報道発表資料
(1) 背景
環境省では、平成26年8月に取りまとめた「2020年オリンピック・パラリンピック東京大会を契機とした環境配慮の推進について」を踏まえ、今年度、国立研究開発法人国立環境研究所等の研究機関の参画を得ながら、東京都市圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)を対象として、既存の複数モデルを連携させ、2020年、2030年、2050年における環境対策の効果と経済への影響について定量的に分析を行ってまいりました。
また、文部科学省及び国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の協力の下、東京湾臨海部において、緑地の有無による気温や風の流れ方等の分析を行いました。
本取りまとめ案について、「持続可能な東京都市圏づくりに関する懇談会」を開催し、民間事業者や学識経験者から構成される委員の方々から大所高所の御意見をいただきました。
それらの意見を踏まえ、今般、最終取りまとめ報告書をまとめましたので、お知らせいたします。
(2) 最終取りまとめ報告書の内容
別添資料のとおり
(3) 本モデル分析のポイント
分野の異なる分析モデルを連結させることにより、地球温暖化対策との関連性が強いヒートアイランド対策や廃棄物対策による効果も同時に明らかにしたこと。具体的には以下のとおり。
① 温暖化対策の中でも従来定量化が困難であった都市のコンパクト化に伴う低炭素効果を定量的に明らかにしたこと。
例えば、2050年時点において、コンパクト化を前提としないケースに比べ、首都圏既存計画などの行政計画を踏まえつつ一定のコンパクト化を行うことを想定したケースでは、合計146万t、更にコンパクト化の強度を強めることを想定したケースでは、合計1193tの温室効果ガス削減効果が見込まれる。
② 温暖化対策の効果として、温室効果ガスの削減だけではなく、気温の低減効果や緑地整備手法の違いによる効果の差など、ヒートアイランド分野における将来の暑熱環境を具体的に明らかにしたこと。
これにより、2050年においては、現状のまま推移した場合には約1.7℃気温が上昇すると推定されるところ、東京都市圏における既存の行政計画に盛り込まれた対策・施策の実施を想定するケースでは、最大0.3℃低下、更に対策・施策の実施強度を強めたケースでは、最大1℃の低下が見込まれることが明らかとなった。
③ 物質循環分野において、人口や廃棄物受入施設等の将来の空間分布を考慮した 施策効果や、都市の集約拠点の計画的な更新と建築物の長寿命化による建設廃棄物の削減効果を明らかにしたこと。
これにより、2050年までに、東京都市圏における既存の行政計画に盛り込まれた対策・施策の実施を想定するケースでは、建設廃棄物15%の削減効果、更に対策・施策の実施強度を強めたケースでは、建設廃棄物19%の削減効果が見込まれることが明らかとなった。
添付資料
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局総務課
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8227)
課 長:上田 康治(内:6210)
調 査 官:堀田 継匡(内:6211)
担 当:湯浅 翔(内:6266)