われました。
※排出枠取引・外部クレジットの活用イメージについては、https://www.env.go.jp/press/index.html をご参照ください。
4. 事業の評価及び今後の方針
以下のとおりASSET事業の特徴を生かしたCO2削減が実現できたと考えております。
① 費用効率性の高い事業を採択することで、全体の所要額を圧縮する。
② 参加者が削減目標の達成を約束することで、大幅な削減を確実にする。
③ 市場メカニズムを活用した柔軟な手法(排出量取引、クレジット利用)が有効に機能する。
平成28年度以降も、費用効率性の高い事業を支援し、業務・産業両部門の低炭素化を推進します。
添付資料
- 連絡先
- 環境省地球環境局地球温暖化対策課市場メカニズム室
直 通 03-5521-8354
代 表 03-3581-3351
室 長 小笠原 靖 (内線7716)
室長補佐 飯野 暁 (内線6737)
室長補佐 稲垣 信一 (内線7734)
担 当 栁井 淳邦 (内線6785)