報道発表資料

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2016年03月17日
  • 自然環境

「生態系を活用した防災・減災に関する考え方」とハンドブック「自然と人がよりそって災害に対応するという考え方」の公表について(お知らせ)

森林が土砂崩れを防ぐ、海岸の森林が津波被害を軽減する、湿原が一時的に洪水を受け止めるなど、健全な生態系が自然災害を軽減することが知られています。
環境省では、生態系がはたす防災・減災の働きやその活用手法などを『生態系を活用した防災・減災に関する考え方』としてとりまとめました。また、ご理解いただきやすいよう、ハンドブック『自然と人がよりそって災害に対応するという考え方』を作成しました。

1.策定経緯

生態系を活用した防災・減災は、生態系の保全・再生・維持管理を通して、危険な自然現象に人命・財産がさらされることを避け、生態系を緩衝帯・緩衝材として用いるとともに、食糧や水の供給などのさまざまな機能により、人間や地域社会の自然災害への対応を支える考え方です。

国際的にはインド洋大津波以降に、我が国でも東日本大震災以降に注目されるようになりました。

環境省では、平成26年と平成27年度に検討会を設置し、国内外の情報や事例を調査し、『生態系を活用した防災・減災に関する考え方』を作成しました。本考え方では、災害リスクの低減に寄与する生態系の役割を整理し、地域の将来像を描く中で、生態系を活用した防災・減災を進める際に必要となる基本的な視点や活用手法について、事例を交えて紹介しています。また、広く普及をはかるため、その概要をまとめたハンドブック『自然と人がよりそって災害に対応するという考え方』を作成しました。

2.内容

『生態系を活用した防災・減災に関する考え方』

  1. 自然災害と生態系

  2. なぜこれからの日本に生態系を活用した防災・減災が必要か

  3. 防災・減災に生態系はどのように役立つか

  4. 防災・減災に生態系を活用する際の基本的視点

  5. 防災・減災に生態系を活用する

  6. 今後の取組の方向性

ハンドブック『自然と人がよりそって災害に対応するという考え方』

  • なぜこれからの日本に生態系を活用した防災・減災が必要か

  • 生態系を防災・減災に用いる利点

  • 古くからある生態系による防災・減災

  • 生態系を用いた防災・減災の考え方

  • 防災・減災に生態系を用いる際のポイント

  • 参考事例

  • Q&A

3.入手方法

環境省ウェブサイトからダウンロードできます。

https://www.env.go.jp/nature/biodic/eco-drr.html

4.参考

生態系を活用した防災・減災に関する検討会委員一覧 (敬称略・五十音順)

氏名

所属・役職

一ノ瀬 友博

慶應義塾大学 環境情報学部 教授

太田 猛彦

東京大学 名誉教授

萱場 祐一

国立研究開発法人土木研究所 河川生態チーム 上席研究員

国立研究開発法人土木研究所 自然共生研究センター

栗山 浩一

京都大学大学院 農学研究科 生物資源経済学専攻 教授

清野 聡子

九州大学大学院工学研究院 環境社会部門 生態工学研究室 准教授

中静 透

東北大学大学院 生命科学研究科 教授

中村 太士

北海道大学大学院 農学研究院 森林生態系管理学研究室 教授

西廣 淳

東邦大学 理学部 生命圏環境科学科 准教授

古川 恵太

笹川平和財団 海洋政策研究所 主任研究員

海洋研究調査部 部長

古田 尚也

IUCN日本リエゾンオフィス コーディネーター

大正大学地域構想研究所 教授

涌井 史郎

【座長】

国連生物多様性の10年日本委員会 委員長代理

東京都市大学 環境情報学部 教授

連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性地球戦略企画室
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8275)
室長  :中尾 文子(内:6480)
室長補佐:岡野 隆宏(内:6481)
室長補佐:八元 綾 (内:6483)