報道発表資料

この記事を印刷
2016年03月22日
  • 地球環境

インドネシア国家適応行動計画実施促進のための日・インドネシア協力に関する意向書の署名について(お知らせ)

 平成28年3月15日にインドネシア・ジャカルタにおいて、小林正明環境省地球環境審議官とエンダ・ムルニティアス・インドネシア国家開発計画庁(BAPPENAS)天然資源環境担当次官との間でインドネシア国家適応行動計画実施促進の協力に関する意向書が署名されました。
 本意向書は、平成27年11月に閣議決定された「気候変動の影響への適応計画」に基づいて我が国が実施する、途上国における気候変動影響評価や適応計画策定等への協力に関する施策として位置づけられるものです。これは、適応分野に特化した環境省として初の二国間の意向書となります。
 これを受け、3月15日~17日にはジャカルタ、メダン、スラバヤにおいて、シンポジウムを開催しました。今後は北スマトラ、東ジャワ両州を中心に地方州政府を対象とした協力を行っていきます。
1.意向書概要
  • 目的:気候変動適応のための国家行動計画(RAN-API)に規定されている地方の気候変動適応戦略・計画を策定することを目的とし、気候変動影響評価に関する能力を強化する。
  • 対象地域:環境省とBAPPENASとの相互合意に基づいて決定される。初めに北スマトラ州と東ジャワ州を実施地域とする。
  • 環境省は、日本とインドネシアの農業、水資源、沿岸域などの気候変動の影響の様々な分野の研究者、専門家で構成される、気候変動の影響評価の合同専門家チームを設置し、対象地域において関係者との関係構築を行う。BAPPENASは、州政府がRAN-APIを実施するための活動や、本協力期間終了後にも取組が継続されることを確保するために必要な対応等をとる。
  • 署名式は、「インドネシアにおける気候変動適応シンポジウム~RAN-API実施促進のための日・インドネシア協力~」において行われた。
2.インドネシアにおける気候変動適応シンポジウム~RAN-API実施促進のための日・インドネシア協力~

 上記の署名に併せて首都ジャカルタ及び協力対象地域である北スマトラ州メダン、東ジャワ州スマトラに於いてシンポジウムを開催した。

(1)ジャカルタ

日程 :平成28年3月15日(火)

共催 :環境省、インドネシア国家開発企画庁(BAPPENAS)

テーマ:気候変動影響評価にかかる二国間協力

参加 :インドネシア共和国から政府・関連機関、大学・研究機関、民間企業、報道機関等から約140名。うち我が国からは、環境省、東京大学、茨城大学、国立環境研究所、日本工営株式会社、国際協力機構(JICA)から参加。

  • 我が国からは小林地球環境審議官が冒頭挨拶を行い、協力に対する期待を述べた。
  • 竹本環境省地球環境局研究調査室長からは我が国の「気候変動の影響への適応計画」の概要、地方適応計画策定のための気候変動影響評価にかかる日本とインドネシアの協力事業内容を説明した。BAPPENASからは、RAN-APIに関する現状、地方適応計画の必要性等が共有された。
  • インドネシア気象気候地球物理庁(BMKG)と環境林業省(KLHK)からは、農民や漁民を中心とした気候変動に関する普及啓発キャンペーンの実施や、学生を対象としたテキストブック配布についての事例紹介があった。
  • また、日本とインドネシアの学術研究者による最新の気候変動適応研究、特に農業や水資源、健康に関する影響評価の研究成果の共有が行われた。

(2)北スマトラ州メダン

日程 :平成28年3月16日(水)

共催 :環境省、北スマトラ州開発企画部(BAPPEDA)

 参加者はBAPPEDAを中心に気候変動適応分野に関連する政府(BMKG、KLHK)地方事務所や、州農業部や河川部、地元大学やメディアを含め約70名。意向書を基にした今後の活動の方向性が議論された。また、日本でJICAの気候変動適応研修を受講したBMKGの参加者から、両国に共通する洪水や豪雨による土砂災害等の事例や、日本の適応技術のインドネシアへの応用可能性などについても紹介があり、日本の研究者とも活発な意見交換が行われた。

(3)東ジャワ州スマトラ

日程 :平成28年3月17日(木)

共催 :環境省、東ジャワ州開発企画部(BAPPEDA)

 参加者はBAPPEDAを中心に気候変動適応分野に関連する政府(BMKG、KLHK)地方事務所や、州農業部や森林部、地元大学等から約60名。来賓挨拶で、加藤義治在スラバヤ日本国総領事から日本とインドネシアの気候変動分野における二国間協力の説明がなされると共に、政策者と研究者の一層の協力の必要性について言及され、スマトラ工科大学学長(Prof. Joni Hermana) からは科学的根拠に基づいた適応情報の重要性や国と地方レベルの協力関係についての意見が共有された。

連絡先
環境省地球環境局総務課研究調査室
直通:03-5521-8247
代表:03-3581-3351

室長 :竹本 明生(内線6730)
専門官:星野ゆう子(内線7727)
専門官:熊丸 耕志 (内線7718)