報道発表資料

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2016年02月17日
  • 総合政策

神鋼真岡発電所建設計画に係る環境影響評価準備書に対する環境大臣意見の提出について(お知らせ)

 環境省は、17日、栃木県真岡市で計画されている「神鋼真岡発電所建設計画 環境影響評価準備書」(株式会社神戸製鋼所)に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。
 本事業は、栃木県真岡市の真岡第五工業団地内において、都市ガスを燃料とする総出力124.8万kWの神鋼真岡発電所を新たに建設するものである。
 環境大臣意見では、事業者に対し、局長級取りまとめに基づく枠組の参加事業者に電力を供給し確実に二酸化炭素排出削減に取り組むこと、関係者と協力し最新鋭の都市ガス火力発電設備の導入及び稼働による二酸化炭素排出削減に向けて着実に取り組むこと、騒音及び振動対策の実施等を求めた。
 また、経済産業省に対し、電力業界に対して、温室効果ガス削減の目標達成に真摯に取り組むよう促すとともに、省エネ法や高度化法等の政策的な対応措置に取り組んでいくことにより、電力業界全体の取組の実効性を確保することを求めた。

1.背景

 環境影響評価法及び電気事業法は、出力11.25万kw以上の火力発電所の設置又は変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、提出された環境影響評価準備書について、経済産業大臣からの照会に対して意見を言うことができるとされている。本件は、この手続きに沿って意見を提出するものである。

 今後、事業者である株式会社神戸製鋼所は、環境大臣及び関係自治体の長の意見を受けた経済産業大臣勧告を踏まえ、法に基づく環境影響評価書の作成等の手続が求められる。

※環境影響評価準備書:環境影響評価の結果について環境の保全の見地からの意見を聴くための準備として、調査、予測、評価及び環境保全対策の検討を実施した結果等を示し、環境の保全に関する事業者自らの考え方を取りまとめた文書。

2.事業の概要

 本事業は、株式会社神戸製鋼所が栃木県真岡市の真岡第五工業団地内において、都市ガスを燃料とするコンバインドサイクル発電方式(総出力124.8万kW)の神鋼真岡発電所を新たに建設するものである。本事業で発電した電力は、都市ガスの供給元である東京ガス株式会社に卸供給する計画である。

3.環境大臣意見の概要

[1]前文

 経済産業省においては、自主的枠組に関し、電力業界に対して、温室効果ガス削減の目標の達成に真摯に取り組むことを促すとともに、省エネ法や高度化法等の政策的な対応措置に取り組んでいくことにより、電力業界全体の取組の実効性を確保すること。

[2]総論

 本事業の工事の実施及び施設の供用に当たっては、温室効果ガスの排出削減対策を始め、大気環境の保全対策、水環境の保全対策等の環境保全措置について適切に講ずること。

[3]各論

(1)温室効果ガス

1) 局長級取りまとめの「利用可能な最良の技術(BAT)の参考表【平成26年4月時点】」に掲載されている「(A)経済性・信頼性において問題なく商用プラントとして既に運転開始をしている最新鋭の発電技術」を超える高効率の発電設備を導入することとしているところ、本発電設備の熱効率の適切な維持管理を通じて、着実に二酸化炭素排出量を削減すること。

2) 発電段階での低炭素化が確保されるよう、枠組の参加事業者に電力を供給し、確実に二酸化炭素排出削減に取り組むこと。

3) 「2050年までに80%の温室効果ガス排出削減」を目指すとの国の長期目標との整合性を確保するため、二酸化炭素分離・回収・貯留等に関する検討結果や技術開発状況も踏まえ、今後の二酸化炭素排出削減対策について、所要の検討を行うこと。

4) 本事業を含め、事業者における長期的な二酸化炭素排出削減対策について、所要の検討を行い、事業者として適切な範囲で必要な措置を講ずること。

(2)騒音及び振動

 工事期間中の環境監視を実施するとともに、本事業の影響により配慮を要する場合には、追加的な環境保全措置を講ずること。

(3)その他

 本事業により経年火力発電設備の稼働が減少されれば、環境保全上の優位性をもたらすことが期待されることから、関係者と協力し、最新鋭の都市ガス火力発電設備の導入及び稼働による二酸化炭素排出削減に向けて着実に取り組むこと。

【参考】

○事業概要

・名称 神鋼真岡発電所建設計画

・事業者 株式会社神戸製鋼所

・計画位置 栃木県真岡市

・燃料 都市ガス

・発電方式 ガスタービン及び汽力(コンバインドサイクル発電方式)

・出力 124.8万kW(62.4万kW×2)

・CO2排出原単位 0.338kg-CO2/kWh(発電端)

・工事開始時期 平成28年6月(予定)

・運転開始時期 平成31年7月(予定)

○環境影響評価に係る手続

【方法書の手続】

・縦覧 平成25年3月26日~平成25年4月25日(住民意見5件)

・栃木県知事意見提出 平成25年8月1日

・経済産業大臣勧告 平成25年8月16日

【準備書の手続】

・縦覧 平成27年9月29日~平成27年10月28日(住民意見2件)

・栃木県知事意見提出 平成28年2月8日

・環境大臣意見提出 平成28年2月17日

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響審査室
代表:03-3581-3351
直通:03-5521-8237
室長:神谷 洋一(内6231)
室長補佐:相澤 寛史(内6233)
審査官:大山 孝(内6253)
担当:中本 ちひろ(内6239)

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