報道発表資料
1.背景
環境省では、UNEPと協力し、東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)やアジア地域の褐色雲(ABC)プロジェクト等といった大気汚染に関する既存の地域的取組が参加する合同フォーラムを設置し、大気汚染対策に係る政策の経験等を共有するとともに、本フォーラムを通じてアジア地域の大気汚染に関する科学的知見を共有することで、地域全体として大気汚染問題に取組む結束力を高め、効果的な大気汚染対策を促進することとしています。
2.会合の概要
○日程:11月26日(木)~27日(金)
○場所:タイ・バンコク
○主催者:国連環境計画アジア太平洋事務所(UNEP ROAP)
○参加者:アジア太平洋地域約30ヵ国の政府関係者、大気汚染の改善に係る地域的枠組みの関係者、大気環境に関する科学的知見を有する専門家、NGO、資金援助機関など、約120名。
○我が国からの出席者:環境省水・大気環境局総務課国際協力推進室長等
※会議文書:議題、会議文書等は以下のウェブサイトから入手可能です
http://web.unep.org/regions/roap/events/apcap/about-apcap
3.概要
(1)既存の地域的取組や最新の科学的知見に関する情報共有
アジア太平洋地域では、EANETやアジア地域の褐色雲(ABC)プロジェクト、南アジアの大気汚染とその越境影響防止及び規制に関するマレ宣言など、大気汚染の改善のための様々な地域的・準地域的な取組が存在しています。本合同フォーラムでは、これらの取組間における相乗効果を促進するため6つの取組の代表者から最新の活動状況やこれまでの経験等についての発表が行われ、その内容について議論されました。また、大気汚染に係る健康リスクや発生源に関する最新の研究結果など、大気汚染に関する科学的知見についても発表が行われました。
(2)大気汚染に関する地域評価報告書の骨子に関する議論
アジア地域の大気汚染に関する科学的な評価を実施するため、著名な科学者で構成される科学パネルを設立し、科学パネルのメンバーを中心にアジアにおける大気汚染に関する地域評価報告書を作成することとしています。本フォーラムでは、地域評価報告書の骨子について議論が行われました。
(3)アジアの清浄な都市大気環境のための指針(案)の承認
クリーン・エア・アジアでは、アジアの各都市が大気汚染対策のための政策立案・実施を行う際に活用することを目的とした「アジアの清浄な都市大気環境のための指針(案)」(以下、「指針」という)を作成しており、今次会合ではその最終ドラフトが議論・承認されました(指針の概要については別添を参照)。今後、クリーン・エア・アジアでは、本指針をアジアの都市において導入するためのパイロット事業を進めると同時に、必要な人材育成を行うこととしています。
(参考)クリーン・エア・アジアについて
2001年に、アジアの都市大気環境に関するイニシアティブ(Clean Air Initiative for Asian Cities)として、アジア開発銀行、世界銀行及び米国国際開発庁によって設立。2007年からはNGOとして活動を実施。230を超える都市や機関及び中国を含む8カ国と協力を実施しており、2012年から、組織名をクリーン・エア・アジアとし、都市の大気汚染や低炭素化を進め、住みやすい健康的な都市の実現に貢献すること目的としている。
4.今後の対応
大気汚染の改善はアジア太平洋地域における共通の課題であり、我が国としては引き続きUNEPと連携しながら、本フォーラムを通じた情報交換を推進し、各国・各地域的取組における大気環境の改善に向けた取組を支援するとともに、UNEPとの協力内容の充実・強化について検討していくこととしています。
添付資料
- 連絡先
- 環境省水・大気環境局総務課国際協力推進室
室 長:吉川 和身(6532)
環境省水・大気環境局大気環境課
課長補佐:梁瀬 達也(6547)
直通:03-5521-9021
代表:03-3581-3351