報道発表資料

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2016年03月17日
  • 保健対策

「水銀に関する水俣条約政府間交渉委員会第7回会合」の結果について(お知らせ)

 本年3月10日(木)から15日(火)まで、ヨルダンにおいて「水銀に関する水俣条約政府間交渉委員会第7回会合」が開催されました。本会合では、条約の発効に向けた準備として、締約国会議第1回会合において採択されるべき手引等について議論が行われました。また、会合期間中に我が国の水銀対策等に関するブース展示を行いました。

1.開催概要

 本年3月10日(木)から15日(火)まで、ヨルダンにおいて「水銀に関する水俣条約政府間交渉委員会第7回会合」(INC7)が開催されました。我が国からは、外務省、経済産業省及び環境省で構成される政府代表団が出席しました。

 会合中は環境省による日本の水銀対策等に関するブース展示も行われました。その際、昨年10月24日(土)に熊本県水俣市で開催された水銀に関する水俣条約2周年記念行事において、同市の中学生が署名した水銀対策の重要性を伝えるメッセージが展示され、その展示を受け、INC議長のフェルナンド・ルグリス氏(ウルグアイ)からビデオメッセージが寄せられました。

2.会合の結果概要

(1)  会合では、平成25年10月に熊本県水俣市及び熊本市にて開催された水俣条約外交会議で採択された決議に基づいて議題が設定されました。①技術的事項、②財政事項、③規則・法的事項及び④報告・有効性評価について、締約国会議第1回会合(COP1)において採択されるべき事項等、同決議において付された優先順位に基づき、本会合、コンタクトグループ等において議論が行われました。
(2)

 技術的事項については、条約に基づく手引の策定等に係る議論が下記のように行われました。

・水銀の輸出入に関し、輸入国の事前の同意に係るフォーマットの使用方法などを示す手引をCOP1での採択を前提に仮採択しました(水俣条約第3条関係)。

・50トンを超える量の水銀又は水銀化合物の個別の在庫および年間10トンを超える量の在庫を発生させる水銀の供給源を特定する方法等に係る手引を、COP1での採択を前提に仮採択しました(水俣条約第3条関係)。

・水銀の大気排出に関するBAT/BEPの手引に関し、一部の国から手引の位置付けに関する懸念が示され、手引と条約上の義務の差異を明確化するための修正を行った上で、暫定版として採択されました(水俣条約第8条関係)。

・環境上適正な暫定的保管に関し、指針策定に当たってのロードマップが採択されました(水俣条約第10条関係)。今後は、各国等が推薦する専門家の協力を得つつ、条約暫定事務局が指針案を作成することになります。

(3)  報告・有効性評価については、我が国と米国が共同提出した水銀モニタリングと有効性評価に関する提案案等を踏まえ議論が行われ、我が国は積極的に議論をリードしました。有効性評価のためのモニタリングについては、今後COP1までの会期間に暫定事務局が関連する情報を取りまとめ、その結果をCOP1に報告することになりました。
(4)  財政事項については、地球環境基金(GEF)に関し、本条約上の支援を実施するための取り決め案をCOP1での採択を前提に仮採択したほか、「全般的な戦略、政策、計画の優先度並びに資金へのアクセス及び資金の利用のための資格に関する手引」(案)及び「GEFの信託基金から支援を得ることができる活動の種類を示す一覧表」(案)を、GEF評議会に送付することを決定、また、「能力形成及び技術援助を支援する特定の国際的な計画を主催する機関及び同機関に対する手引」について議論が行われました。
(5)  規則・法的事項については、COPの手続規則及び財政規則の議論が行われました。
(6)  我が国は、アジア太平洋地域のコーディネーターとして地域の立場を会合に適切に伝えるとともに、INC7のビューロー会合に参画し、会合の運営にも貢献しました。

3.関連会合等

 本会合に先立つ関連会合として、3月8日(火)に国連環境計画(UNEP)水銀パートナーシップアドバイザリー会合が開催されました。本会合では、これまでの活動の報告が行われたほか、条約採択後の同パートナーシップの役割等について議論がなされました。環境省はパートナーシップの廃棄物管理分野においてリーダーを務めているところ、パートナーシップにおいて行っている、バーゼル条約で採択された水銀廃棄物に関するガイドラインの普及に関する取組などを紹介しました。

 また会合期間中、環境省は会場に展示ブースを設置し、我が国における水銀対策に関する資料の配布を行いました。また、昨年10月24日(土)に熊本県水俣市で開催された水銀に関する水俣条約2周年記念行事において、同市の中学生が署名した水銀対策の重要性を伝えるメッセージを展示し、会合参加者からの署名を受けました。展示ブースには、UNEP事務局次長のイブラヒム・シャウ氏が訪問したほか、INC議長のフェルナンド・ルグリス氏(ウルグアイ)より、水俣市の中学生に向けたビデオメッセージが寄せられました。

4.今後の予定

 今後、水銀に関する水俣条約は、締約国が50カ国に達した後90日目に効力を発生します。COP1は発効後1年以内に開催されることになっています。3月15日現在の締約国数は25カ国(日本に続き、ザンビア、セネガル締結)ですが、INC7全体会合の席上で、イランの代表団から、締結に向けた最終段階にあることが報告されました。

5.参考URL

 「水銀に関する水俣条約政府間交渉委員会第7回会合」(INC7):UNEPウェブサイト

 http://www.mercuryconvention.org/Negotiations/INC7/tabid/4506/Default.aspx

連絡先
環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8260)
 課長  :立川 裕隆(内線 6350)
 課長補佐:髙橋 一彰(内線 6353)
 課長補佐:斉藤 貢 (内線 6368)
 担当  :稲子谷昂子(内線 6356)