報道発表資料

この記事を印刷
1997年09月26日

自然環境保全審議会野生生物部会の開催について

自然環境保全審議会野生生物部会が9月26日(金)午後2時から開催されます。
 次に掲げる国設鳥獣保護区が本年10月31日(漫湖鳥獣保護区は、10月30日)で存続期間の満了を迎えるため、平成9年11月1日(漫湖鳥獣保護区は、10月31日)より平成19年10月31日までを新たな存続期間として更新されますが、今回はそれに併せ、十和田、大山及び石鎚山系鳥獣保護区内に指定されている特別保護地区を再指定するとともに、新たに出水・高尾野(旧名称:荒崎)及び漫湖鳥獣保護区内に特別保護地区を指定するため、環境庁長官から自然環境保全審議会に対して諮問を行うものです。9月26日付けで答申される予定です。

諮問事項:国設鳥獣保護区特別保護地区の指定

1.案 件

 (1) 十和田鳥獣保護区十和田特別保護地区の指定(期間満了に伴う再指定)
 (2) 大山鳥獣保護区大山特別保護地区の指定(期間満了に伴う再指定)
 (3) 石鎚山系鳥獣保護区石鎚山系特別保護地区の指定(期間満了に伴う再指定)
 (4) 出水・高尾野鳥獣保護区出水・高尾野特別保護地区の指定(新規指定)
 (5) 漫湖鳥獣保護区漫湖特別保護地区の指定(新規指定)


2.指定の計画の概要

特別保護地区名 所    在    地 面積(ha) 備 考 (参考) 鳥獣保護区の概要
設定区分 面積(ha)
十和田
(トワダ)
青森県青森市、上北郡十和田湖町、南津軽郡平賀町及び秋田県鹿角郡小坂町 19,419 再指定 大規模生息地 38,772
大山
(ダイセン) 
鳥取県東伯郡東伯町、赤碕町、西伯郡大山町、中山町及び日野郡江府町 2,266 再指定 大規模生息地 5,984
石鎚山系
(イシヅチサンケイ)
愛媛県西条市、周桑郡丹原町及び上浮穴郡面河村 802 再指定 大規模生息地 10,858
出水・高尾野
(イズミ・タカオノ)
鹿児島県出水郡高尾野町 54 新規指定 集団渡来地
(ナベヅル、
マナヅル)
842
漫湖
(マンコ)
沖縄県那覇市、島尻郡豊見城村 58 新規指定 集団渡来地
(シギ・
チドリ類)
250



・特別保護地区の存続期間:平成9年11月1日から平成19年10月31日まで

[参考]
 ・上記各鳥獣保護区(漫湖以外)更新予定:存続期間平成9年11月1日から
                            平成19年10月31日まで
 ・漫湖鳥獣保護区更新予定         :存続期間平成9年10月31日から
                            平成19年10月31日まで
 ・荒崎鳥獣保護区については、今回の特別保護地区の指定に際して、公聴会で名称変更の要請があったので、出水・高尾野鳥獣保護区に変更する。


3.今回、指定を予定している国設鳥獣保護区特別保護地区の概要

 (1) 十和田鳥獣保護区十和田特別保護地区(当初指定:昭和28年10月10日)
 当該地は、十和田八幡平国立公園の十和田地域に位置し、八甲田の山麓から山頂にはブナ、アオモリトドマツ、ダケカンバ、ハイマツなどの自然林が広がりを見せているほか、広大な湿原や沼、渓流が点在し、豊かな森林生態系が維持されており、ニホンカモシカをはじめとする哺乳類及び、オオルリ、キビタキ、コマドリなど森林性の鳥類の良好な生息地となっている。
 また、十和田湖には、ミソサザイ、カワガラス、キセキレイなど水辺の鳥類が生息し、周辺には良好な森林環境が形成されている。

 (2) 大山鳥獣保護区大山特別保護地区(当初指定:昭和32年12月 1日)
 当該地域は、鳥取県西部に位置する大山隠岐国立公園の主峰大山を中心とし、自然の変化に富んだ地域である。標高700m~800mで冷温帯落葉広葉樹林となり、ブナ天然林から低地に行くに従ってミズナラ、シデ、イタヤカエデなどが見られ、ヤマガラ、ヒガラ、ツツドリ、サンコウチョウなどの森林性鳥獣の良好な生息地となっている。また、山頂付近には、特別天然記念物の「大山のダイセンキャラボク純林(8ha)」が見られ、ここではホシガラス、カヤクグリなどの亜高山帯を主な生息地とする鳥  類も生息している。

 (3) 石鎚山系鳥獣保護区石鎚山系特別保護地区(当初指定:昭和52年11月 1日)
 当該地域は、西日本最高峰の石鎚山を中心とする山岳地帯に位置し、石鎚国定公園の一部に含まれている。
 面河渓付近は、モミやツガなどの針葉樹とカシ林が混生した林を形成し、瓶ヶ森周辺にはササ地が広がり、石鎚山山頂付近にはシラベ林など、それぞれが多様な森林生態系を有している。
 ホシガラス、ルリビタキ、カヤクグリ、メボソムシクイなどの繁殖の南限としても貴重であり、天然記念物「ヤマネ」が生息しているなど、鳥獣の良好な生息地である。

 (4) 出水・高尾野鳥獣保護区出水・高尾野特別保護地区(新規指定)
 当該地域は、鹿児島県北西部の高尾野町に位置する干拓地で、稲作を中心とした田園地帯である。
 ナベヅル、マナヅルの世界最大の越冬地の一部となっており、平成8年度からツル類の分散化のため、環境庁による「特定地域鳥獣保護管理事業」により農地の借り上げ等の事業を開始している。また、ツル類以外にも220種以上の鳥類が確認されるなど、鳥類の宝庫として全国的にも著名な地域である。

 (5) 漫湖鳥獣保護区漫湖特別保護地区(新規指定)
 当該地域は、沖縄県南部の那覇市及び豊見城村に位置し、国場川下流の漫湖と饒波川下流部及びその周辺陸域からなる地域である。漫湖は干潮時に大規模な干潟が現れ、シギ・チドリ類など渡り鳥の越冬地及び休息地として重要な役割を果たしている。また、周囲には、豊見城城址公園などの緑地があることから、森林性の鳥類なども見られる。

連絡先
環境庁自然保護局野生生物課
課長:小林  光 (6460)
 担当:渕上、柴田(6468)