報道発表資料
(1)スギ・ヒノキ花粉総飛散量について(更新)
■ スギ雄花調査から得られたデータを、予測地点の特性を踏まえて詳細に分析し、鳥取県及び高知県の予測飛散量を修正しました。その結果、鳥取県の予測については、前年との比較が「かなり多い」から「多い」、例年との比較が「かなり多い」から「例年並み」となりました。その他の地域については変更ありません。
(2)スギ花粉の飛散開始時期について(更新)
■ 最新の気象予測等を踏まえ、飛散開始時期を修正しました。その結果、第1報と比較して一部の地域は飛散開始が早まる予測となりましたが、全体的な傾向としては第1報と変更ありません。
(3)飛散ピーク時期について(新規)
■ 九州地方では2月下旬、関東及び中国地方では2月下旬~3月上旬、甲信地方では2月下旬~3月中旬、北陸及び近畿地方では3月上旬、東北及び東海地方では3月上旬~下旬、四国地方では3月中旬~下旬にピークになる見込みです。
(4)今後の予定について
■ 花粉飛散の終息予測等を4月下旬頃に発表する予定です。なお、民間において花粉飛散に関する予測が広く行われるようになったことを踏まえ、環境省による予測は平成28年春をもって終了します。
注1:
東北地方:青森県、秋田県、岩手県、宮城県、山形県、福島県
関東地方:神奈川県、東京都、千葉県、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県
甲信地方:長野県、山梨県
北陸地方:福井県、石川県、富山県、新潟県
東海地方:三重県、愛知県、岐阜県、静岡県
近畿地方:兵庫県、大阪府、京都府、奈良県、和歌山県、滋賀県
中国地方:山口県、広島県、岡山県、島根県、鳥取県
四国地方:香川県、徳島県、愛媛県、高知県
九州地方:福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、熊本県、宮崎県、鹿児島県
注2:例年比または前年比が、180%~:かなり多い、150~180%未満:多い、120~150%未満:やや多い、80~120%未満:並、50~80%未満:やや少ない、50%未満:少ない
注3:例年値は過去10年間の平均
1.背景
環境省では、花粉症に関する調査研究の一環として、平成16年度から花粉飛散予測※1を行っています。平成27年12月に平成28年春における花粉飛散量及び飛散開始時期の予測(第1報)をとりまとめたところですが、今般、スギ林雄花調査結果※2及び最新の気象情報等を踏まえた第2報をとりまとめましたので公表いたします。
※1 平成27年度花粉症に関する調査・検討業務(請負先:ウェザー・サービス株式会社)
※2 環境省「平成27年度花粉症に関する調査・検討業務」及び林野庁「平成27年度森林環境保全総合対策事業」
2.平成28年春のスギ・ヒノキ花粉総飛散量の予測について(参考資料1)
春に飛散するスギ及びヒノキ花粉の数は前年夏(6月~8月、特に7月上旬~8月中旬)の気象条件に大きな影響を受け、日照時間が多く、気温が高い夏は、翌年春の花粉飛散量が多くなります。また、少量飛散年の翌年はスギ雄花の着花量が増加するという傾向が見られます。これらの状況を踏まえ、平成28年春のスギ・ヒノキ花粉の総飛散量を予測しました。
スギ雄花調査から得られたデータを、予測地点の特性を踏まえて詳細に分析し、第1報から鳥取県及び高知県の予測飛散量を修正しました。その結果、鳥取県の予測については、前年との比較が「かなり多い」から「多い」、例年との比較が「かなり多い」から「例年並み」となりました。その他の地域については変更ありません。
(1) 夏の気象及びスギ雄花の状況について
平成27年の7月は東日本と北日本でスギやヒノキの雄花形成が多くなる気象条件になり、西日本では逆に雄花形成が少ない気象条件になりました。しかし、8月中~下旬には全国的に天候不順となり、東日本ではこれらの気象条件等の影響で、前シーズンよりスギ雄花の形成が不良の地域が多くなりました。一方で、西日本は気象条件よりも、前シーズンの花粉飛散量が非常に少なかったこと等の影響が大きく、前シーズンよりスギ雄花の着花量が増加した地域が多くなりました。
(2) スギ・ヒノキ花粉総飛散量の予測について
① 前シーズンとの比較
平成28年春の花粉飛散量は前シーズンと比較すると、東北地方では「やや少ない」となる地域が多く、関東及び北陸地方では「前年並み」、甲信及び近畿地方では「前年並み」又は「やや少ない」となる地域が多い見込みです。一方で東海地方は、「かなり多い」地域から「やや少ない」地域まで幅広く存在し、中国、四国及び九州地方は大半の地域で「かなり多い」となると予測されます。
② 例年との比較
例年との比較では、東北及び甲信地方では「例年並み」又は「やや少ない」となり、関東、四国及び九州地方では「例年並み」、北陸、東海及び近畿地方では「やや少ない」となる地域が多い見込みです。中国地方は「例年並み」の地域から「かなり多い」地域まで幅広く存在すると予測されます。
3.平成28年春のスギ花粉飛散開始時期予測について(参考資料2)
スギ花粉を放出する雄花の開花時期は、開花までの気温の推移と相関があり、特に1月、2月の気温が高いほど早まります。
第2報では、第1報と比較して一部の地域で飛散開始が早まる予測となりましたが、全体的な傾向は第1報と変更ありません。
(1) 気温の状況について
平成27年11月および12月の気温は全国的に平年より高くなり、平成28年1月上旬もこの傾向が続きましたが、中旬以降は逆に平年より低い日が続きました。気象庁の1か月予報(1月21日発表)によると、2月以降の気温は全国的に平年並みかやや高くなると予測されています。
(2) スギ花粉飛散開始時期の予測について(前シーズン及び例年との比較)
平成27年春との比較では、東北及び中国地方の一部でやや遅くなると予測されますが、その他の地方は前年と同様か、やや早くなると予測されます。例年との比較では、全国的に平年並みかやや早くなると予測されます。
4.平成28年春のスギ花粉飛散ピーク時期予測について(参考資料3)
各地点で予測されるスギ・ヒノキの花粉総飛散数、花粉の平均的な飛散量の変化等を用いて、花粉飛散が多くなる時期の予測を行いました。なお、本予測は、一般的に最初の飛散ピークとなるスギ花粉のピーク時期を予測しています。
九州地方では2月下旬、関東及び中国地方では2月下旬~3月上旬、甲信地方では2月下旬~3月中旬、北陸及び近畿地方では3月上旬、東北及び東海地方では3月上旬~下旬、四国地方では3月中旬~下旬にピークになる見込みです。このピークの前後10日から20日の間も花粉量がかなり多いので注意が必要です。
5.花粉症予防対策について
花粉の曝露を避けるための基本的な対策には、以下のものが挙げられます。
・マスク、メガネを着用する。特にマスク内側に当てガーゼを付けると効果が高い。
・換気時にはレースのカーテン等で遮るとともに、開窓を10cm程度にとどめる。
・掃除はこまめに行い、掃除機の使用だけでなく、濡れ雑巾やモップによる清掃を行う。
・洗濯物は屋内に干す。
・衣類の素材は羊毛や毛織物は避け、ポリエステルや綿製品で起毛のないものを着用する。
上記については、花粉症に係る各種関連情報を紹介する「花粉症環境保健マニュアル2014」(https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/manual.html)で、より詳しい内容がご覧いただけます。
6.その他
(1) 本予測(第2報)に関する留意事項
本予測(第2報)は、現時点で得られた気象データ、気象庁の季節予報、前年の花粉飛散量及びスギ雄花調査結果等を踏まえて作成されたものです。今後は、花粉飛散の終息予測等を4月下旬頃に発表する予定です。また、気象条件の変化等により、本予測(第2報)が大きく変更される場合には、花粉飛散予測(第3報)を公表する場合があります。
なお、民間において花粉飛散に関する予測が広く行われるようになったことを踏まえ、環境省による予測は平成28年春の終息予測等の発表をもって終了いたします。
(2) 平成28年春シーズンの対応
環境省では、花粉に関する情報をホームページで公開しています。このホームページでは、花粉症に関する最新の知見を紹介する「花粉症環境保健マニュアル2014」や、各自治体のホームページをはじめとする花粉に関するリンク集等を掲載しており、随時、更新していく予定です。
環境省花粉情報サイト:https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/index.html
【本件発表に係る詳細についての問合せ先】
○ スギ・ヒノキ花粉飛散予測(スギ及びヒノキ雄花花芽調査含む)に関すること
ウェザー・サービス株式会社 連絡先:043-445-8355 担当:勝部、栗本
添付資料
- 参考資料1:平成28年春における都道府県別花粉総飛散量(スギ、ヒノキの総数)予測(第2報) [PDF 157 KB]
- 参考資料2:平成28年スギ花粉飛散開始時期予測(第2報) [PDF 112 KB]
- 参考資料3:平成28年春における都道府県別スギ花粉の飛散ピーク時期予測 [PDF 103 KB]
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
代 表:03-3581-3351
直 通:03-5521-8261
課 長 立川 裕隆(内6350)
課長補佐 加藤 拓馬(内6365)